2018年7月5日 第27号
アスペルガー症候群(アスペルガー障害)という言葉を聞かれたことがありますか? 自閉症というのは聞かれたことが多いと思いますが、アスペルガー症候群は自閉症スペクトラムの一つとして捉えられています。確率的に、自閉症になっているこどもは100人に1人くらいだそうです。医学的には、自閉症は発達障害として位置付けられており、親の育て方に問題があるということではありません。発達障害の『障害』というのは、 心や体の障害ではなく、社会の中で『支障』が出るという意味です。また、アスペルガーは病気ではないので、こどもの個性や長所を生かしながら、社会性などを身につけさせてあげることがとても大切になってきます。
アスペルガー症候群の特徴
アスペルガーの特徴を挙げると、1)目を合わせようとしない・あまり笑わない 2)人との関わり合い方がよく分からない(人の気持ちがよく分からない、コミュニケーションの取り方がよく分からない、相手の表情から感情が汲み取れない、言われたことをそのまま受け取るので、言葉の意味を理解したり、行間を読んだりするのが苦手) 3)趣味や興味の範囲が狭くこだわりが強い 4)好きなことには何時間でも熱中できるが、苦手なことは避ける 5)言葉よりビジュアルで説明された方がわかりやすい 6)ギブ&テイクが苦手 7) マイペースな行動をすることが多いので、周りからはわがままととられることが多い 8) 読書感想文など答えがないような課題が苦手 9)明確な指示がないと動けない、など。
自閉症とアスペルガー症候群
一般的に知られている自閉症とアスペルガー症候群の大きな違いは、1)言葉の遅れがなく、たくさんの単語を使って話ができる 2)コミュニケーションは苦手でも、友達と遊ぼうとするので、人なつっこくも見える 3)発達障害があるように見えない、など。その為、自閉症と違って、アスペルガー症候群と診断されるまでに時間がかかることがあり、ティーンエイジャー、あるいは大人になってからやっとアスペルガーだと診断される場合もあります。もし、3歳ぐらいまでに、会話がかみ合わない、自分のおもちゃを共有できない、同じような遊びを飽きずにずっと繰り返す、視線を合わせないなどが目についたら、一度専門家に相談してみることをお勧めします。
「おとなしい子・わがままな子」で片付けないこと
自分のこどもになると、客観的に見れないところもあり、人間関係で支障があったとしても、『この子は内弁慶でおとなしい子』と思い、症状を『性格』としてみてしまうことがあるかもしれません。また、親御さんによっては、『自分のこどもは他のこどもと違う、だからきっと天才肌なんだわ!』と天然、あるいは無責任とも思える解釈をされている場合もあります。実際にそういう場合もあるかもしれません。ですが、もし親がこどもに対しての不安を回避する為にこういう考え方をしているのであれば、こども自身も自分の現実を受け入れられなくなり、家でも社会でも居場所がなくなってしまいます。家庭では、 苦手なことを尊重してあげて、こどもが親を信頼して相談できるような関係を築いていくこともカギとなります。そして、親子で 「支障は受け入れて、長所を伸ばして、堂々と生きる」など、何かモットーを作っていると、家族の絆ができたり、こどもの心にもしっかりと軸ができるかもしれませんね。
アスペルガー症候群の疑いを感じたらどうしたらいいの?
自閉症などに関する家族の悩みは、家族で悩んでいても解決策がなかなか見つからないので、 専門家に相談したり、サポートグループに参加することをお勧めします。アスペルガーに関する理解が深まると、親御さんも気持ちが随分楽になると思います。
カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。 www.sunnychung.ca
Sunny Chung MBA, MCP, RCC, CCC, CPF
カナダ公認サイコセラピスト&カナダBC州公認臨床心理カウンセラー。BC州認定アドラーペアレンティング・エデュケーター。クシ・アカデミー認定マクロビオティック・インストラクター。スピリチュアルカウンセラー。アメリカで心理学学士号&経営学修士、カナダで心理学カウンセリング修士取得。10年間アメリカ・カナダの企業でコミュニケーション、人間関係、パフォーマンスなどをコーチング。心理カウンセリングはアドラー心理学、CBT、脳科学、およびアートセラピーをもとに、世界でここしかないホリスティックなカウンセリングを提供している。また、いろいろなテーマで各種セミナーを随時開催。カウンセリング&ワークショップの詳細はウェブサイトから。
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