2018年5月24日 第21号
今年も豪華ミュージシャンが出演する、TDバンクーバー・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル。毎年、6月後半からカナダデーの7月1日にかけて開催され、今年は6月22日から7月1日までだ。クイーンエリザベスシアター、ボーグシアター、パフォーマンスワークス、アイアンワークス、ラウンドハウス、キャピラノ大学などで有料のコンサートが開催されるほか、クラブシリーズと銘打って OUISI Bistro、HASTINGS MILL BREWING CO.、TANGENT CAFE、RAILWAY STAGE AND BEER CAFE、REVEL ROOM、GUILT & CO.、PROVENCE MARINASIDEなどのクラブでもライブが行われる。さらに、無料のライブも 150以上開催され、ジャズを身近に感じることができる 10日間だ。
オススメ有料コンサート
ロバート・プラント・アンド・ザ・センセーショナル・スペース・シフターズ
(Robert Plant And The Sensational Space Shifters)
6月29日(金)20:00 クイーンエリザベスシアター(630 Hamilton St. Vancouver) $150〜
今年のフェスティバルの目玉は、何と言ってもレッド・ツェッペリンのボーカリストとして知られる、ロバート・プラントだろう。実力派揃いと評価の高い“ザ・センセーショナル・スペース・シフターズ”を率いて、TDバンクーバー・インターナショナル・ジャズ・フェスティバルにやってくる。
レッド・ツェッペリン解散後は、1982年に初のソロ・アルバム『11時の肖像(Pictures at Eleven)』を発表。その後、83年には『ザ・プリンシプル・オブ・モーメンツ (The Principle of Moments)』、88年『ナウ・アンド・ゼン(Now and Zen)』、90年の『マニック・ネヴァーナ(ManicNirvana)』などをリリースして、精力的に活動を行っている。
絞り出すようなハイトーンボーカルで知られるプラントは、『ローリング・ストーン』誌の「100 Greatest Singers of All Time(歴史上最も偉大な 100人のシンガー)」で 15位に選ばれている。昨年 10月に、約 3年ぶりで発表した『キャリー・ファイア(Carry Fire)』は全英 3位を獲得している。
メイシー・グレイ
(MACY GRAY)
6月28日(木)20:00 クイーンエリザベスシアター $50〜
ソウル /R&Bシンガーソングライターのメイシー・グレイ。1999年にデビュー・アルバム『オン・ハウ・ライフ・イズ (On How Life Is)』で彗星の如くミュージック・シーンに登場。同アルバムは米国で 320万枚、世界で 700万枚を販売とスマッシュヒットとなり、“ベスト・ニュー・アーティスト”としてグラミー賞を受賞した。
以後も、ソウル、ロック、ヒップホップなど、多様なジャンルを自由に融合したサウンドで人気。これまでグラミー賞ノミネート歴 5回。グレイは女優としても活躍していて、『スパイダーマン』、『ペーパーボーイ真夏の引力』『トレーニングデイ』などにも登場している。
カーリ・ウエンデル・マクレランド・ウイズ・ セント・ポール&ザ・ブロークン・ボーンズ
(KHARI WENDELL MCCLELLAND WITH ST. PAULAND THE BROKEN BONES)
6月27日(水)20:00 ボーグシアター(918 Granville St. Vancouver)$44〜
デトロイト出身ながら、バンクーバーを拠点にカナダで精力的に活動しているカーリ・ウエンデル・マクレランド。19世紀に黒人奴隷が、米国南部から奴隷制がなかったカナダまで亡命してきた歴史を音楽で伝えるというユニークな活動をしている。ソウルとゴスペルのミックス。セント・ポール & ザ・ブロークン・ボーンズはソウル・ファンク・バンドグループだ。
スパニッシュ・ハーレム・オーケストラ
(SPANISH HARLEM ORCHESTRA)
6月25日(月) 20:00 ボーグシアター $44~
2002年のデビュー以来、サルサ音楽ファンを夢中にしているラテンダンス音楽のオーケストラグループ。『Across 110th Street』で 2005年、グラミー賞ベストサルサ /メレンゲアルバム部門、2011年には『Viva La Tradicion』でベストトロピカルラテンアルバムを受賞している実力派だ。
