開会式
オッペンハイマー公園一帯は、沿岸サリッシュ族のマスキーム、ツレイル=ワツスの土地。開会式は、スコーミッシュ・ネーションを代表してバーバラ・チャーリー氏による祝福で幕をあけた。ケリー・ジャンバンクーバー市議会議員とシェーン・シンプソン国会議員(ヘイスティング地区)からの挨拶に続き、伊藤秀樹在バンクーバー日本国総領事は「私にとって3回目のパウエル祭となり、パウエル祭抜きのバンクーバーの夏は考えられないほどです。この祭がコミュニティの発展に大いに貢献していることをうれしく思うとともに、パウエル祭のために尽力してきたニーナ稲岡リーパウエル祭協会理事をはじめとする、多くの関係者に感謝します」と挨拶。また日本では8月6日、9日と原爆の日を迎え記念式典が行われるのに合わせ、バンクーバー市が8月6日を「ヒロシマデー」と宣言することに貢献した退役軍人のデビット・ラスキー氏に対し、その努力に謝意を述べた。
続いてジョージ・アフレックバンクーバー副市長が、世界平和と広島・長崎の被爆者のために、バンクーバー市が8月6日を「ヒロシマデー」と宣言する旨のメッセージを読み上げた。
最後にニーナ稲岡リーパウエル祭協会実行委員会代表・パウエル祭理事が来賓、参加者にお礼の挨拶を行った。
ゴミゼロ運動の取り組み
今年も開会時間前から公園に人だかりができるほど盛況なパウエル祭。そのぶんゴミも増えるところだが、パウエル祭協会は5年前より「ZERO WASTEチャレンジ・プロジェクト」を立ち上げ、環境に優しい祭を目指している。会場のあちこちに設置された「ゼロ・ウェイスト・ステーション」には分別回収用のボックスが並べられ、担当ボランティアが常駐。どのボックスに捨てればいいか迷う参加者にアドバイスをしていた。
「環境に優しいし、みなさんのリサイクルの意識向上というメリットもあります。誰かが手を付けていないような食事を捨てようとしたら、(自分の口を指さして)『はい、それはこっち!』と究極のリサイクルを目指しますよ!」と冗談まじりにこのプロジェクトの重要さを説明してくれた。
人気の食品、クラフト販売はどこも大賑わい
これを目当てに訪れる人も少なくない、屋台の数々。サーモンバーベキュー、たこ焼き、かき氷といった定番から、和風サンドイッチ、抹茶アイスティーなど幅広い味が楽しめた。またクラフト販売も和風小物から浴衣などの着物、また着物地を再利用したバックなど、様々な商品を所狭しと並べたブースがいくつも並び、訪れた人が手にとって確かめるなど、興味深く品物を見ていた。
エリア拡充、ジャクソン通りブロックパーティー
今年から新たに、公園の隣のジャクソン通りにもブースとパフォーマンスエリアが設けられた。こちらでも数々のパフォーマンスがほぼ連続して行われ、常に多くの人が熱気あふれるパフォーマンスに見入っていた。
またメインステージと公園中心のデモエリアでも、おなじみの空手や居合術のデモやや相撲大会、太鼓などのパフォーマンスが、集まった観客を楽しませていた。
一歳半になる双子に甚平を着せ、自らも浴衣姿で祭りを見に来たブラッドさんとタツコさんは「人気のお祭りだし毎年来ていますが、年々運営もうまくなってきていて楽しめます」と祭の印象を語ってくれた。この公園に集まった全ての人の充実感が、また来年のパウエル祭の発展のエネルギーになっていくのだろう。
(取材 平野直樹)
バンクーバー新報・五明杯 相撲大会結果優勝
テツ・マツモトさん