クワン議員やメトロバンクーバーの各地区の議員に送るための手紙の送り方・用紙のダウンロード

 

多文化主義で、様々な背景を持つ人々が共存する寛容な国カナダのここバンクーバーで、「南京大虐殺記念日」を制定しようという運動が始まり、日系社会に強い衝撃が走った。

戦時中、日系人は強制移動、財産没収などの不当な処遇を受けた。潜在差別意識を呼び起こしかねないこのような記念日の制定運動に対して、日系社会に迅速な対応が望まれる。

 

 

オタワの新聞 Hill Timesに2017年10月25日に掲載されたゲアリー・カワグチ氏の論評

 

外務省 歴史問題Q&A

 

 バンクーバーで発行されている中国語新聞、星島日報5月16日付のウェブ版によると「南京大虐殺記念日」制定の署名活動が5月17日、メトロバンクーバーを中心に正式に開始された。この運動は、カナダ連邦国会議員ジェニー・クワン氏が発起したもので、同議員は10万以上の市民による署名を10月15日までに集め、カナダの国会に提出するというものである。

 これにより12月13日を「南京大虐殺記念日」として制定するよう連邦政府を促し、当時、西側の目撃者から「この世の地獄」と称された歴史を世の人々が銘記し鑑とすることを希望している。

 市民の署名は、メトロバンクーバーの5カ所以上で行われ、同運動はカナダ第2次大戦災禍史実擁護会(ALPHA)と全国カナダ華人連合会など100余りの社会団体から支持され、全国各地で積極的に活動が繰り広げられる。

 もし「南京大虐殺記念日」が制定されれば、日本人、日系人に虐殺のイメージがつき、特に子供たちが何らかの差別の対象となることは想像に難くない。毎年来る記念日により、その被害は子々孫々にまで及ぶ。日系社会においては、この問題の重大さを認識し、早急に意思の表示をすることが望まれる。

 現在、既に、日系コミュニティの各団体のリーダーなどに、世話人としてゴードン門田氏より、書簡が送られている。近日中に、日系社会の重大な問題として協議の場が設けられる見込みだ。透明性と公共性のある委員会のようなものが結成され、反対意思表示の具体的な方法などについて議論されることとなろう。この他、クワン議員宛に個人から意見や抗議を英語で送ることも可能である。

 オンタリオ州議会では、2016年12月に香港系のスー・ウォン州議会議員が、南京記念日制定法案を提出。トロントALPHA が、中華料理店や商店街などで大規模な署名運動を繰り広げた。結局、その時「法案」の採択には至らなかったが、2017年10月にオンタリオ州議会で法的拘束力のない「動議」としてほとんど審議のないまま可決されてしまった。この動きに反対する日系社会が挙げた理由は、次の通りである。

Q. なぜカナダにおける南京虐殺記念日制定に反対か?

A. カナダは、様々な人種、国籍、性別、宗教等を受け入れる多様性を強みとした国。これからも色々な背景をもつ人々を迎え入れる、寛容で成熟した社会であり続けてほしいから。

【理由】

1 南京虐殺記念日は、多様性を重んじるどころか、かえって憎悪と不寛容を助長する。カナダ政府が作ろうとしてきた多文化主義に基づく参加型社会の実現に逆行する。

2 二つの外国間で80年前に起き、両国の緊張の種となってきた歴史問題をカナダ国内に持ち込み、一方だけの主張に荷担して論争を激化させることはカナダにとって得策ではない。カナダが関与すべきとしたら両国の和解を促し、未来指向型の関係構築に貢献すること。

3 日本は戦後一貫して平和を愛する国家として国際的にも貢献してきた。日本とカナダは経済、文化をはじめとして緊密な関係を築いてきており、お互い重要なパートナー。両国の市民によって育まれてきた日本との関係を損ねるようなことは非生産的である。

4 日系カナダ人はかつてカナダにおいてひどい人種差別を受けたが、財産没収、強制収容などに対するリドレス(戦後補償)運動を展開し、これを勝ち取った。カナダが、人権を尊重し、多文化主義国家を標榜する平和な国家となる上で、大いに貢献してきた日系コミュニティを再度居づらくさせないで欲しい。

5 再び差別と偏見を生む可能性を憂い、南京虐殺記念日制定に反対する。

 トロントでの署名運動では、この歴史問題がなぜここカナダで扇動されているかについて、全く背景知識を持ち合わせないまま、言われるがままに署名してしまった人も数多くいると聞く。コミュニティ間に分断を招くこの署名運動を早期にやめるよう、ジェニー・クワン議員の賢明な判断を期待する。

