2018年7月12日 第28号
9月13日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市内のマイケルJフォックス・シアターで宝塚歌劇団OG公演『World of Dreams』が開催される(メディアスポンサー:バンクーバー新報)。
出演は、宝塚歌劇団で活躍してきた4人の大スターたち。『すみれの花咲く頃』はもちろん、『ベルサイユのばら』や往年の人気作品の名シーンや名曲を抜粋した2時間のショー。きらびやかなレビューの到来に、早くも注目が集まっている。
宝塚OG公演 『World of Dreams』
日時:9月13日(木)
開場 6:45PM、開演7:30PM 休憩20分を含む2時間のショー
場所:マイケルJ.フォックス・シアター
チケット料金:A席$59、B席$43(全席完全指定席)
購入サイト:(7月15日より一斉販売) https://www.vtixonline.com/world-of-dreams
問い合わせ:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.
Facebook : World of Dreams
夢の世界
花形である男役の魅力と、それを引き立てる娘役。未婚の女性のみで形成されたプロの劇団は世界にただひとつ、宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)のみである。
激しい競争率のなか宝塚音楽学校に入学し、厳しい校則の中でトレーニングを受け、卒業生はタカラジェンヌとして初舞台を経て、各組に配属される。宝塚歌劇のモットー『清く、正しく、美しく』は、あまりにも有名で、結婚すると退団しなければならないという独特の世界でもある。
彼女たちが作り上げる舞台は、まさに『夢の世界』。1914年の初公演以来100年以上、変わることなく“ヅカファン”を魅了し続けている。
このショーのプロデューサーで米国シアトル在住のフラワー咲子さんは、子供のころから宝塚歌劇を観て育った。15年前シアトルに移住してから、改めて気づいた日本の伝統や文化の素晴らしさ。そのひとつに宝塚歌劇があったという。
海外での宝塚
「海外での宝塚OG公演は3年前で、ニューヨークのリンカーンセンター・フェスティバルの一環として『シカゴ』が公演されました。そのころ世界中の若い宝塚ファンとソーシャルネットワークを通じて知り合い、日本に行って生の舞台を観るにはお金がかかると言うのを聞いて、それなら北米でOG公演をプロデュースしたいと思うようになったのです」 記録によると、宝塚歌劇団は1959年にシアトル公演を興行し、バンクーバーではクイーン・エリザベス劇場のこけら落としのひとつとして、寿美花代、加茂さくら、浜木綿子ら往年のスターがその舞台を踏んだという。59年前にこの公演を観た人に、ぜひその様子を聞いてみたいものである。
『ベルサイユのばら』ほか
約1年をかけて準備した昨年12月のシアトル公演には、西海岸の各地はもとより、アメリカ東海岸、カナダ、遠くはコスタリカからもファンがかけつけた。
「会場一丸の熱い拍手やスタンディング・オベーションは、彼女らにとっては初めての経験で、感動しておりました。『やはり海外のお客様は反応が熱いね〜』と」とフラワーさん。
待望のバンクーバー公演は9月13日に決定。出演は毬穂えりな、綺華れい、紫峰七海、珠まゆらと、宝塚の第一線で活躍したスターたち。代表作『ベルサイユのばら』や往年の人気作品の名シーンや名曲を抜粋してつなぐエチュード形式で、休憩をはさみ、約2時間の構成。海外公演ということで、着物で歌い踊る作品もプログラムに加えた。
カナダではモントリオールに宝塚のファンクラブがあり、一行はモントリオールに移動し、東部カナダ全地域から集まるファンとの懇親会(15日)に出席後、モントリオール公演(16日)に出演する。
毬穂えりな(まりほ・えりな):1994年宝塚歌劇団入団。雪組に配属。1998年香港公演に参加。その後、宙組に組替え。抜群の歌唱力で娘役として活躍。2006年宝塚歌劇団退団。退団後は映画『大奥・絵島生島事件編』に出演。その後もディナーショー、ライブ活動等、歌を中心に活動。また女優としても数々の舞台に出演している。
「人生初のカナダ。素晴らしい場所で公演させていただけることに感謝です。皆さんに夢の世界を心を込めてお届けいたします」
綺華れい(あやか・れい):1998年宝塚歌劇団入団。星組に配属。2005年韓国公演『ベルサイユのばら』アラン役で選抜メンバーに選ばれる。ダンスに定評の美貌の男役として活躍。2008年宝塚歌劇団退団。退団後はコンサート、ディナーショーなどのステージで活躍中。2016年には光文社『国民的美魔女コンテスト』Web賞受賞。
「カナダという素晴らしい国でタカラヅカの世界をお届けできること、光栄に思います。皆さまに楽しんでいただけるように頑張ります」
紫峰七海(しほう・ななみ):2000年宝塚歌劇団入団。花組に配属。『ベルサイユのばら』『風と共に去りぬ』『エリザベート』『ファントム』『虞 美人』『オーシャンズ11』など様々な舞台に出演。2014年花組副組長に就任。2015年宝塚歌劇団退団。退団後はコンサートなど様々なステージに出演の傍ら、現在はABCラジオ、FM 伊丹にてレギュラーパーソナリティとして出演中。
「タカラヅカを知ってもらう良い機会になればと思います。皆さん、盛り上がりましょう!」
珠まゆら(たま・まゆら):2000年宝塚歌劇団入団。花組に配属。 主な出演作品は『風と共に去りぬ』『エリザベート』『二都物語』など、歌って踊れる可憐な娘役として活躍。2006年宝塚歌劇団退団。退団後は舞台版『宮廷女官チャングム』をはじめ、松平健や市川猿之助の舞台に出演し、現在は舞台、ディナーショーを中心に活躍中。
「以前から1度訪れてみたいと思っていたカナダで公演させていただけるなんて夢のようです。素敵なステージになるように頑張ります」
(取材 ルイーズ阿久沢 / 写真提供:フラワー咲子さん)
毬穂えりな (©Andy Ahlstrom EN Pacific Service, Inc.)
綺華れい (©Andy Ahlstrom EN Pacific Service, Inc.)
紫峰七海 (©Andy Ahlstrom EN Pacific Service, Inc.)
珠 まゆら (©Andy Ahlstrom EN Pacific Service, Inc.)