軽い興奮さえ覚えるプレイ前夜
多くのゴルファーが言う…「プレイ前日の夜は、まるで子ども時代の遠足前夜のよう」と…。それは、長年の経験を重ねても変わらず、ゴルフの魔力というべきか。ましてやこの大会は、ジョークも練習不足の反省も、そして、チョイ自慢も…日本語で打々発止する気楽さは格別。日々の厳しいビジネス顔をエビス顔に変えて楽しんでいた。参加者にとっては待ちに待った大会なのである。
例年使用しているこのメドー・ガーデン・ゴルフクラブは、夏なお、頂に雪が残るゴールデン・イヤーズ・マウンテンを背景に、フラットでゆったりとレイアウトされたチャンピオンコース。ホワイトティーで6094ヤード。美と危険が隣り合わせのウォーターハザード、バンカーや木々も巧みにからんでいて、『パーおじさん』もたやすくは微笑まない。しかし、必ずラッキーがあるのもゴルフ。だからやめられない…。
この大会は企友会(バンクーバー日系ビジネス協会)と日加商工会議所の共催で例年この時期に実施しているもので、企業人同志の情報交換の場ともなっている。会員以外の参加者も歓迎しているので、起業を考える人、人的ネットワークの拡大を考える人にとって、笑いや素直な人間味の出るこの場だからこそ、きっかけづくりの格好の場なのだ。
お楽しみはまだまだ続く…
プレイの後は、ディナーと成績発表会。ディナーはビュッフェスタイル。多彩な料理の中でもカレーライスはこのレストラン名物料理というだけあって人気集中。何度もお代わりして、この日の消費エネルギーを補っていた。食べるに忙しい中、今日のプレイの反省会や「あなたのドライバーはなかなかのものだ」といったゴルフ談義にかまびすしい。
そして、成績発表。女子ドラコンは橋本典枝さん、男子ドラコンは谷口明夫さん、女子ニアピンは上山元子さん(4番&7番)、男子ニアピンは太田尚明さん(4番)、岡本裕明さん(7番)、松原雅輝さん(13番)、九十九アンディさん(17番)。次いでベストグロス優勝者の発表。男子は日加商工会議所会長杯が上山健三さん(グロススコア82)。女子は企友会会長杯が上山元子さん(グロススコア97)。上山さんご夫妻がベストグロス賞を独占した。
最後にストローク・ダブルペリア方式での成績発表。プロジェクターで映し出されたスコア表の順位が、隠しホールの入力ごとに次々に変わり、一喜一憂の歓声が沸く。
結果は、男子ネット優勝も上山健三さん(ネットスコア72・4)。総理大臣杯を獲得。女子ネット優勝はクォン・ユラさん(ネットスコア77・6)。総領事杯を獲得した。ネット優勝者は、寄付による数々の商品の中から、最初に選ぶ権利があり豪華賞品の副賞をそれぞれ獲得した。続いて2位から5位までの入賞者はもちろん、全員に何らかの賞品がいきわたるやさしいコンペティションなのである。
お腹も満腹、おみやげも満タン。されど去り難し、といった風情でクラブハウスを後にしていた。
(取材 笹川守)