北米ツアーでは英語と日本語両方の曲を披露

昨年の北米ツアー「B'z LIVE- GYM 2011 -long time no see-」では、バンクーバー、サンフランシスコ、ロサンゼルスの3都市でライブを開催したが、今年は大幅に規模を拡大。9月17日から10月7日までの間に、昨年の3都市に加えて、シアトル、トロント、シルバースプリング、ニューヨークを回り、全7公演を行う。
「B'zにとって北米でツアーをするのは、これで4回目になります。どの都市でも、ベストなライブを作り上げたいと思っています。もちろん英語の曲もやります。ライブでは日本語と英語の両方をやる予定です」と松本さんは自信を見せる。稲葉さんからは、「ツアー前に英語曲を聞いてもらえれば、ライブがより一層楽しくなると思います」というアドバイスが。事前に曲を耳になじませておくと、より一層ライブを楽しめそうだ。

スピード感溢れる「Into Free-Dangan-」

アメリカで初めてのシングル「Into Free -Dangan-」は、1998年に発表された「さまよえる蒼い弾丸」を新たに英語詞で書き下ろしレコーディングし直した作品。カプコンの新作ゲームソフト「ドラゴンズドグマ」主題歌としても話題を呼んでいる。この曲の魅力をB'zに聞いてみると、「ヘビー、キャッチー、アジアンビューティー」(松本)、「スピード感」(稲葉)との答え。曲を聴いてみると、なるほど、慣れ親しんだ日本語版とはまた違った魅力に溢れる1曲だ。

昨年の北米ツアーを終えて

久々となった昨年の北米ツアーでは、バンクーバーを含む3都市で大成功を収めたB'z。北米でのライブを待ちこがれていたファンにとってはもちろん、B'zにとっても楽しく充実感のあるツアーだったという。稲葉さんは、「昨年やった北米ツアーがとても楽しく、時期をあまりあけずにまたやりたいと思いました」と語る。松本さんは、「北米でのライブはいつも楽しくて、こちらのオーディエンスのためにもできるだけ英語曲をリリースするべきだなと感じました。英語の曲をいくつか、インターネット配信でリリースする予定です」と北米のオーディエンスのニーズに応えることに意欲的だ。

☆松本孝弘(まつもと・たかひろ)

3月27日、大阪府生まれ。ギターおよび作曲、プロデュースを担当

☆稲葉浩志(いなば・こうし)

9月23日、岡山県生まれ。ボーカルおよび作詞を担当。

 

平和で美しいバンクーバーで日本食を堪能

バンクーバーを訪れた際のエピソードを聞いてみると、「ロブソン通りにおいしい日本食のレストランがありました。今回もまた行きたいと思っています」と松本さん。稲葉さんからは、「平和で美しい街です。初めての時、むちゃくちゃ寒いと聞かされて分厚いコートを買って行きましたが、1回も着ませんでした」という微笑ましいエピソードが。二人ともバンクーバーに良い印象を持っているようだ。

北米でのライブの魅力は観客との距離が近いこと

北米ツアーでは、日本国内での公演に比べると小さな会場が使用されることが多いため、それだけ観客との距離が縮まる。稲葉さん曰く、「お客さんが近いので、皆さんの生の声や表情が伝わり、とても興奮します」とのこと。松本さんも、「小さな会場でのライブは色々な段取りなどもなくて、とても好きなんです。ギターとアンプさえあれば、あとは演奏に集中できますから」と話す。素晴らしいパフォーマンスを至近距離で楽しめるのが、北米ツアーの大きな魅力だ。

新しい都市でのライブに「わくわく」

今年の北米ツアーでは、西海岸とは全く雰囲気の違う東海岸にも行くことになるが、なかでもB'zにとって特に思い入れのある街はニューヨークだという。松本さんは「久しぶりにニューヨークへ行くのを楽しみにしています。初めて行く都市も楽しみです」、稲葉さんは「初めてライブをやる街はどんなところでもわくわくして楽しみです。ニューヨークはレコーディングや撮影でもよく行った街なので、ライブをやれるのは感慨深いものがあります」と話す。

B'zの原動力はメンバーの絆とライブ

音楽界のさまざまな記録を更新し、新しい歴史を作っていくB'z。これだけ長期間にわたって、多くの人から支持され続けることができるのは、たゆみない努力の賜物だろう。何がB'zの原動力になっているのだろうか。松本さんは、「これまでの24年間で素晴らしいキャリアを持つ事ができました。B'zのメンバーである事が、やり続けて行くという高いモチベーションを保っています」と語る。一方、稲葉さんは「やはりライブをやって、それを人が見に来てくれることが嬉しいです」とのこと。ただ音楽を作るだけでなく、メンバーとしての自覚を常に持ち、ライブを通してファンとつながることを大切にしているB'zだからこそ、ここまで大きな存在になることができたのだろう。

松本さんの豊かな才能が詰まった「Strings Of My Soul」

北米ツアーに加えて、松本さんのソロアルバム「Strings Of My Soul」のリリースも話題になっている。第53回グラミー賞「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」受賞後、待望の発表となるインストゥルメンタル・ベスト・アルバム。「日本のブルーズマンが書いたメロディーを楽しんでいただければと思います」と語る松本さんが、その豊かな音楽的才能を存分に発揮した新作だ。

バンクーバーでのライブへの意気込み

バンクーバー公演は、昨年のヴォーグ・シアターから、約2倍の規模のオーフィアム・シアターに会場を変え、今年はさらに多くのファンを魅了する。今年のバンクーバーでのライブにかける意気込みを聞いてみると、「今年もこの美しい街でライブができて、とても嬉しいです。盛り上がるライブにしますよ!」(松本)、「英語曲、日本語曲両方やります。汗をいっぱいかいて、幸せな気分になれるようなライブにします」(稲葉)と気合い十分だ。

カナダのファンへのメッセージ

最後にカナダのファンへのメッセージとして、松本さんは「バンクーバーの皆さん、お久しぶりです!会場で会えるのを楽しみにしています」、稲葉さんは「行くたびに、皆さんの温かい声援に感動します。ステージですべてを出し切ります!」と語った。

 

聴く人の心を揺さぶるB'zの音楽。今年リリースされた英語の楽曲も加わり、「B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free-」はB'zの新たな魅力を引き出してくれそうだ。9月20日、B'zの力強い音楽がオーフィアム・シアターに響き渡る。

 

(取材 船山祐衣)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。