美しい旋律に歌、舞踊
ウィーン風の新年
ワルツやポルカ、オペレッタといった軽快な旋律で幕開けるウィーン風の新年。その有名なニューイヤー・コンサートを再現したものとして、ウィーン市が唯一正式に認めているのが『Salute to Vienna』だ。2012年の新年、北米ではニューヨークからマイアミ、バンクーバーからケベックまで16都市で開かれる。
シュトラウス・シンフォニー・オブ・カナダ(クリスチャン・ショルツ指揮)が奏でるヨハン・シュトラウスの美しいメロディー。これを盛り上げるのが、ウィーンのソプラノ歌手パトリシア・ネッセイと、モントリオールのテノール歌手マルク・エルビューの歌声だ。
さらにウクライナのアニコ・バレエ団から参加のダンサーが登場し、さまざまなダンスを披露する。
元旦の午後、格式高いオーフィアムの劇場で、ゆっくりとくつろぎながら観る舞踏会。そんなゆとりのある新年も北米ならでは。一度は観てみたいのが『Salute to Vienna』だ。
Salute to Vienna
1月1日(日) 2:30PM
オーフィアム・シアター
シュトラウス・シンフォニー・オブ・カナダ(クリスチャン・ショルツ指揮)
パトリシア・ネッセイ(ソプラノ)
マルク・エルビュー(テノール)
アニコ・バレエ団(ウクライナ)
$66~108+サービスチャージ
電話 (604) 280-4444
ケン・シェ氏が日本で『第九』
日本で年末恒例の演奏会と言えばベートーベンの『第九』。正式名は『交響曲第9番ニ短調作品125』で、ベートーベンの9番目にして最後の交響曲だ(第10番もあるが未完成)。 日本では各地で『第九』の演奏会が開かれるが、今年はケン・シェ氏が東京と大阪でタクトを振る。ケン・シェ氏に『第九』について解説してもらった。
改革者ベートーベン
ベートーベンは私が尊敬する偉大な作曲家のひとりです。音楽をロマン派へと開花させた改革者であり、音楽史上重要な人物と言えます。
第九でも、これまでの常識であった楽章の順序を変えるという新しいアイディアを開拓しました。コントラバス、ティンパ二ーといったサポート役の楽器が活躍するところも画期的です。第4楽章で『歓喜の歌』の旋律が流れ、合唱が加わるとクライマックスを迎えます。聴きどころのたくさんある最高傑作です。
日本では年末恒例
第九が日本の年末恒例になった理由は、いろいろなことがあった一年の終わりに人びとが集まり、喜びに満ちた合唱で締めくくるというところが受け入れられたからではないでしょうか。
私は幸運にも旧東ドイツ出身の指揮者クルト・マズア氏の指導を受け、ブラジルで第九を指揮したことがあります。第九を指揮するということは、私にとってとても意義深いことなのです。
70分の長丁場
第九は70分という長丁場ですから、体力的にも体がフィットしていないと指揮をするのも大変です。息を切らさないよう、呼吸のテクニックも重要です。
第九に向け、特に夏から筋肉トレーニングを始めました。指揮には腕や肩をよく使うわけですが、猫背にならないよう気をつけるのも大切なことです。
第九を振る
今年は東京(日本フィルハーモニ交響楽団)と大阪(日本センチュリー交響楽団)で第九を指揮することになりました。特に大阪のシンフォニーホールでの『21世紀の第九』はマエストロ佐渡裕氏が18年間指揮をされ、皆さんに愛されている演奏会です。今回この素晴らしい伝統を受け継ぐことになり、とても光栄です。
第九の魅力を皆さんとともに分かち合い、素晴らしい年末を迎えられるよう頑張ります。
(東京)12月23日(金)2PM
『東京労音第118回第九演奏会合唱付き』
日本フィルハーモニー交響楽団
東京文化会館大ホール(東京)
指揮:ケン・シェ
ソプラノ:佐竹由美/アルト:杣友惠子
テノール:田中豊輝/バリトン:キュウ・ウォン・ハン
合唱:東京労音第九合唱団
S席¥6,500 A席¥5,500 B席¥4,500 C席¥4,000
東京労音事務局TEL 03-3204-9933
(大阪)12月28日(水)7PM
『21世紀の第九』ベートーベン交響曲9番合唱付き
日本センチュリー交響楽団
ザ・シンフォニーホール(大阪)
指揮:ケン・シェ
ソプラノ:尾崎比佐子/アルト:福原寿美枝
テノール:松本薫平/バリトン:キュウ・ウォン・ハン
合唱:京都バッハ・アカデミー合唱団
A席¥6,000 B席¥4,500 C席¥3,000
ABCチケットセンターTEL 06-6453-600