2018年1月18日 第3号

 激しく雨が降る1月7日の日曜日、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)内で、立命館大学からの日本人留学生による成人式が行われた。同式では65名の新成人が誕生し、祝杯をあげた。

 

成人式(写真撮影 Yuya Peco Takedaさん)

 

本来参加できないはずの成人式に参加できた学生らは、大人になることへの希望と決意を胸に会場へ足を運んだ。この成人式は学生ら約12名の有志実行委員によって約3カ月前から準備が行われ、企画、運営、進行、受付は全て実行委員によって進められた。

 立命館・UBCアカデミック・イマージョン・プログラムは、1991年より27年間にわたってUBCと共同開発されている立命館大学の留学プログラムである。「学力と語学力の向上」とともに、「国際人として成長すること」を目標として掲げている。受講必須である科目群に加え、個人の英語スコアによってはプログラム外の正規授業を現地生徒とともに受けるチャンスがある。立命館大学は文部科学省によって与えられるスーパーグローバル大学に指定されるほど、国際化に力を入れている大学である。

 成人式の構成は、日本で行われるものを忠実に再現していた。第一部は進行役による開式の言葉から始まり、国歌斉唱、来賓祝辞、来賓紹介、新成人決意の言葉、閉式の言葉、記念撮影で締めくくられた。進行は英語と日本語で行われた。国歌斉唱では全員起立し、大きな声で歌った。カナダで生活を始めてから、いろいろな場面で、カナダの国歌を歌うことしかなかったため、君が代を歌うことは自分が日本人であることを再確認できる場面でもあった。来賓には岡井朝子在バンクーバー日本国総領事を筆頭に、立命館・UBCアカデミック・イマージョン・プログラムのマネージャーとアドバイザー、その他同プログラムを担当している講師陣、サポーターなど約11名が足を運んだ。岡井総領事は「今年20歳になられた皆さん、おめでとうございます。このような成人式を企画運営してくださりありがとうございます。皆さん、とても頑張られていると聞きました。これからは自分の未来を作る努力をしなくてはいけません。一生懸命、頑張ってください」と祝辞を述べた。続いて新成人代表2名が決意の言葉を述べ、「まずはじめに、私たちを支えてくれているたくさんの方々に感謝をしなくてはいけません」と来賓に頭を下げた。「家族の支えや多くの方々からのサポートによって、私たちはこうして異国の地で成人を迎えることができています。成人するということは、自覚と責任が今まで以上に必要となります。残りの留学生活、みんなでいいものにしましょう」と述べた。最後は参加者全員による大きな拍手で閉式された。

 第一部と第二部の間には軽食タイムがとられた。立食タイプで行われ、談笑をしたり、写真を撮ったり、それぞれの思うように時間が運ばれた。あまり親交がなかった人とも話せる、いい機会となった。

 第二部は新成人のみの参加で、いくつかのレクリエーションが行われた。子どもの頃の写真当てゲームや、有志による歌やダンス、漫才などを大いに楽しんだ。子どもの頃の写真当てゲームでは6つのチームに分けられ、点数を競った。写真が誰かを当てられた人は前のスクリーンまで行き、本年の目標、留学生活での失敗、子どもの頃の夢など、ランダムで質問が行われた。漫才では留学生活をコミカルに笑いに変えており、大盛り上がりであった。

 今回誕生した新成人、65名にとって、一生に一度の成人式を異国の地で迎えるという貴重な経験と思い出になった。そして、どのように有意義に残りの3カ月を過ごすかを考える、良いターニングポイントになったのではないだろうか。これからの活躍に期待したい。

(取材:BANBI)

 

来賓と新成人全員が集合(写真撮影 株本彩花さん)

 

祝辞を述べる岡井朝子総領事(写真撮影 Yuya Peco Takedaさん)

 

新成人決意の言葉を述べる、左:中野夏恋さん、右:西岡遼太さん(写真撮影 Yuya Peco Takedaさん)

 

第二部内でダンスパフォーマンスを披露した新成人たち(写真撮影 株本彩花さん)

 

第二部内で子供のころの写真当てゲームを行った(写真撮影 株本彩花さん)

 

軽食をとりながら祝杯を上げる(写真撮影 株本彩花さん)

 

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