2018年5月24日 第21号

ー日本は戦争で被害を受けたアジア諸国に対して公式に謝罪していないのではありませんか。

1 先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、その反省とお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。

2 こうした歴代内閣が表明した反省とお詫びの気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。

3 他方、戦争とは何ら関わりのない、将来の世代が、謝罪を続けねばならないような状況を作ってはなりません。これは、今を生きる、現在の世代の責任であると考えています。

 

ー日本は先の戦争で被害を受けた国や人々に対し、どのように賠償したのですか。

1 我が国は、終戦後、関係国との間で、賠償や財産、請求権の問題を一括して処理しました。そのような方式は、当時の国際社会によって一般的に受け入れられていたものでした。

2 具体的には、我が国は、関係国との間でサンフランシスコ平和条約、二国間の平和条約等を締結し、それらに従って賠償の支払い等を誠実に行ってきました。このように先の大戦に関する請求権等の問題については、これら条約等の当事国との間においては、法的に解決されています。

(参考1)サンフランシスコ平和条約に基づく戦後処理の例
・フィリピンに対し5億5,000万ドル(1980億円)、ベトナムに対し3,900万ドル(140億4000万円)の賠償。
・捕虜(POW)に対する償いとして赤十字国際委員会に対して450万ポンド(約45億4109万円)支払い。
・在外財産の放棄(約236億8100 万ドル:約3794億9900万円)。

(参考2)個別の平和条約等による戦後処理の例
・ビルマに対し2億ドル(720億円)、インドネシアに対し2億2,308万ドル(803億880万円)の支払い。
・ソ連:日ソ共同宣言(1956年) ソ連は日本に対する賠償請求権を放棄し、日ソ双方は戦争の結果として生じたすべての請求権を相互に放棄。

 

ー「南京事件」に対して、日本政府はどのように考えていますか。

1 日本政府としては、日本軍の南京入城(1937年)後、非戦闘員の殺害や略奪行為等があったことは否定できないと考えています。しかしながら、被害者の具体的な人数については諸説あり、政府としてどれが正しい数かを認定することは困難であると考えています。

2 先の大戦における行いに対する、痛切な反省と共に、心からのお詫びの気持ちは、戦後の歴代内閣が、一貫して持ち続けてきたものです。そうした気持ちが、戦後50年に当たり、村山談話で表明され、さらに、戦後60年を機に出された小泉談話においても、そのお詫びの気持ちは、引き継がれてきました。

3 こうした歴代内閣が表明した気持ちを、揺るぎないものとして、引き継いでいきます。そのことを、2015年8月14日の内閣総理大臣談話の中で明確にしました。

外務省 歴史問題Q&A より抜粋

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/taisen/qa/

 

 

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