大きく変更されたコース

昨年まではダウンタウンからフォールスクリーク、ジェリコビーチあたりまでの比較的狭い範囲を折り返しながら走る、平坦なコースだった。それが今年はクィーン・エリザベス・パークのオリンピックセンター前をスタート、バンクーバー・コンベンション・センター前にゴールする変化に富んだコースに大幅に変更された。
フルマラソンはスタート後、49番ストリートを西進、UBCをまわりスパニッシュバンク、キツラノ海岸沿いからバラードブリッジまで駆け抜ける。ダウンタウンに入ってからはスタンレー・パーク外周を時計回りにまわり、ゴールのコンベンション・センター前へと向かうルートだ。
バンクーバー新報では、この全く新しいコースに挑戦した日本人参加者たちの一日を追った。

ワンダーランドツアーズを利用して東京から参加の星野昭世さんは、4年連続でこの大会に参加。昨年は年代別カテゴリー(35歳〜39歳)で3位入賞。今シーズンのマラソンが好調だったと語る彼女は、このバンクーバーマラソンを、シーズンを締めくくる大会として頑張りたいと話してくれた。
また同じツアーの鈴木茂三さん(東京)は、バンクーバーマラソンに毎年参加し続け「もう10年ぐらいにはなっているよ」と語るベテラン。普段から練習を欠かさず、会社へも「通勤ラン」。晴れていれば会社までの往復で約20 を軽く走りきる。今シーズンは思うようにタイムが出なくなったとのことだが、常に自己記録更新を目指し、悔いのない走りを目指す。ちなみに奥さんの陽子さん自身は走らないが、ご主人のマラソンには一緒に現地に赴く。バンクーバーでは毎回、日本人ボランティアとともに給水地点で走者に水を渡しながら、ご主人に声援を送っている。
コスチュームをまとっての参加は、箱田剛さん(千葉)。7年前にバンクーバーを訪れ、「自然の中に街があるような美しさ」が好きになったという彼は、参加する機会が少ない海外の大会なので、記録を狙うよりは楽しんで参加しようと、コスチュームで走ることに決めたそうだ。
また神奈川から参加の海老原直さん、真理子さん夫妻は40歳になってから二人でマラソンを始めた。以来20年余りでフルマラソンが50回以上、そのほか100キロマラソンやハーフマラソンも含めると数え切れないほどの大会に参加している。バンクーバーマラソンは2回目とのこと。

「徳島ジョガーズパラダイス」は、徳島大学の大学開放実践センターのマラソン講座のメンバーが自主的に作ったランナーズクラブ。講座を担当する田中俊夫教授のきめ細かな指導で今日の大会に臨んだ。バンクーバーマラソンは初めてだということだが、30代から70代の30人あまりが参加。街がきれいで走るのが楽しみだと話してくれた。
4年に一回、オリンピックイヤーに海外の大会に参加している「クレージー福井ランナーズ」のみなさんは、外国人から一目で日本人と分かるように、名刺大の日の丸のシールを貼っての参加。メンバーの中には3人の盲目のランナーがいるが、その中のひとり、西島美保子さんはかつて霞ヶ浦で開催された世界大会で優勝した記録を持つ。

 

現地日本人ボランティアも大活躍

バンクーバーマラソンとの付き合いがちょうど20年になると語るのは、地元の旅行会社、ワンダーランドツアーズの向井恒次郎さん。1993年にこのマラソンのツアーを始めて以来、日本からの参加者がマラソンに集中できるよう、大会運営側とも積極的に関わってきた。走者にとって水の補給は重要な関心事だが、向井さんは日本人のボランティアを募って10年以上、給水地点のひとつを担当している。
その長年の経験から、今年はフルとハーフマラソンの両コースが重なる、ゴール手前1マイルの最も重要な給水地点を任された。「私と同じように10年ボランティアを続けている人もいますし、ワーホリや留学生の人などにも参加を呼びかけています。何しろ5ガロンの水タンクを何十個と扱う力仕事でもありますから」他のスタッフとともに声援を送りながら、向井さんはうれしそうに話してくれた。

 

最後は笑顔でゴール

レース終了後にコースの印象を聞くと、やはり前半のアップダウンでのペース配分に苦労したという声が多く聞かれた。
しかし変化に富み、美しい景色が次々と広がるコースの評価は高かった。多くの参加者が、残雪をかぶったノースバンクーバーの山々の眺め、海岸線のコースでの海風の心地よさなどに感動したと話してくれた。
前出のワンダーランドツアーズで参加した奥本正さんは、日本を出発する直前に肋骨にひびが入る怪我を負ってしまった。痛みを薬で抑えながらも、その美しい風景に癒されてのフルマラソン完走。「また来年も来たいですね」と語ってくれた。
自分の限界に挑む走者にとって、この街自身が最大の応援をしていたようだ。


(取材 平野直樹)

総合優勝は男子がエチオピアのゲザーン・エシェツさん(2:21:51)。女子はイギリスのエリー・グリーンウッドさん(2:42:16)。
年齢別カテゴリーでは、横浜並木走友会の3人が金メダルを獲得。
喜多智博さん:男子55〜59歳部門1位
岩崎博子さん:女子65〜70歳部門1位
林秀子さん:女子70〜74歳部門1位
同会からはほかに、銀メダルを本間和好さんが獲得。最高齢でフルマラソンを完走した水谷良三さんも記念品を獲得した。

 

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