2019年5月30日 第22号

 日本は元号が「平成」から「令和」になり、いろいろ大いに盛り上がっている。明治以降は元号が変わるのは天皇崩御のときであり、確かにお祭り気分にはなれない。「昭和」から「平成」に変わったときはまだ日本におり、体験した。

 しかし今回は天皇の退位による元号変更であり、なんと200年ぶりとのこと。もちろん今の日本人は初体験。歴史的にも大変興味深いことであり、お祭りムードになるのも頷ける。

 けれどバンクーバーに住んでいると、この歴史的な元号変更も正直なところあまりピンと来ない。こちらではすべて西暦であり、日本の元号は領事館での書類作成に使用するぐらいである。だが日本語上級者の多くは元号変更に大変興味を持っている。この「令和」とても素敵ですね、万葉集から選んだんですね、といろいろ勉強している。

 そんな生徒が数名集まり「令和」のお祝い研修会を行なった。まず「令和」の意味であるが、外務省は英語訳として「Beautiful harmony」を通達したとのこと。「令」にそんな意味があるんですか、が質問である。確かに生徒はまず「命令」や「号令」を学ぶので、「令」と「beautiful」が結びつかず、驚いたようである。そこで「令嬢」や「令月」など「美しい」や「素晴らしい」という意味もあるよ、と説明した。また海外のメディアなどは「Auspicious harmony」と訳している。こちらのほうがはるかに格好いい、 の声多し。

 次に、「令」の漢字の形である。一般的には「令」であるが、日本語学習者は「令」とカタカナの「マ」のように習っており、最初テレビニュースで「令和」の漢字を見たとき、戸惑ったとのこと。うーん、これは字体(フォント)の問題であり、よく使われている明朝体やゴシック体などは「令」であるが、教科書体や楷書体は「令」である。日本語教育では教科書体を教えているので、ややこしいが生徒にはこれはフォントの違いなので、どちらもノープロブレム、と念を押した。

    令        令

 明朝体(活字)   楷書体(手書き)

 

 そして「令和元年」に乾杯である。令和になった日本に早く行ってみたいなどの話になり、「先生は今年日本に行かれますか?」敬語もなかなかである。「うーん、行きたいのは山々だけど、先立つものがないから…」と思わずこんな答え方をした。

 するとキョトンとした表情。確かに「山々」や「先立つもの」などは上級者でも難しい。 「とてもしたいが、それをするお金がない」を少しユーモアも交えた日本語特有の表現。「もっと飲みたいのは山々だけど、先立つものがないから、そろそろお開きにしよう」と締めくくった。

 

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