注:お食事中のかたは閲覧にご注意ください

 今日は待ちに待った父の日だ。我が家では6歳の息子と4歳の娘が「TieDye」で知られる手作りの絞り染めのTシャツをプレゼントしたいと、数週間前からプレゼントの準備に取り掛かっていた。私に関しては、まだ1カ月あると高をくくり、育児に家事、仕事に趣味といった日々の細々したことに追われ、気がついたら父の日当日となっていた。結局、妻からのプレゼントは忘れてしまっていたので、せめて父の日だけは夫をゆっくりさせてあげたいと、今朝は早起きして夫がリクエストしたチーズオムレツとコーヒーの準備をすることになっていた。

 ふだん週末はきっちり9時まで寝ている人間に早起きするのは無理がある。目が覚めたのはすでに8時半。リビングルームからは夫と子供たちの笑い声が聞こえてくる。どうやら夫は2時間前に子供たちに起こされたようだ。そしてまだ半分寝ぼけている私は起きるなり、夫に向かっていつもの調子で「コーヒーくださ〜い!」なんてお願いしている。結局お約束のオムレツも夫が作ることになった。

 朝食の際には夏休みの旅行の話題になった。だがお互い行きたい場所に同意できず、今度は派手な口論が父の日の朝から始まってしまった。昼間は子供たちの出番となった。夫の楽しみにしていたBBQの際に、食べ過ぎた息子が庭で吐きまくった。一カ所で吐いてくれたらよかったもの、庭の至る所で吐きまくり、夫がその片付けに追われた。極め付きには今日出したばかりのテントの中で娘がおトイレごっこをしてしまった。またまた片付けに夫が登場することになった。今日に限ってその後もなんだかんだとハプニングは続いた。

 温かい父の日を迎えたラッキーなお父さん方はきっと、毎日が父の日だったらなーなんて思っていることだろう。だが我が家のお父さんはこの悪夢のような父の日が終わってくれてホッとしているところだ。そして子供たちが寝静まった今、コラムを書いている私の隣で彼は「父の日のプレゼントを買うぞ!」とひとりネットショッピングを楽しんでいるのだ。

 

■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。 
ブログ: http://makoogura.blog.fc2.com 

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