2018年6月28日 第26号
「近所の子供がさ、今週末、結婚するのよ。彼女、まだ23歳なのに!」
結婚するには早すぎる年齢だということを強調しながら、いつも仲良くしているママ友が言った。わたしも23歳で結婚したのでそのことを伝え、あのときは、いろんな人から「早すぎる!他にもいろんな人と付き合ってみたら?」など、言われたのを思い出した。
「結婚は〇〇歳くらいにするべきだ」なんていう価値観を持っている人の多くは、結婚自体が一生に一度のイベントじゃないといけないだとか、結婚したらすぐ子供を作らなきゃいけないとか、旅行や外食もほどほどにだとか、「こうあるべきだ」という「こだわり」のある結婚観を持っているからこそ、年齢だけで、それが良い決断、悪い決断と評価してしまうのかもしれない。
そんな結婚観が昔も今もない私は、成人に対して「結婚するには早いだの、遅いだの」という意見を聞くたびに、残念に思ってしまう。「この人と家族になりたい」と、お互いが思えること自体が素晴らしいことなのに。そんな気持ちになることが、生きているうちに何回あるんだろう。私だったら、そんな機会を逃したくない。結婚した後は、呼び名が彼氏から夫(あるいは彼女から妻)になるだけで、独身時代と変わらない生活を続けたいなら、続けられる。もし、他の人と付き合いたくなったら、その時に考えたらいいのでは。恋愛なんて、しようと思ってできるものではないし。離婚にしても、晩婚・早婚にかぎらず、する人はするし、しない人はしない。そもそも離婚することは、悪いことじゃない。結婚、離婚云々の形(結果)じゃなくて、その中身である過程−どんな人生を送るのか−にフォーカスしたいな。
そんなことを思いながら、23歳の彼女が幸せになりますようにと、私は願う。
■小倉マコ プロフィール
カナダ在住ライター。新聞記者を始め、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。
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