家事を手伝ってくれる夫のやり方が我慢出来ない

質問:

夫が家事を手伝ってくれるのだが、私はかえって申し訳なく落ち着かず、ときどき我慢が出来ない。彼はなぜ私がイライラするのかわからない。手伝ってくれる彼に感謝せず、イライラしてしまう自分が嫌になる。

参加者A:

私も亭主関白の典型的な両親を見て育っているので、その気持ちわかります。自分の身についた文化というのはなかなか取れないですよね。そういう文化摩擦が起きてくることも国際結婚の過程の中にあるのではないですか?

野田先生:

まず自分がどこに何をイライラするかということを考えなければ。たとえば旦那の茶碗の洗い方が気に入らず(笑)、自分が洗い直さなければという手間を考えると、やってくれないほうがいいと考えてしまう。日本人には自分のテリトリーというか、自分の流儀っていうものがありますよね。あまり人を踏み込ませたくない。夫婦関係の中でも、変に入ってこられて嫌だという気持ちもあるだろうけれど、そこら辺を自分でどれだけ耐えられるかということではないでしょうか。
カナダで生きていくには自分の気持ちに対して率直でなければならないわけです。始めからこういうことだけやってほしい、と頼むことも大切ですね。

 

手伝ってもらうことに罪悪感を感じる自分

質問:

専業主婦なので、家事は自分の仕事だと思っている。疲れていても夕食にピザやテイクアウトは避けたい。

参加者A:

私の場合、あるとき怪我をして体をいたわりながら料理をしていたら余計につらくなってきました。思い切って1日置きに料理を作ると宣言したら、気持ちが楽になりました。こだわっていたのは自分だけで、夫が求めているわけではなかったのです。それは体にとっても良くなかったわけです。

野田先生:

料理をしなければと決めつけて、自分にプレッシャーをかけていたのはあなただったのですね。だからあるときそれを取り除くとすっきりするわけです。

 

頼まなければ手伝ってくれない夫にイライラ

質問:

妻として母として家事をするのは当然だと思っています。主人は頼めばやってくれますが、頼まなければやってくれません

参加者C:

ある程度、夫を教育していくことも大切じゃないですか?

野田先生:

こういうことをしてくれたらうれしいと、カナダ流にはっきりと言うことが必要なのではないでしょうか。

 

何もしないカナダ人夫に不満

質問:

カナダでは家事も育児も半々とまではいかなくても、かなりの割合で役割分担をしている家庭が多いですね。でもうちは電気の球も換えてくれないんです。放っておいたらいつまでも暗いままなので、私がやっています。

参加者D:

甘やかし過ぎたのかも。

参加者E:

知り合いのカナダ人夫は、たまたまお母さんが専業主婦で何でもやってくれたため、家事をすることを学んでこなかったようです。だから日本人の奥さんが何でもやってあげているけれど、彼は本当に何も出来ないんですよ。

野田先生:

日本人の女性はどちらかというと「家を守る」ということを大切に考えている。だから家事や育児をすることで自分がいる価値を見出すわけです。でも相手に尽くすということは、カナダではあまり通じないかもしれません。こちらの発想だと“お前が好きでやっているんだろう”ということになる。無理しても報われないなら、無理しないほうがいいということにもなってきます。

 

家事よりも夫婦の時間を大切に

野田先生:

カナダでは離婚するときに“私はこんなに一生懸命家事をしていた”と言っても問題にされないでしょう。我慢することに価値が置かれず、むしろ亭主の方に向いていない時間が多かったと指摘されることさえあります。
カナダ人の男が妻を手伝うのは、手伝うことによって夫婦一緒の時間をたくさん持とうという意味もあるんじゃないですか。彼女を疲れさせたりイライラさせたりすることのデメリットよりも、ふたりの時間を持つこと、女としてどれだけ磨いているかということの方が大事なのではないでしょうか。

 

野田文隆博士
大正大学人間学部教授(臨床精神医学)。文化間精神医学の視点から、在外邦人のメンタルヘルスに関する臨床研究を続けている。(UBC精神科Adjunct Professorを兼任)

国際結婚の会:年に3回ほどバンクーバーを訪れる精神科医、野田文隆先生を中心にワークショップを開催している。

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