2018年5月3日 第18号

 あなたはこどもの未来に何点をつけていると思いますか? それはこどもの性格、あるいは学校や習い事の成績を未来へと直結した点数でしょうか?もしこどもの未来に点数をつけているとすれば、それが子育てにどう影響していると思いますか?

 また、あなたはこどもの頃、親からあなたの未来に何点をつけられていたと思いますか? あなたが自分につけられた点数と、こどもにつけている点数。それはあなたが親からつけられた点数の価値観にどこか似てはいませんか? あるいは全く逆かもしれませんね。

 あなたが親にどんな点数をつけられていたかは、親から投げかけられていた言葉を振り返ってみれば分かりやすいのかもしれません。あなたが親からよく言われていた一番印象深い言葉は何でしょうか? 今思い出された言葉からどんな感情が生まれてくるでしょうか? その感情が今のあなた自身に対する評価にどう影響を与えていると思いますか?

 

子育てでのバランスの取り方

 こどもの点数のつけ方や子育ての仕方は、夫婦が社会の中でどう生き抜こうとしているのかが大きく反映されています。例えば、人の目が気になる人は、目からの情報を大切にしているので、親としての評価に対して敏感になっているかもしれません。人の目が気になる親御さんは、お子さんがどう見えているかと同時に、お子さんが何を感じ取っているかに意識して会話してみてください。そうすると、今までに気づかなかったこどもの感受性豊かなところが見えてくるかもしれません。

 元気で、言いたいことも言えて、行動力も伴い、パワフルに社会で生き抜こうとされている親御さんは、例えば、おとなしい性格のお子さんにもっとハキハキと意見を言える子になってほしいと願うかもしれません。もしこどものスピードに合わせられず、親御さんが先回りしてしまうと、こどもは社会の中で自分をどう表現したらいいのか、とても戸惑ってしまいます。元気な親がおとなしいこどもを育てる上で意識したいことは、行動力ではなく、洞察力、話し上手ではなくて、聞き上手になれるよう、おとなしいところを長所と意識して子育てをしてみてはいかがでしょうか。

 知識や情報に敏感な親御さんは、体より頭を使う重要性を感じているかもしれません。だとすると、こどもの考え方や学校の勉強ができる・できないがとても気になってしまうかもしれませんね。こどものうちは特に体を使って情報を得ますので、「分かった?」という頭での理解を求めるのではなく、経験から「何を学んだ?」と質問の仕方を変えてみると、 バランスが取りやすくなるかもしれません。

 

親とこどもの課題が違うことを認識してみる

 こどもが自分の思い通りに動いてくれないときは、親とこども、それぞれの課題が何なのかを一度クリアにしてみてください 。例えば、勉強することは、親の課題ではなく、こどもの課題。 それを親の課題にしてしまって、「勉強しなさい」とプッシュしすぎてしまうと、こどもは学校でいい点数が取れたことを親の評価として感じてしまいます。日本の子育てはまだどこかで「正しく、厳しく」、「親の言うことに従う」に基づいているところがあるかもしれませんね。ですが、「この子は厳しくしないとやらないから」と思って育ててしまうと、 こどもには「頑張ってほしい」というよりは、 「あなたのことは信用していない」と伝わってしまいます。 もし、こどもに自主的に何かをしてほしい気持ちが強ければ、少し発想を変えてみて、どんなサポートを親にしてほしいのかを聞いてみたり、親として何ができるのかを伝えてみたり、こどもは何をすべきなのかをこどもに聞いてみたり、会話の中で何が互いの課題なのかをクリアにしてみるといいかもしれませんね。

 

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Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CCC, CPF

カナダ公認サイコセラピスト&カナダBC州公認臨床心理カウンセラー。BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
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