2018年8月2日 第31号

 バンクーバー新報の皆さん、こんにちは。今年は、30度を超える猛暑が1カ月ほど続いているオタワです。あまりにもお天気が良いので、毎日のように、湖や川に行って、泳いで過ごしているのですが、オタワでは泳ぐ際「Snapping Turtleに気をつけて」とよく言われます。バンクーバーにいた時は、聞いたことがなかったSnapping Turtle(日本語名カミツキガメ)。みなさんはご存知ですか?

 カミツキガメは、カナダで一番大きな、淡水で生息する亀として知られています。長さは20〜36センチ、体重は4.5〜16キロまで成長します。なんだか一見、恐竜のように見えるのが特徴です。サスカチワン州からノバスコシア州で見られ、BC州には生息しません。

 カミツキガメは、その名が示すように、噛み付くことで有名です。危険を感じた時に、他の亀のように甲羅の中に頭を引っ込めて身を守ることができないので、自己防衛として相手に噛み付きます。泳いでいる人間の足の指を狙い、ひきちぎる恐ろしいサメのように表現されることが多いのですが、実際のところは、カミツキガメが噛み付くのは、陸にいるときに、人間が触ったときだと言います。特に、恐竜のような突起のある長い尻尾をみると、カッコいいので、つい触りたくなるのですが…そんなことをする人間に対して、まさかの!伸びる首を、尻尾まで伸ばし、大きな強い顎で、ガブリと指をもぎ取るようです。また、道の真ん中を歩いているカミツキガメを助けようと、抱き上げた際に、長い首を伸ばして、人間に噛みつくこともあるようです。

 水中では、人間の姿を見たら、逃げるらしく、シャイだと言われています。どうやら人間の方から、ちょっかいを出さない限り、心配ないようですね。

 日本では、北米からカミツキガメがペットとして輸入され、飼いきれなかったオーナーが自然に戻すケースが続出していたようです。すでに繁殖してしまった地域もあり、現在、日本の侵略的外来種ワースト100に指定され、ペットとしての輸入、飼育、販売破棄は、違法となっています。

 

長い首に長い尻尾、鋭い爪に強い手足、まるで恐竜のような亀「カミツキガメ」

 

 


 ■ 小倉マコ プロフィール

カナダ在住ライター。バンクーバー新報での「まるごとカナダ」「小倉マコのオタワ便り」コラムを始め、新聞記者、コミックエッセイ「姑は外国人」(角川書店)で原作も担当。フェイスブックも始めました!読者の皆さんと繋がれたら嬉しいです。https://www.facebook.com/ogura.mako1

 

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