●チフーリ・ガーデン・アンド・ガラス
2012年5月にオープンしたばかりのチフーリ・ガーデン・アンド・ガラス。旅行口コミサイトの「トリップアドバイザー」のシアトルのアトラクションで堂々の第一位と、注目の観光スポットだ。
チフーリ・ガーデン・アンド・ガラスは、ガラス彫刻家として世界的に有名なデイル・チフーリ氏の作品を集めた美術館だ。1992年には米国版人間国宝、“ナショナル・リビング・トレジャー”の第一号に選ばれたチフーリ氏の作品は、ルーブル美術館、ビクトリア&アルバート美術館をはじめ、イスラエルのダビデの塔、ロンドンのキューガーデンと世界各地で紹介されている。
1941年に、ワシントン州タコマで生まれたチフーリ氏は、ワシントン大学でインテリアデザインを専攻中に、ガラス芸術と出遭う。続いて、全米初のガラスプログラムを開講していたウィスコンシン大学、ロードアイランド造形大学(RISD)で学ぶ。
1968年にはフルブライト奨学金により、ベネチアンガラスで知られるベニスのムラーノ島のガラス工場で働く。そこで、チームで吹きガラスを制作する様子に触れたことが、現在のチフーリ作品の礎となっている。
シアターでは、制作風景やインタビューの様子を紹介するショートフィルムが数編、上映されている。その中で、多数のチームメンバーたちと一緒に、作品を組み立てていく様子を見ることができる。意外だったのは、チフーリ自身がガラスを吹いているのではなかったこと。肩を壊したことで、制作の際にガラスを支えられなくなったことも原因のようだが、パーツを置いて、その位置や方向など、細かい指示を出して、最終的な作品を作り上げていく。組み立ての様子は、さながら大型のフラワーアレンジメント、活け花の制作風景だ。ちなみに「ダンサーというより振付師、参加者というより監督、俳優というより監督」とチフーリ氏は自分自身について称しているという。
ガラスアートというと繊細なイメージだが、チフーリ氏の作品は、ダイナミックでもある。美しい色合い、斬新な形状、そして幻想的な独特の世界に圧倒された。
美術館は1.5ヘクタールの敷地にあり、展示ホール、グラスハウス、庭園、シアターの4つのエリアで構成されている。
“ガーデン”と名称に入っているとおり、庭園も美術館の主要部分だ。ガラスアートは屋内に設置されるものという、従来の固定観念を超越していて、興味深い。自然光で、作品や空間の印象がどんどん変わるのを楽しめる。
“グラスハウス”は、パリにあるゴシック建築の礼拝堂、サント・シャペル、そしてロンドンの水晶宮からインスピレーションを得たという。グリーンハウスのような建物の空間を、高さ約12メートルのガラスとスチールによるインスタレーションが彩る。
チフリー・ガーデン・アンド・ガラス
住所:305 Harrison St (シアトルセンター内、モノレール「Westlake Station 」下車すぐ)
Tel:206-753-4940
開館時間:日曜から木曜 11am-7pm / 金、土曜 11am-8pm
料金:一般(13-64歳)$19 / シニア(65歳以上)$17 / 子ども(4-12歳)$12 / 3歳以下は無料
スペースニードルのすぐそばにあり、お得なスペースニードル見学とのペアチケットも利用できる。
一般(13-64歳)$33 / シニア(65歳以上)$31 / 子ども(4-12歳)$21
●スペースニードル
1962年に開催された万国博覧会のときに建てられたスペースニードルは、シアトルのランドマーク的な存在。展望台からのシアトル市街地、カスケード山脈、オリンピック山脈、エリオット湾などの眺望が素晴らしい。チフーリ・ガーデン・アンド・ガラスには寄らず、スペースニードルだけに上る場合は、大人19ドル。
スペースニードル
住所:400 Broad St
Tel:206-905-2100
展望台の営業時間:月曜から木曜 10am-11pm / 金、土曜 9:30am-11:30pm / 日曜9:30am-11:00pm
●パイクプレイス・マーケット
エリオット湾を見下ろすウォーターフロント、ファーストアベニューとパイクストリートが交差するあたりにある、パイクプレイス・マーケットは1907年開業。米国で最も歴史のあるパブリックマーケットのひとつだ。
新鮮な色とりどりの果物や野菜を売る店は、カナダで見かけない農産物もあり、見ているだけでウキウキしてくる。サーモンやダンジネスクラブ、牡蠣、ロブスターなども並ぶ魚屋も、観光客、そして地元っ子の間で人気だ。時々、売り子が掛け声とともに、大きなサーモンを投げて、それをパートナーがキャッチするというパフォーマンスも見せてくれて面白い。花屋も幾つかあり、日本人とは少し異なる色のセンスも楽しめる。
そのほか、アンティークショップ、切手やコイン、コミックブック、工芸品の店、ベーカリー、レストランなどが軒を連ね、ゆっくり見てまわろうと思うと半日はかかる。
パイクプレイス・マーケット
住所:First AvenueとPike Street
Tel:206-682-7453
営業時間:店舗によって異なるが、多くは10am〜5pmまたは6pm 魚や野菜は7am開店。
●スターバックス
お馴染みの世界最大のコーヒー店、スターバックスは、シアトルで生まれたのをご存知だろうか。1971年に英語教師、ジェリー・ボールドウィン、歴史の教師、ゼブ・シーグル、ライターのゴードン・ボウカーの3人がコーヒー豆の専門店として開業した。
下調べをしたときは、スターバックス第一号店がパイクプレイス・マーケットのそばにあると読んだ。しかし、実際訪れて聞くと、第一号店は焼失していて、この店舗は現存する最も古い店舗だとか。スタバファンならずとも、近くまで行ったら、覗いてみるのも面白い。
スターバックス
住所:102 Pike Street Tel:206-903-8010
営業時間:6am-9pm
(取材 西川桂子)