2017年6月8日 第23号
オメガ6? オメガ3? どっちを摂ったらいい?
現在の食生活では俄然、オメガ6を多く含んだ食事をしています。しかもオメガ6の摂取量がオメガ3摂取量を大幅に超えてしまうと、オメガ3の吸収を弱めてしまうので、できるだけ摂取比率を近づけることが必要です。そのため、状況(ストレスなど)により体に悪影響を与えるかもしれない物質を生成する可能性があるオメガ6を摂取する努力をするよりも、できるだけオメガ3を多く含んだ食品を摂取すると良いでしょう。
食べて摂る? サプリメントで摂る? 魚から? 植物から?
オメガ3はとても酸化しやすく摂取が難しいオイルなので、自分に一番あった方法での摂取をオススメします。
魚の場合、焼き魚、煮物などではなく、生食による摂取でないと酸化していないオメガ3は摂れません。
背の青い魚が一番オイルを含んでいるのでオススメですが、大きな魚は水銀などを多く含んでいる可能性が高いので、極力小さめの綺麗な海で捕られた鯖、鰯、秋刀魚などから摂取するのが一番理想です。日本での食生活では魚を食する習慣があったものの、カナダに移住してからというもの、魚が毎日食卓に上がるということは難しいと思います。そのためサプリメントでがっしりとオメガ3を摂る方がいいのではないかと私は思います。
現在のオメガ3のサプリメントはノルウェー沖などの鯖、鰯を使っていて、中にはサーモンだけで作られているのもあります。今話題のクリルオイル(Krill Oil)はKrill という小さな海老からオメガ3を作っているのですが、海の食物連鎖の中でも一番下にいるこの海老には水銀などの汚染がほとんどなく、体に赤色の色素を持っていることから抗酸化物質のひとつ、アスタキサンチン(Astaxanthin)をも摂取することができるので、値段よりも質を選ぶ人にはクリルオイルをオススメします。アスタキサンチンはサーモンにも含まれているので同じような効能が期待できますが、サーモンは食物連鎖の中でも結構上位にいるので、汚染のことを考えると、どちらを摂取するべきか迷うところです。
植物から摂取しようと思うと、フラックスシード(Flax Seed)から、それ以外のものになると藻などからも摂取できます。フラックスシードの場合、種をそのまま食するのであれば、最低1日は水に浸してから、またはブレンダーなどで食べる直前に磨ってから摂取することによって、繊維質とオイルとを上手に摂取することができます。ですが、ほとんどが繊維質でできているため、オイルに関しては微量しか摂取できないので、あらかじめフラックスオイルとして販売されているものを購入して飲む方が良いでしょう。できれば真っ黒のプラスチック2番以上の硬さのボトルで冷蔵セクションに売られているものが最適です。プラスチック2番以上の硬さのものであれば、プラスチックがオイルに溶け出すこともなく、真っ黒なボトルということから冷蔵庫内の光からも酸化を防ぐことができるからです。グラスに入っているものもありますが、グラスの場合、どれだけ黒くしようとしても茶色ぐらいまでにしかならず、冷蔵庫内の光を簡単に通してしまうので、グラスごと全部が入る箱かケースで光を遮断して保存すると良いでしょう。
液体? カプセル?
ずばり大きなカプセルを飲み込みたくなければ、液体のものを購入して下さい。液体はカプセルの大きさがない分、たったのテーブルスプーン1杯で一日に必要なオメガ3を接収することができます。ですが、お魚が基なので臭みはどうしようもありません。カプセルは一番大きい、ソフトジェルといわれるサイズのものが主流です。飲み込むのに大変ではありますが、酸化が心配な人にはカプセルをオススメします。黒い色のカプセルに密封されたオイルは太陽光からも冷蔵庫の光からも酸化を防ぐことができるからです。
最後に最近、日本人に朗報?となるようなサプリメントが商品化されました。なんと、お正月には必ず食べる、でもカナダでは産地でもありながら高額商品となってしまい、日本からカナダに入って来ているものが、オメガ3サプリメントとしてお店に並んでいます。そうです、それは「数の子」です。ニシンの卵である数の子には、とてつもない量のオメガ3が含まれており、微量ながらもアスタキサンチンをも含んでいるということで商品にされたようです。クリルオイルまでの話題性にはなっていませんが、これから、また数の子の需要が高まり、値段が上がることを考えると、個人的には数の子をそっとしておいてほしいと思います。
草野明美 自然医学博士/Naturopathic Doctor
1989年にカナダオンタリオ州に父親の転勤で引越しをし、2002年にトロントにあるCanadian College of Naturopathic Medicine にて修業後、2年ほどバンクーバーの指圧学校で講師/カウンセラーとして自然治癒力の素晴らしさを教えていたが、日本でも同じことができないか一度帰国。その後日本で結婚、出産をし2013年7月に再度家族を連れてバンクーバーに戻ったあと、カルガリーMarket Mall内のNutrition Houseにてサプリメント健康アドバイザーとして勤務。現在は2児の母としてバンクーバーに在住。