2018年1月25日 第4号
おくればせながら、明けましておめでとうございます。
去年のクリスマスは、日曜日の翌日であり、今年の元旦も日曜日の翌日であった。したがって、教会へは二日続けて行く義務があり、忙しかった。
今年の元旦は何となく、しょんぼりとしていた。何故かと言うと、せっかく送ったクリスマス・プレゼントの小包みは、元旦になってもハインツのところへは届かず、行方不明になってヨーロッパをうろうろしているのか、または、全体的に失くなってしまったのか、明るい気持ちになれなかった。
でも、元旦の御ミサの後に、ちょっとばかり変わった感じの中国人の女の子が聖画を集めて造ったブレスレットをくれた。その後、赤いジャケットを着た中国人の女性が「これをあげましょう」と言って、ミントの小さなパケットをくれた。元旦早々、少し縁起が良いと思っている間に、クリスマスプレゼントを送ったシリアの難民の家族からの新年のあいさつが届いた。六人の子供達がそれぞれ習った英語の程度によってのあいさつと万国共通の子供の絵の入った手紙であったので、少しばかり心が温まった所へ、ハインツからの電話がかかってきた。丁度、これから教会へ行こうとしている所であった。
「荷物ついたよ。今日のお昼に。」「ついた?よかったあー!」というわけで、二人の声ははずんだ。世界は急に輝いて見えた。ハインツの奥さんのハイディはよほど嬉しかったと見えて、自ら電話に出てきて、なめらかに礼を述べた。彼女は身体の具合がよくないので、ああいう朗らかな声を出させるような、私のプレゼントはよほどの効果があったのであろうと、嬉しかった。
「日曜日にシュットガードに音楽会に行くので、ウルリカ(娘さん)のためのプレゼントはその日に持っていくから」とハインツは言った。何年か前に、シュットガードに素晴らしい音楽堂ができたそうで、そこでの音楽会を思って羨ましかった。何事もうまくいったので、うとうとと昼寝をして眼を覚ましたら、かけっ放しにしていたテレビから、美しいウインナ・ワルツの旋律が思い出をかき立てるように流れてきた。
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