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妊娠周期の数え方

カナダでは、一般的に最後に生理が始まった日から妊娠周期を数える。例えば2011年10月2日(日曜日)に最後に生理が始まったら、一週間後の10月9日(日曜日)が、すでに妊娠1週目となる。「えぇ!まだ排卵も受精もしていないのに?」と思ってしまうが、生理・排卵・受精期間を含めた妊娠していない空白の約2週間も加算され、通常周期計算で40週目となる2012年の7月8日(日曜日)が予定日となる。
だが、人によって生理の周期が違ってくる。28周期の人もいれば、40周期の人もいる。ここで、予定日にズレが生じる。周期に合わせて、予定日を計算してくれる、Online Due Date Calculator がインターネットで検索したら出てくるので、「妊娠したかも!?」と思うならここで調べてみると早いだろう。
またこちらでは妊娠期間の40週を大まかに3期間に分けて話されることが多い。1st Trimesterが1週目から13週目。 2nd Trimesterが14週目から27週目まで。 そして3rd Trimesterが28週目から40週目となる。

 

1st Trimester(1週目~13週目)

―妊娠が発覚したらまずは医者へ

妊娠の可能性に気づいたら、市販の妊娠検査薬で調べるのが、一番早い方法だろう。妊娠しているとなれば、ファミリードクターへ、ファミリードクターのいない人は最寄りのウォークインクリニックに行くのが次のステップとなる。 そこでは、最後の生理の始まった日、生理の周期、病歴、予防接種歴、職業など、色々な質問がされる。また出産を希望する病院も聞かれることだろう。そして、そのドクターが分娩に臨める場合は、その後も同じドクターの元へ定期健診に行くことになるが、臨めない場合は、産科医や分娩に臨める別のファミリードクターが紹介される。日本と違って、たいていの場合、紹介状がないとこれからの専門医には診てもらえることができないのも知っておきたい。

―流産の可能性もこの時期が高い

1st Trimesterは4-5週間に一回の割合で定期健診となる。この期間が妊婦や赤ちゃんにとって一番大切な時期とされ、母体の変化は言うまでもなく、ホルモンの関係で精神的にも情緒不安定になったりなど、心身ともに敏感になる。流産の可能性もこの時期が一番高い。またトリプル・スクリーン・テスト(トリプル・マーカー・テストとも)も話題にあがる。これは、胎児にダウン症などの先天性異常の可能性などがあるかどうかを調べる血液検査で、この時期に一度、そして2nd Trimesterに一度検査を受け、両検査の結果を元に診断される。

―つわり

そしてつわりもこの時期に始まるのが一般的だ。つわりが酷い場合は、カナダではDiclectinと呼ばれるつわり緩和薬(主に吐き気をとめる効果があると報告)が処方される。過去50年以上にわたり、約330万人の女性が服用してきたこの薬は、胎盤を通さないので、赤ちゃんには影響がないと言われている。

 

2nd Trimester(14週目~27週目)

―心身ともに妊娠に慣れる頃の安定期

安定期に入ったこの時期には、多くの女性がつわりからも解放され(出産まで続く女性もいる)、また流産の危険性も少なくなるため、『おめでたニュース』を公表するカップルが多い。この時期も4-5週間に一度の割合で定期健診があり、さらに20週目あたりでは、ウルトラサウンドで、初めてお腹のなかの赤ちゃんとご対面となるだろう。ラッキーならこの時点で性別までわかってしまう。カナダでは母子共に問題がなければ、このウルトラサウンドは2nd Trimester と3rd Trimesterに一回ずつとなる。それだけでは物足りないなら、プライベートのウルトラサウンド専門医(有料)に行けば赤ちゃんと対面ができる。
お腹の出具合は、個人差があるが、初めての妊婦さんなら、まだ周りからは妊娠しているようには見えないかもしれない。特に日本人は小柄な人が多いため3rd Trimester に入るまで妊娠していることに気づいてもらえないことも。

