■地理

カナダ西海岸ユーコン準州の州都ホワイトホース。山、谷、川が織り成す絶景に囲まれた壮大な自然の中でのオーロラ観賞が特徴だ。
ここには北米でマッキンレーに次ぐ高さで有名なマウントローガン、世界遺産のクルアニ国立公園、長年ユーコン州民の保養所として使われてきたタキーニ温泉、またユーコンクエストと呼ばれる世界最高峰の犬ぞりレース、そして世界各国からカヌー愛好家が訪れることで有名なユーコン川があり、年中観光客が訪れる人気のスポットでもある。

■歴史

19世紀最大のゴールドラッシュで10万人もの人たちが集まったと言われるユーコン準州。ピーク時の1898年にはドーソンシティーに4万人が住みついた。同年6月にはカナダ政府がユーコン準州を誕生させ、ドーソンシティーが州都となった。その後アラスカでゴールドラッシュが沸き起こり、人口が急激に減少。ユーコンでのゴールドラッシュも1903年には終焉を迎えた。1953年に州都がドーソンシティーからホワイトホースへと移動された。現在、全人口2万5千人の8割がホワイトホースで生活している。

■観賞時期

ユーコン州全域で8月下旬から4月下旬にかけて観賞が可能。11月までは寒さもそれほど厳しくない状況で見える。冷え込み始め、天気が安定してくると観測率も高くなる。ただ、観賞時期は毎年微妙に変わるので、パッケージを取り扱っている旅行会社に聞くのが確実だろう。

■観賞方法

観賞方法としては、 広大な敷地に設置されたティピー(テント)やヤード(ドーム型テント)または山小屋風の待機所といった場所で、オーロラの出現を待つのが一般的。待機所にはストーブが設置されてあり、簡単なスナックやドリンクが楽しめるようになっている。オーロラが出現したら外に出て椅子やベンチなどに座って観賞。また夜中にタキーニ温泉につかりながらのんびりとオーロラの出現を待つこともできる。

■オーロラ観賞以外に…

温泉!温泉!温泉!日本人には欠かせない温泉がここには存在する。さらに温泉につかりながらオーロラを観賞するという贅沢な経験もできるのが、ここならでは魅力。またこれからの時期には、犬ぞりやスノーシュー、またスノーモービルにクロスカントリー、そしてアイスフィッシングといったウィンタースポーツが楽しめる。

■経験者の声

「3月に行きました。お薦めは犬ぞり。犬ぞりを自分で操縦できるし、犬自身に自分でリーシュをつけて犬ぞりにつなげます。最初はちょっと怖いけど慣れると面白いです。犬ぞりを操縦しながら雪原の湖を走り回ります。寒い中、タキーニ温泉のお湯(ぬるま湯)につかってオーロラを見るのは楽しい体験になります。食事に関しては僻地なので食費が高い。でもおいしいレストランは多数あり。日本食のサクラスシはおいしかった。Antoineete'sはかなり美味しいビストロ。味は本格的で店内もカワイイ」

 

「やはり、温泉。寒い中温泉に入ってオーロラを見るというのはなかなかです。ただ、お湯はとてもぬるい。特に私は日本人だからかも。熱いお湯好きの人にはぬるいです。温泉ですから、湯気が出てその水が髪につき、そのしずくが凍って、髪の毛がバシバシになったり。温泉から出て脱衣所まで行くその一瞬が凍りそうだったり。オーロラと温泉の組み合わせ。貴重な体験でした」

 

「バンクーバーから直行便でアクセスできるのが大きなポイント。マイナス30度、40度になることもなく、イエローナイフに比べると都会なので街歩きも楽しめる」

■イエローナイフとホワイトホース、オーロラを見るのならどちら?

交通の便

バンクーバーからホワイトホースには直行便が出ており約2時間半でアクセスが可能だ。バンクーバーからイエローナイフへ行く場合は、カルガリーで乗り継ぎをしてイエローナイフへ。帰りも同様にカルガリーで乗り継ぎをしてからバンクーバーへ戻ることになる。

サービス

イエローナイフは日本でも知名度が高いため、日本人旅行客が多い。そのため日本人旅行客のニーズを理解しており、きめ細かいサービスで評判が良い。小さな子供からシニアまで参加しやすいという。逆にホワイトホースはイエローナイフほど日本人旅行客の間で知られていないため、プライベート感を重視する人にはホワイトホースがいいかもしれない。

気温

ホワイトホースのほうがイエローナイフより10度ほど暖かい。

オーロラ

アメリカ大陸でのオーロラ観賞は内陸部に行くほど晴天率が高いと言われている。ホワイトホースも晴天率が非常に高いが、さらに内陸部に位置するイエローナイフの晴天率は抜群のようだ。

写真・取材協力(アルファベット順)

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読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。