イザベル・バイラクダリアン(ソプラノ)

昨年の秋、VSOと共演したソプラノ歌手、イザベル・バイラクダリアンがオープニング(9月21・22日)で再びオーフィアムの舞台へ。前回の公演ではソプラノ・パートが非常に短かったが、短くても素晴らしい歌声だったという根強いファンが多かったのも事実。今回はラヴェルの歌曲集『シェヘラザード』より、華麗でエキゾチックな歌声に期待がかかる。

ジョン・キムラ・パーカー、五嶋みどりなど日系も

昨年、VSOのオープニングで力強く美しいラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾いて割れんばかりの拍手を浴びたジョン・キムラ・パーカー。今シーズンはグリーグのピアノ協奏曲でVSOと共演し(1月19・21日)、シアトル、ラスベガス、カリフォルニア州各地への北米西海岸ツアーをスタートする。
海外ではMidoriとして知られる五嶋みどりもブラームスの『バイオリン協奏曲 ニ長調』で待望のリターン(1月12・14日)。
バンクーバーの聴衆にとって気になるのは、カレン五明ではないだろうか。1982年東京生まれ。2歳でモントリオールに移住し5歳でバイオリンを始めた。7歳にしてモントリオールのコンクールで審査員特別賞を受賞し、9歳でカナダ音楽コンクール1位入賞。ジュリアード音楽院でドロシー・ディレイに師事。国内外で演奏活動を続けている若手バイオリニストだ。VSOとの共演はチェロ奏者のクリスチャン・ポルテラとともにブラームスの『バイオリンとチェロのための二重協奏曲』を弾く(5月11・13日)。

イアン・パーカーとガーシュイン

バンクーバーの名門ピアニスト一族からはジョン・キムラ・パーカー、ジェイミー・パーカーのいとこのイアン・パーカーがガーシュインの『ピアノ協奏曲ヘ長調』でVSOと再共演する(5月25日)。この夏訪れたバンクーバーで話を聞いた。

ピアノ協奏曲ヘ長調

「ロンドン交響楽団と2年前に録音したデビューCDの中から『ピアノ協奏曲ヘ長調』(Concert in F)を演奏します。ガーシュインが避暑地ショタイクアでリラックスして書いたとされる作品で、深い感情が込められ、ジャズらしさもあるエキサイティングなリズムの曲です。実は私もこの夏ショタイクアに行ってきたので、感慨深く作品を捉えています」

両親はピアニスト

「ピアニストの両親の元、家の各部屋にピアノがある環境で育ちました。プレッシャーもありましたが、毎日の練習は欠かさなかったです。いとこのジョンとジェイミーとはモーツァルトの『3台のピアノのための協奏曲』などをCBC放送管弦楽団と録音しています。父(エドワード・パーカー氏)は82歳で、バーナビーの実家で元気に暮らしています」

ポップやサーカスも

クラシックファン以外でも楽しめるポップ・コンサートでは、トニー賞受賞のデビー・グラヴィット(11月16・17日)によるブロードウェーヒット曲の数々、トロント出身のオルタナティブ・ロックバンド、ベアネイキッド・レイディーズ(11月30日)、ナット・キング・コールのメドレー(2月8・9日)、セント・パトリックデー向けにケルティック音楽(3月15・16)など。
キッズ・コンサートではハリー・ポッターのサウンドトラック(3月17日)、スペシャル・シリーズにはABBAを歌うアライバル・フロム・スウェーデン(9月24日)、大型スクリーンに映し出されるチャップリンの世界(11月8日)、オーケストラとサーカス(11月24・25日)、ダンシング・ウィズ・ザ・スターズとのコラボ(5月8日)など、多彩な企画に注目したい。

ストラビンスキーのバレエ音楽

2013年はストラビンスキーの『春の祭典』発表から100年にあたる。これを記念し6月は2週にわたり(6月8・10、15・17日)バレエ音楽『火の鳥』『ぺトリョーシカ』『春の祭典』を演奏する。
木曜の午後2時に行われるクリストファー・ゲーズの解説が好評の『ティー&トランペット』にはUBCオペラ・アンサンブル(11月15日)やGOHバレエ(3月14日)が出演。
VSO終身名誉コンサートマスターの長井明氏も、日本で公演しながら引き続きVSOで演奏していくという。

各コンサートの詳細はパンフレットほか、電話でも丁寧に説明してくれる。ホームページで希望のコンサートを選んで作るMake Your Ownもお得なディール。

チケットはwww.vancouversymphony.caまたは(604)876-3434

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。