―妊娠出産準備クラス

またこの時期から妊娠出産準備クラスも予約しておきたい。分娩を行う総合病院では大体行っているが、人気のため早めに予約を取っておかないと、希望するクラスを受講できない可能性もある。
非営利医療機関のMOM(日本語)が行っている妊娠出産準備クラスは、日本とカナダの妊娠・出産事情の違いを説明しながら行われるので、出産の際、病院の先生や看護師の対応に「こんなのあり?」と思うことに対しても、しっかり心の準備ができているので落ち着いて出産に挑めることだろう。
カナダでの妊娠出産準備クラスは一般的にこれから母親・父親になるカップルを対象に行われているので、時間帯も週末や夕方7時頃から開始され、可能な限り両方の参加が望まれる。

 

3rd Trimester (28週目~40週目)

この時期に入ると病院に行く回数も増えてくるだろう。そして37週目頃からは一週間に一度、クリニックに足を運ぶことになるのが一般的。そして待ちに待った出産法についても話題があがる。出産の前兆の見分け方や、陣痛時に痛みを和らげる麻酔を使用したいか、また出産時には病院関係者以外に誰がサポートするのかなど、考えておきたい。特に、出産時のサポートは、夫以外に、DoulaあるいはLabor Coachと呼ばれる分娩立会人を依頼するかどうか、迷う人が多いようだ。バンクーバーでは、日本語でならMOMやMosmos family といった機関で提供している。

―いつ生まれて来てもいいように

37週目に入るといつ赤ちゃんが生まれてきても良いように、入院の準備はしておきたい。またベビー用品もすべて揃えておくと後々便利だろう。そして何よりも、食料品もしっかりと補充しておくと出産後は少しは楽になるはず。赤ちゃんが生まれてきたら、それこそ、親がゆっくり寝たり食べたりショッピングなんてする余裕はなくなってしまう。

―陣痛・出産

待ちに待った陣痛。人によって痛みの感じ方は違うが、下痢や生理痛に比較されることが多い。もちろん、その数倍の痛みが襲ってくるわけだが…。そして陣痛がくれば間隔を測り、初産なら3分ごと、二人目以上なら5分ごとになれば、病院に連絡してから、出向かうように指示されるだろう。もちろんそれまでに破水したり出血などしていれば病院に連絡を入れなければならない。
病院からは担当看護師が分娩までの間一人だけつき、赤ちゃんを取り上げてくれる担当医が到着するまで、サポートすることになっている(この担当看護師に当たりハズレが!)。この際に、最終的に麻酔を使用するかどうか、その場合、いつからか、など相談して決めることになる。そして肝心の担当医は、長い陣痛の際は現れることはほぼなく、最後のプッシュの際(赤ちゃんが生まれる30分~2時間前)に現れるのが一般的。そして最後にプッシュして、担当医に赤ちゃんを取り上げてもらい、念願のご対面となる。
長かった9カ月。やっと山場を越え、めでたし・めでたしと締めくくりたいところだが、正念場は、これから!

 

Midwife(助産師)って知っている?

BC州では1998年から、産科医(あるいは出産に望めるファミリードクター)の代わりに、ひとりの助産師に妊娠から出産までのすべてを依頼することが法的に認められている。そのため費用もMSPでカバーされており、助産婦を希望する場合は、ファミリードクターからの紹介状なども必要なく、直接、自分で選ぶことができる。
2児の母親で、助産師とドクターの両方を経験した茜さん(仮名)は、「助産師のほうが親身になってくれ、もっと身近に感じた。検診も診察台の上に横たわるのではなく、ソファーに横たわって、アットホームな感じ。ドクターのほうは、時間に追われている感じがして検診もあっさりと終わってしまった」と振り返る。
さらに助産師の場合、出産の際は、陣痛時から赤ちゃんを取り上げるまで、すべてを担当してくれるのも心強い。また出産後は6週間までは自宅検診にも来てくれる。妊娠から出産後のケアまでひとりの助産師がすべて担当してくれるのがどうやら人気の理由のようだ。
(取材 小林昌子)

 

参考文献ならびにウェブサイト

http://diclectin.com

http://canadamom.babymilk.jp

http://www.mosmosfamily.com

http://www.bcmidwives.com

 

Murkoff, Eisenberg and Hataway著

『 What to expect when you are expecting:』 Workman publishing

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これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。