2017年3月16日 第11号

昨年バンクーバーを熱狂の渦に巻き込んだカナダセブンズが今年もバンクーバーに帰ってきた。

ワールドラグビー・セブンズシリーズ・カナダ大会(カナダセブンズ)が3月11日、12日、バンクーバー市BCプレースで開催された。今年は日本代表もコアチームとして参加。初参加となったカナダセブンズで、ベスト8入りを目指した。

昨年は、8月にブラジルで開催されたリオデジャネイロ夏季オリンピック直前で緊迫感が漂っていた今大会。 五輪後の今年は各チーム、昨年とは違った顔を見せていた。それでもファンの盛り上がりは変わらない。2日間で観客動員数76,116人を記録。昨年より26パーセント増。リオ五輪から正式種目として採用されたこともあり、人気も急上昇。ファンも一体となって楽しめるバンクーバーでの一大イベントは、会場の内外で盛り上がっていた。

大会1日目は各組4チーム4組のプール戦。ここで上位2チームがカップトーナメントに、下位2チームがチャレンジトロフィートーナメントに進む。日本はC組、カナダはD組でプール戦を戦った。

 

一進一退の攻防で延長戦までもつれた13位決定戦スコットランド戦。2017年3月12日

 

8強入りはならずも、ロシアに勝って13位決定戦へ

 「今大会はベスト8を目標としていました」と大会1日目終了後、ダミアン・カラウナヘッドコーチ(HC)は語った。しかし、1日目は3戦全敗。初戦白星を目標としていた第1試合アメリカ戦で大きくつまずいた。小澤主将は「一人ひとりの気持ちの部分でもあるでしょうし、相手にうまくやられたなって感じもあったし、キックオフで崩されたっていうのはすごいありました」とアメリカ戦を振り返った。「それでも試合の中で修正できるようにならないと」と反省だけが口をついた。とにかく「勝てる試合を落としたのがすごく悔しいです」と3試合を振り返った。

 「とにかく明日のウェールズ戦に焦点を合わせていきます」と前を向いた。

 それでも今大会なかなか思うようにいかなかった。ウェールズにも負け、日本は13位から16位決定戦へ。まずはロシアと対戦。

 ロシア戦も出だしは硬かった。それでも前半終了間際にダラス・タタナ選手がトライを決め、7ー0で折り返した。後半は日本のペースで展開。副島、小澤選手がトライ、坂井選手のコンバージョンも決まり、21ー0と今大会初勝利。ようやく選手にも笑顔が見えた。

 試合後、「過去4試合全然ダメだったので、やっとましになったかな」と、顔をほころばせた坂井選手。今大会ではコンバージョン8を決め、トップ10入りの活躍を見せた。カラウナHCも「最初はちょっとシェイキーだったが、ボールをキープできたし、ゲームプランに沿ってやってくれた」と語った。「ロシアに勝てたのは良かった。ロシアを追いかけている以上、ロシアに勝てばロシアにポイントがいかない」と語り、「昨日、今朝と悪いゲームだったが、ここから持ち直したい」と前を向いた。

 スコットランドとの13位決定戦は、日本がリードする展開で終盤までもつれたものの、最後にスコットランドにトライを決められ同点。延長戦までもつれ込んだが惜敗した。今大会は14位に終わった。

 

来年に向けてシリーズ総合14位以内を目指す

 ワールドラグビー・セブンズシリーズは、12月に開催される第1回ドバイ大会を皮切りに、5月の第10回ロンドン大会で幕を閉じる。各大会の順位によってポイントが与えられ、10回の合計ポイントで総合順位を決定する。バンクーバー大会は第6回。

 各大会には16チームが参加。うち15チームがコアチームとして全大会に出場、1チームは招待チームとして参加する。昨シーズン日本は招待チームとして参加。そのため、昨年のバンクーバー大会には参加しなかった。

 コアチームは毎年、総合順位で最下位の15位となったチームが入れ替えとなる。そしてコアチーム昇格大会で優勝したチームが15位のチームと替わってコアチームとして参加する権利を得る。日本は昨年香港で行われた同大会で優勝し、今季のコアチーム入りを果たした。

 しかし現在までのところ、総合15位と厳しい。バンクーバー大会を終え、14位ロシアとは6ポイント差。来年もコアで戦うには、あと4大会で最低でもロシアを抜かなければならない。

