Q. 今年もB'zの北米ツアーが開催され、しかもそのメンバーにカナダ人のシェーンさんがいるということで、ファンはとても喜んでいます。またB'zと一緒にカナダに来られるのは、どんなお気持ちですか?

どんな時も、自分の国であるカナダに帰って、家族や友人に会うのは嬉しいです。その上、今回はB'zという最高のバンドと演奏をするためにカナダを訪れるのだから、本当に楽しみですね。それから僕は以前バンクーバーに住んでいて、この街でよく演奏をしていました。だから、バンクーバーは特に、僕にとって特別な場所なんです。カナダのファンは元気に溢れていて、B'zのファン層がカナダにも広がっていっているのはすごく嬉しいことです。草の根的に人気が拡大していくのが興味深いですね。一つの場所で演奏をしていると、それを気に入った人が友達に伝えてくれて、その友達がまた他の友達に伝えて。今年のバンクーバー公演は去年よりも大きな会場でやります。ライブの日が待ち遠しいです!

Q. 昨年のツアー「B'z LIVE-GYM 2011 -long time no see-」でバンクーバーを訪れた時のエピソードがあれば教えて下さい。

僕の父が見に来てくれたんです。父はグランビル・ストリートの会場のすぐ近くに宿泊してたんですが、僕がライブの前日に会いに行ってみると、次の日に会場にちゃんと行けるかどうかを心配していたんです。本当に目と鼻の先にあるのに。だから僕が一緒に道に出て、会場を指差して教えました。かなりおもしろかったですね。

Q. 昨年のバンクーバーでのB'zのライブを見に来た友人や家族の反応はどうでしたか?

すごく楽しんでくれたみたいです!カナダでB'zのライブを見られる機会はなかなかないので、そういう機会に恵まれて良かったです。

Q. 今年リリースされたB'zのシングル「Into Free -Dangan-」は、ゲーム「ドラゴンズドグマ」の主題歌として世界中で人気の曲ですが、その英語詞を書くのはどんな経験でしたか?

とても良い経験になりました。そういうかたちでB'zの作品に関わることができたのが嬉しかったです。インスピレーションは、東日本大震災の後の経験から得ました。ご存知のように、日本にとってとても困難な時期でした。僕は震災のすぐ後に東京に行き、メディアと政府という情報源に頼るしかない混乱した社会を目の当たりにしたのです。この経験は僕の心に深い印象を残し、そこから「Into Free -Dangan-」の歌詞が生まれました。

Q. 今年の北米ツアーでは、昨年のバンクーバー、サンフランシスコ、ロサンゼルスに加えて、ニューヨーク、シアトル、シルバースプリング、トロントも回りますが、シェーンさんにとって特に思い入れのある街などはありますか?

どれも演奏したことのある街ですが、僕は特にニューヨークに行くのが大好きなんです。すごく魅力的な街だと思います。さすがは「ビッグ・アップル」。エネルギーに溢れた場所ですね。

Q. 二年連続で北米ツアーを敢行するなど、B'zが北米で活動の場をどんどん広げています。そのことについてどう思いますか?

すごく嬉しいですよ!北米の観客のエネルギーは日本とはまた違うけれど、B'zのライブには特有の雰囲気があります。とても自然で有機的なんです。

Q. シェーンさんはドラマーとしてだけでなく、才能豊かなシンガーソングライターとしても知られていますね。ソロ活動について教えて下さい。

ありがとうございます。ソロアルバムを作ろうとしているところですが、最近はそのための時間が十分に取れていない状態なんです。でも近い将来、ソロの曲作りにも力を入れていきたいと思っています。

Q. 多くのファンが、シェーンさんがこれからもB'zと一緒に仕事をすることを望んでいると思います。でも、シェーンさんにはミュージシャンとして他にも挑戦したいことがあるのかもしれません。今後どのくらいの期間、B'zのドラマーとして活躍する予定ですか?

B'zが僕と一緒にやりたいと思ってくれる限り、いつまでも!(笑) でも本当に、今はこのバンドを家族のように感じています。僕たちはいろいろな面でうまくいっているので、これからもずっと一緒に音楽を作っていきたいと思っています。

ドラマーとして日々心がけていることは何ですか?

今でもずっと同じタイプの練習をたくさんしています。しっかりと基礎を固めておきたいので。でも違うスタイルや即興にも挑戦して、いつもフレッシュな演奏ができるよう心がけています。新しいものからインスピレーションを得ることができる限り、ミュージシャンとして成長していけると思います。

Q. これまで、B'zのツアーなどで日本国内のいろいろな場所を訪れたことがあると思いますが、住んでみたい場所はありましたか?

はい、奄美大島です!サーフィンをするのに、波がとても良いんです。それから、のんびりとしたライフスタイル、食べ物と文化、どれも大好きです。

Q. 昨年のインタビューでは、 シェーンさんがNHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)の大ファンだということを聞きました。最近のNHLについてのコメントはありますか?

昨シーズン、バンクーバー・カナックスが早くに敗退してしまったのは残念でしたね。僕の応援するチームはカルガリー・フレームスで、もう長い間プレーオフにも進出していないので、残念な気持ちがわかります。45年ぶりにロサンゼルス・キングスが優勝したのは素晴らしい!キングスはあらゆる意味で優れていました。僕はもうロサンゼルスに18年住んでいるので、ロサンゼルスも故郷のようなものですが、キングスと、それからホッケーというスポーツそのものが街の人々に受け入れられたと感じています。

Q. カナダのファンへのメッセージをお願いします。

日本でのヒットソングを新たに英語詞で書き下ろし、リ・レコーディングしたB'zの新曲5曲を収録したアルバムが7月25日にリリースされ、現在iTunesで絶賛発売中だ。「音楽は芸術であり、常に変化し続けるもの」と語るシェーンさん。ミュージシャンとしての確かな実力とカナダ人ならではの豊かな感性で、シェーンさんはこれからも、人の心を動かす音楽を世界中のファンに届けてくれそうだ。

 

(取材 船山祐衣)

 

読者プレゼント予告

シェーンさんのサイン入りドラムスティックをバンクーバー新報の読者プレゼントしてもらうことになりました。応募についての詳細は後日、掲載予定です。

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。