 バンクーバー新報では、記念日制定運動に関する新しい情報があり次第、逐一掲載する予定である。

English

 

 

デイビッド・ウェルチ ウォータールー大学教授によるヒル・タイム紙への投稿

 

 

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ユネスコ記憶遺産登録時の外務報道官談話のリンク

https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/danwa/page4_001450.html(日本語) https://www.mofa.go.jp/press/release/press4e_000887.html (英語)

 

 


 

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南京虐殺記念日制定法案反対特設ページ

 

望まれる早急な具体策の提案

個人の活動は自由

 

連邦議員ジェニー・クワン氏の発起で「南京大虐殺記念日」制定の署名運動が5月17日からメトロバンクーバーを中心に開始された。

この動きに対してメトロバンクーバーの日系コミュニティでは、同記念日制定に反対するための委員会を立ち上げることが6月3日決定した。

 

委員会設立のための会議を招集

 会議招集にあたっては、日系コミュニティで長く活動を続けてきたゴードン門田氏が世話人となり、日系コミュニティ各団体代表および所属個人に連絡し実現した。

 会議は6月3日、バーナビー市の日系文化センター・博物館で開催され、約30人が集まった。連絡を受けたコミュニティ団体の中には、さまざまな理由から団体として今回の会議参加を見送った団体もあるが、それらの団体から個人としての参加者が多く出席した。

 会議の中では、今回の記念日制定への動きについて、バンクーバーの大多数の日系コミュニティの声として、この会議で立ち上げが決まった委員会が活動をしていくことで参加者に了承された。もちろん個人の自由な活動を妨げるものではないとしている。

 また、委員会を設立するにあたり9人の委員を選出。近日中に第1回委員会を招集し、今回選出された委員により、委員会名称の決定、委員長と執行部の選定をすることで参加者が同意した。

 今回の会議では、日系コミュニティによる委員会の設立に当たり、委員会は公共性があるものとし、この問題を政治的な問題とせず、カナダ国内における特定のコミュニティ、もしくはコミュニティの人々(今回の場合は日系コミュニティ)に悪影響を及ぼし、カナダ国内での人権問題に発展することが予想される活動に対して反対し、多文化主義というカナダの根幹を成す原則に反する活動への反対表明であり、カナダ国内において問題があることを主張していくことで意見が一致した。

 委員会の活動内容については、参加者から多くの意見が出された。記念日制定案発起人クワン議員に直接抗議する、日系コミュニティの主張をメディアを通して公式に発表し、委員会の活動を報告する、連邦新民主党(NDP)の見解を確かめるなどが挙がった。

 活動内容の詳細については、今回の話し合いを踏まえ、今後の委員会で具体的に話し合われる。

 日系コミュニティへの、反対のための具体策の早急な提案が強く望まれる。

 

「南京大虐殺記念日」制定運動

 連邦議会新民主党(NDP)ジェニー・クワン議員(バンクーバー・イースト選挙区)が発起した運動で、現在メトロバンクーバーで記念日制定に向けた署名運動が行われている。署名は、同議員の公式ウェブサイト(https://www.jennykwanndp.ca/)からも呼びかけているほか、メトロバンクーバーの5カ所以上で行われている。

 またこの運動はカナダ第2次大戦災禍史実擁護会(ALPHA : Association for Learning & Preserving the history of WWII in Asia)と全国カナダ華人連合会など100以上の社会団体に呼びかけている。

 同議員は今年10月15日までに10万件以上の署名を集めることを目標とし、12月13日を記念日に制定する動議を今秋に国会に提出するとしている。

 その他の同記念日の制定の動きについては、オンタリオ州議会で2016年12月に香港系カナダ人スー・ウォン州議会議員が法案を提出。その時はこの法案の採択には至らなかったが、2017年10月に法的拘束力のない動議としてほとんど審議のないまま可決された。

 

NDPバンクーバー・イースト選挙区ジェニー・クワン議員

 香港出身。バンクーバー市議を経て、1996年にブリティッシュ・コロンビア州議会議員にNDPからバンクーバー- マウント・プレザント選挙区で立候補し当選。当時のNDP政権で市政関連大臣などを歴任した。

 その後、2015年連邦総選挙で、長年バンクーバー・イースト選挙区で議員を務めていたNDPリビー・デイビス前議員の退職の後を継いで、連邦NDPから立候補し当選した。現在野党連邦NDPの移民・難民・市民権省と多文化省の問題を担当している。

 バンクーバー・イーストサイドの住民への人権活動でも知られる。

 バンクーバー・イースト選挙区はカナダ全国の選挙区の中でも最も貧困層が多い選挙区の一つとして知られ、戦前、戦後に日系コミュニティがあった地区も含まれている。

 