 日本代表は、昨年8月のリオ五輪で4位となり、またしてもラグビーで世界を驚かせた。しかし今回のセブンズシリーズでは五輪経験者をほとんど入れず、ニュージーランド出身のカラウナ氏を新HCとして迎え、若い選手を中心に新制ジャパンで戦っている。もちろん2020年東京五輪を見据えてのことだ。

 7人制日本代表は15人制との掛け持ちがほとんど。セブンズとして国際大会を経験し、高いレベルの試合を積むことが次の一歩となる。そのためにもセブンズシリーズは重要な大会。残り4大会でどこまで食い込めるか。「ロシア戦では日本のいいところが出たと思います」と小澤主将。「日本のプライドを持って頑張りたいと思います」と語った。

 

カナダはカップトーナメントに進出

 カナダは昨年の9位から、今年はカップトーナメントに進出し8強入りを果たした。バンクーバーで初めて開催された昨年のカナダセブンズから2回目となった今大会。地元開催での応援は力強い。

 8日に行われた大会前の記者会見で、このシリーズからカナダを率いるダミアン・マックグラスHCは「カナダは15人制から選手を引き離し、7人制専属選手で構成している」と語った。カナダは、このシリーズではコアとして常に参加しているものの、昨年のリオ五輪には出場できなかった。来年にはワールドカップ、2020年には五輪と大きな大会が続く。

 今大会でも大声援を背にスコットランド、ロシアに快勝。ニュージーランドには14ー15と1点差に泣いたものの、D組2位でカップ戦へ進んだ。ケガで出場が危ぶまれたカナダの得点王ネイサン・ヒラヤマ選手も出場。ケガの影響からかトライはなかったものの、司令塔としてチームを引っ張った。

 カップ戦では南アフリカ、アルゼンチンに負け、5位決定戦には進めなかったが、昨年よりもいい結果を残した。カナダセブンズは来年もバンクーバーで開催される。

(取材 三島 直美 / 写真 斉藤 光一)

 

◇日本代表結果
3月11日プール戦C組  
 第1試合 日本 0ー52 アメリカ  
 第2試合 日本 7ー36 オーストラリア  
 第3試合 日本 19ー31 フランス  
3月12日チャレンジトロフィトーナメント  
 準々決勝 日本 0ー33 ウェールズ  
 13-16位決定戦 日本 21ー0 ロシア  
 13位決定戦 日本19ー24 スコットランド(延長戦)

 

大会2日目チャレンジトロフィトーナメント準々決勝ウェールズ戦。1トライもできず、13位から16位決定戦へ。2017年3月12日

 

バンクーバー初戦、アメリカに0‐52。ベイカー選手(右)は日本戦で3トライ、今大会を通して9トライを決め、アメリカ代表として100トライも達成した。2017年3月11日

 

大会1日目第2試合オーストラリア戦。バンクーバーで初トライを決めたものの初勝利とはならなかった。2017年3月11日

 

前半終了間際、この試合、日本2本目のトライを決めた坂井選手。大会1日目第3試合フランス戦。2017年3月11日

 

後半から途中出場したタタナ選手。逆転勝利へ望みをつなぐトライを決めた。大会1日目第3試合フランス戦。2017年3月11日

 

スコットランドとの13位決定戦。三度リードするトライを決めた小澤主将。2017年3月12日

 

鮮やかなブルーが印象的なフィジー国旗が埋め尽くす会場で、ロシア戦トライを決めたフィジー出身の副島選手(左)。2017年3月12日

 

プールD組2位でカップトーナメントに進出したカナダ。5位から8位決定戦でアルゼンチンに敗れた。2017年3月12日

 

今大会初勝利のロシア戦後、インタビューに応える小澤主将。2017年3月12日

 

ロシア戦に勝利したものの厳しい表情を崩さないカラウナHC。2017年3月12日

 

今年もラグビーセブンズ恒例、ファンのおもしろコスチュームは健在。2017年3月11日

 

大会2日目スコットランド戦後にフィジーのメディアから取材を受けるフィジー出身の副島選手。フィジー語でのインタビューに思わず笑顔が。2017年3月12日

 

試合終了後、ファンにサインをする日本代表選手。2017年3月12日

 

試合終了後ファンとのセルフィに応じるカナダ代表ヒラヤマ選手。2017年3月12日

 

 

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