2018年12月6日 第49号

 読者の皆さん、こんにちは。このあいだ、たまたま、お友達のフェイスブックに「コオロギ粉を買いました」という投稿を見ました。ちょうどNetflixのドキュメンタリーで、「これからは虫を食べる時代」と、誰かが話しているのを観たばかりだったので、気になり私も早速購入してみました。

 驚いたことにこのコオロギ粉、カナダの大型チェーンスーパーPresident Choiceから、独自ブランドとして販売されています。原材料はオンタリオ産のコオロギ100%。オタワとトロントの中間地点にあるNorwoodという町にあるEntomo Farmsから生産されています。匂いを嗅いでみると、鰹節のような懐かしい匂いが。だしの代わりに味噌汁に入れてみましたが、ちょっと苦味のある味噌汁にできあがってしまいました。だしが決め手になるような和食よりも、お好み焼きやたこ焼きといったソースを使用した和食との方が相性が良さそうです。次回は、そちらで挑戦してみます。

 それにしても、「虫を食べる!」なんて言うと一瞬ギョッとしてしまいますが、すでに世界人口の80%が食事に取り入れていることを考えると、そんなに驚くことでもないような気がします。またコオロギ粉は栄養価が高く、タンパク質、ビタミンB12、鉄分、カルシウムそしてアミノ酸が豊富だと言われています。さらにタンパク質摂取量だけに注目すると、コオロギ栽培は豚や牛、鳥などの家畜に比べ環境に優しいようです。例えば同じ量のタンパク質を生産するのに、牛はコオロギよりも12倍の餌が、羊は4倍の餌、豚とチキンに関しては2倍必要だと言われています。水や土地の使用量もかなり少なくて済むようです。

 最近、いろんなスーパーフードが話題になっていますが、2019年はどんな食べ物が注目を浴びるのか今から楽しみです。

参照
http://entomofarms.com/
https://www.presidentschoice.ca/en_CA/products/productlisting/pc-100-cricket-powder.html
https://en.wikipedia.org/wiki/Entomophagy

 

President Choice 社ブランドのコオロギ粉

 

鰹節のような匂い

 

 


 ■ 小倉マコ プロフィール

カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1

 

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