継続的な被災地支援を、バンクーバーから

日系3世のリンダ・オオハマ氏は、以前から積極的に日加間の文化交流に尽力してきたが、震災直後から被災地の子供たちを心の面から支援しようと、ジャパン・カナダ・ユース・キルト・プロジェクトを立ち上げた。これはカナダの子供たちが、日本の子供たちに宛てた応援のメッセージやイラストを生地に描き、それを集めて縫い上げたキルトを日本の各地で展示してもらい、多くの子供たちを元気づけようというもの。
そんなリンダ・オオハマ氏の古くからの友人で、少林寺拳法バンクーバー支部のメンバー、クリスチャン・ヘノ氏が彼女との会話から「自分たちにも何か出来ることがあるはず」と思い立ったところから、このチャリティー武道デモンストレーションのアイデアが持ち上がった。
こうして、少林寺拳法バンクーバー支部代表の橋本政明氏、糸東流空手正晃会代表の佐藤明氏、バンクーバー祥門会代表の清田勝氏らが中心となり、実現にこぎつけた。

震災の記憶を風化させないために

デモンストレーションに先立ち、清田勝氏から「本日11月5日は、日本では『津波防災の日』に指定され、各地で津波による災害を想定した訓練などが行われています。そして、このチャリティー武道デモンストレーションで得られた収益も、被災地・被災者への義援金として、在バンクーバー日本国総領事館を通じ日本赤十字社に寄付されます。本日お越しいただいた皆様からの温かいご支援と共に、私たちの出来る限りのことが本日出来ればと願っています。どうぞ、最後までごゆっくりとお楽しみください」と挨拶があり、続いて震災の犠牲となった方々の冥福を祈り、参加者全員で一分間の黙祷をささげた。
また在バンクーバー日本国総領事伊藤秀樹氏からは、被災地・被災者に寄せられている支援に対する感謝の言葉と、今日のデモンストレーションの成功と、各武道グループのさらなる発展を願う挨拶があった。
続いてクリスチャン・ヘノ氏が、リンダ・オオハマ氏が震災翌日から活動を始めたジャパン・カナダ・ユース・キルト・プロジェクトの概要を解説。キルト作製のために、カナダ全土の子供たちから集まったメッセージ入りの生地は800枚にのぼったとのこと。またリンダ・オオハマ氏からの以下のメッセージとともに、彼女から送られてきたキルト・プロジェクトの様子を伝える、短いスライドショーが上映された。
「あなたがたバンクーバーの武道グループが、被災地の人々に『いつまでも忘れずに応援しているよ』というメッセージを送り続ける私たちの行動に共感して、行動してくれたことに感激し、感謝しています。今日のデモンストレーションが成功することを心から願っています」

日本の心意気を伝えるデモンストレーション

そしていよいよ、デモンストレーションが開始された。最初はバンクーバーを拠点に活動している、ちび太鼓の演奏。力強い太鼓の音が響き渡り、会場のテンションが上がっていった。今回のデモンストレーションに参加したのは、以下の8団体。

●ちび太鼓
●バンクーバー祥門会
●糸東流正晃会空手道
●バンクーバー英信流居合道クラブ
●石川ファミリー柔道クラブ
●糸東流琉球古武道
●練武道場(剣道)
●少林寺拳法

それぞれの団体が約15分ずつ演武を行い、日ごろの練習の成果を披露した。

一口に日本の武道と言っても、それぞれに特徴があることがこの演武を鑑賞してよくわかった。また逆に、どの武道であってもいったん演武が始まると、メンバー一人ひとりから発せられる真剣さが伝わってくるのが分かり、見る者をぐいぐいと引き込んでいく魅力に満ちていた。
デモンストレーションのあと、観客や参加者などから合計で1700ドルあまりが寄付されたことがアナウンスされた。続いて実行委員の橋本政明氏から、この企画に協力し、成功に導いてくれた全ての人に感謝するとの挨拶があり、最後に同じく実行委員の佐藤明氏から伊藤秀樹総領事に義援金のチェックが渡され閉会となった。
閉会後、佐藤明氏に企画段階からの話を聞いた。「少林寺の橋本先生からこのアイデアを持ちかけられた時、ならば日本の武道全部をお見せできるようなものにしないか、と話が盛り上がりました。そこで実行委員3人が中心となって各方面に働きかけたところ、在バンクーバー日本国総領事館をはじめ、多くのグループから賛同いただきました。企画も準備も演武も自分たちでやる、自作自演の手弁当企画だったので、最初はうまく行くかどうか不安なところもありましたが、こうして無事に終えることが出来てとてもうれしいです。来場者、参加者、ボランティアを含めると、250人近くの人が今日のデモンストレーションを支えてくれました。本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。この気持ちが少しでも、被災地の人々を元気付けられることになればと願っています」と笑顔で語ってくれた。

 

(取材 平野直樹)

 

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