ジェニー・クワン議員への意見提出先
Jenny Kwan MP
Member of Parliament for Vancouver East
Critic for Immigration, Refugees and Citizenship
Critic for Multiculturalism

2572 East Hastings st. Vancouver, BC, V5K 1Z3
Phone: 604.775.5800
Fax: 604.775.5811
Email: This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
Facebook: https://www.facebook.com/JennyKwanVanEast/
Twitter: https://twitter.com/JennyKwanBC

 

(編集部)

 


 

カナダの人種和合を促進する期成同盟 公開説明会開催

「カナダの人種グループに 不和をもたらす動き」に反対

公開説明会に参加した人たち(日系文化センター・博物館で)(撮影 大島多紀子)

 

 7月11日午後7時より、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館において、先にジェニー・クワンカナダ連邦国会議員により発起された「南京大虐殺記念日」を制定することに反対する説明会が行われた。

 この説明会は「カナダの人種和合を促進する期成同盟(以下同盟・委員長ゴードン門田氏、副委員長敬子パーカー氏)」が日系コミュニティ向けに初めて行ったもので、同日は約140名が参加し、日本語と英語で行われた。

 特に、この地に生活する人達にとってこの運動が日系カナダ人対中国系カナダ人という対立関係の図式を作らないようにとの要望も出された。会場では反対意志の表明方法、運動への要望など多数の意見が述べられ、関心の高さを示した。

 同日の会場での参加者からの質疑応答は次の通り。

◆ 反対意志の表明方法について

・法案制定に反対する内容の手紙を、自分の住む地区の連邦政府議員宛てに書く。

・クワン議員に直接手紙を書く。

・トルドー首相に手紙を書く。(手紙は現在作成中)

 この説明会に合わせて同盟では法案制定反対の手紙をクワン議員やメトロバンクーバーのそれぞれの地区の議員に送ることができるように、英文の手紙と手紙の内容を理解するための日本語訳をつけて、同日会場で希望者に配布した。しかし6月半ばをもって連邦議会は閉会しており、再開される9月半ばを考慮し、同盟では8月終わりから9月にかけて連邦政府議員全員及びトルドー首相に法案制定に反対の手紙を送ることを考えている。

◆ 署名運動はしないのか

・カナダ国内の日系人と中国系との数の差は大きく、得策かどうか疑問だとし、ネットでの署名も含めて今後検討する。

◆ 全国に広げる予定は

・広げる予定はあり、ウェブの作成も考えている。

◆ 参加者からの意見・要望
中国系カナダ人対日系カナダ人の図式はない

 会場から「配偶者や親類、友人、知人またはビジネスパートナーなどに中国系の人がいる場合もあると思われるが、この反対運動が、中国系カナダ人対日系カナダ人という図式になってしまうのは良くない」という意見が出されたのに対して、同盟委員は、そのような図式は決して望むところではない。むしろこのような法案が制定されることこそ、中国系と日系の対立につながりかねないと強調した。

 日系コミュニティ内でも記念日制定には反対だが諸々の理由から反対運動を支持しかねると表明しているグループもあり、若い世代の無関心などから、ほうっておけばこのまま法案が通ってしまうかもしれないという危機感を感じるという意見もあった。さらに、反対運動に共鳴する一人ひとりが、自分の家族、友人、知り合いなどに、何が起きているのか、そして何が起きようとしているのかを伝えていき、少しでも多くのサポートを得るようにしていくことが大切だと参加者は語り、多くの日系人に知らしめる必要性も強調した。

 「古傷を切り開いて国民を二分したりお互いを闘ったりさせずにしようではないか。我々はカナダの将来に希望を持ち、前向きになり多様主義社会のモデルとして世界に誇ることのできる国になるよう努力すべきである」

 同盟の顧問でもあるゲイリー川口氏の「ヒルタイムス」に掲載されたこの一文こそ、今まさにふさわしい言葉と言えよう。 カナダの多様文化主義を揺るがす法案に異議を唱える 「カナダの人種和合を促進する期成同盟」委員  期成同盟は6月10日に結成された。(順不同・敬称略)

 委員長 ゴードン門田
 副委員長 パーカー敬子
 委員 五明明子 デビッド岩浅 ジム小島 ピーター河野 久保克己 ゲイリー・マトソン 岡本裕明 デニス志風 ヘンリー若林 山内昌文
 顧問 ゲイリー川口 (トロント日系文化会館会長)
 ナショナル アドバイザー デイブ三井 (全カナダ日系人協会(NAJC)会長)

(編集部)

 

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