ワビ -クリス・ゲストリン&バーニー・アライ
(WABI-CHRIS GESTRIN & BERNIE ARAI)
6月30日(土) 13:30 ラウンドハウス $10(パスなら$32)
日系二世のドラマー、バーニー・アライとピアノのクリス・ゲストリン。
ボノボ
(BONOBO)
6月25日(月) 20:00 クイーンエリザベスシアター $40~
英国出身のミュージシャン、ボノボことサイモン・グリーン。 LAをベースとしていて、プロデューサー、DJとしても活躍している。エレクトロニック系ミュージックのスタイリッシュなサウンドは、世界のファンを魅了する。
カマシ・ワシントン
(KAMASI WASHINGTON)
6月24日(日) 20:00 クイーンエリザベスシアター $50~
LA出身のジャズサックス奏者で、新世代ジャシーンをけん引するとして評価の高いカマシ・ワシントン。ハービー・ハンコック、ローリン・ヒル、スヌープ・ドッグ、ウェイン・ショーター、ナズ、ジョージ・デューク、チャカ・カーン、サンダーキャットなどの作品にも参加するなど、幅広く活躍している。2017年にはミニアルバム『ハーモニー・オブ・ディファレンス (Harmony of Difference)』を発表した。
チケット
ラウンドハウス・パフォーマンス・センター・パス(Round h ou s e Performance CentrePass)*を含め、ほとんどの有料コンサートはticketfly(www.ticketfly.com)で販売。OUISI Bistro、HASTINGS MILLBREWING CO.などで開催されるクラブシリーズは、クラブで直接購入する。
*ラウンドハウス・パフォーマンス・センター・パス
6月30日と7月1日の二日間、イエールタウンのラウンドハウスで6つのイベントが開催される。Roundhouse Performance Centre Passはこれらのパフォーマンス全てに参加できる、お得なパスで $32。あるいはシングルチケット($10)も当日購入可能。
無料コンサート
フェスティバルの楽しみの一つは、無料のコンサート。バンクーバーのベストシーズンに多数行われる野外ライブで、開放感を満喫しよう。
▶グランビルアイランド 6月22 日〜7月1日
グランビルアイランドのPerformance Works とパブリックマーケットのステージでは6月22 日から7月1日まで無料のショーが開催される。
・ Performance Works 13:30 〜15:30 1218 Cartwright Street, Granville Island
・パブリックマーケットステージ 12:00 〜14:00
▶ Tom Lee Music Hall 6月25 日〜28 日 728 Granville Street 13:00 〜14:00
楽器などの販売を行う、Tom Lee 内ミュージックホールにて。
▶ダウンタウン・ジャズ(Downtown Jazz)6月23 日(土)、24 日(日)
アートギャラリーに近い、ジョージアステージ、ロブソンステージ、サウンズ・オブ・ユースステージで正午から。最終は19:30 からのショー。 子ども向けアクティビティやフードトラックも楽しめる。
▶ Jazz Vespersat St. Andrew's 6月22 日 (12:00 〜13:00)、24 日 (16:00)、25 日〜29 日 (12:00 〜13:00)
バラードとネルソンの角にあるセント・アンドリューズ・チャーチで。
▶ノースショアジャズ(North Shore Jazz)
ノースショアでも無料のコンサートが開かれる。
会場:Civic Plaza(6月23 日、30 日いずれも13:00 〜)、ウエストバンクーバー・メモリアルライブラリ(6月22 日19:30 〜)、Lynn Valley Village(6月24 日13:00 〜)
▶デイビッド・ラム・パーク・ジャズ・ウィークエンド (David Lam Park Jazz Weekend) 6月30 日(土)、7月1日(日)
フォールス・クリークに面した、デイビッド・ラム・パークでのコンサート。正午から 最終ショーは20:45 から。 屋内および屋外ステージ。 子ども向けアクティビティやフードトラックもあり。
(取材・文:西川桂子 写真・地図提供:TD Vancouver International Jazz Festival)