2017年10月12日 第41号

 とうとう今年も感謝祭のウィークエンドがやってきました。この週末は家族だったり、友達同士だったり、ご近所さん同士だったりで、一緒にターキーを囲んでの夕食の時間を過ごしたのではないでしょうか。今回はそんなターキーディナーを自然医療医学的に分析していきたいと思います。

 感謝祭やクリスマスディナーでは、大きなターキー(七面鳥)をオーブンでローストしたものを家族全員でいただきます。中にはターキーが苦手という人もいるので、チキンに代わることもありますが、ほとんどの家庭ではターキーを料理します。 オーブンで焼くので、食材の脂肪分がほとんど無くなり、とても理想的な料理法です。

 ターキーはパサパサしているのであまり好きじゃない、という方もいますが、ローストターキーは赤身と白身の両方のお肉を摂ることができる鳥料理なので、ダイエットされている人や筋肉をつけたい、身体を絞りたいと考えている人には最適のたんぱく質源です。

 赤身の肉(特にモモや腕の辺りの肉)にはヘモグロビンという体内の鉄分の数値を上げる働きをする物が多く入っているので、妊婦さんや子供、最近意味なく身体がだるいと感じる人に食べてもらうといいでしょう。

 もっとも、パサパサしていてあまり人気のない白身の肉は糖質を抑え、やせたいなぁ、と思っている人に食べてもらうといいでしょう。パサパサしているのは、身の部分に脂分がないということなので高たんぱくである、ということです。そのためグレービーやオリーブオイルなどでパサパサ感をなくして食べるのですが、グレービーには油分が大量に含まれていることもありますので、かけ過ぎに気をつけてください。 

 先回にも少しだけお話したオイル(油)に関するお話ですが、脂分は一番燃費の良い身体のエネルギー源です。そのため、適量を食事で摂取することによって満腹感を感じることができます。ところが、一定の量を体内で吸収した後、脂肪分は緊急時(絶食しなければならない時など)に使える緊急エネルギー資源備蓄のために脂肪細胞を作るので体重が増える、太るなどの問題がおきてきます。ですが、長いあいだ食事を摂らなくても、いつ何時でも身体や臓器を動かすことができるのです。脂肪からは糖質を作ることができるので、糖尿病の人や糖尿病予備軍の人は脂分の摂取量も糖質の摂取量に加えて気をつけなくてはいけないところです。

  高タンパク質のターキー。サイドディッシュも気になるところですが、自分のニーズに合わせて食べる部位を選んで食べてみてはいかがでしょうか。

 


草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor

1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。

 

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