一時期、リノベーションのためにオッペンハイマー公園でパウエル祭を開催することが出来ないことがあったのは、まだ人々の記憶に新しい。日系人ばかりか、カナダ人にとっても忘れてはならない場所であるオッペンハイマー公園でのパウエル祭は、今年も様々なプログラムが用意されている。
<ハイライト>
35周年を記念して、方々から集まったゲストたちの豊富なパフォーマンスを満喫しよう。日本出身のユキ・イサミ、ケベック出身のケイコ・ディヴォックス、BC出身のヴィヴィアン・ニシのトリオによる、伝統的な日本の音色に現代的な音楽をミックスしたミュージカル・プレゼンテーション。アイズナー賞受賞アーティスト、ニナ・マツモトによるリーディング。BCのお馴染み「ちび太鼓」とアボリジナル・ユース・ドラム・グループ「Spakwus Slulum」のコラボ。オンタリオからは有名なMCのニッシュ・ラアクス、BCのエネルギッシュなダンス一座「605 Collective」、BCのジャズバンド「Robots on Fire」など、バラエティーに富んだパフォーマンスが満載。また、パウエル祭前日の7月29日(金)の夜8時、チャペルアーツにて、サンフランシスコからのシンガー・ソングライターのゴー・ナカムラと、日本からのサヤ・オノデラ&ニカサイドュ・カズミのボーカル2人組みで成るニカサヤのパフォーマンスも見逃したくない。
<あるある見所!>
毎年、大人気の相撲トーナメントは日曜日の3:30-4:30、お神輿ワッショイは土曜日の2:15-2:45、お馴染みVancityソーランは土曜日の12:00-12:15、バンクーバー基盤のココロダンスは日曜日の5:45-6:15、糸東流空手のデモは土曜日の3:30-4:00、少林寺拳法は日曜日の1:15-1:45などと、盛り沢山のプログラム。また、誰もが楽しみにしているお祭りならではの懐かしい焼きそば、たこ焼きなどの屋台、和風の小物や浴衣、手作りのカードや古本など、目を見張る出店の数々も楽しみだ。
子供連れの家族には嬉しいキッズテントでは、フェースペインティング、帽子やお面作りなどの無料アクティビティが、両日12:00-5:00の間に提供される。子供を預ける「チャイルド・ケアー・プログラム」とは違うので、必ず親は子供と一緒にアクティビティを楽しもう。また、子供たちから人気のある綱引きは両日の4:00-4:30、スイカ割りは土曜日の2:00-2:30、うるささの天才とも言える子供たちにとっては最高の場となる大声を競う「気合いコンテスト」は、日曜日の2:00-2:30に行われる。大人でも楽しめる折り紙は、日曜日の12:00-3:00、作家レベッカ・クールとタケシ・フイベ夫妻の児童小説「Fly Catcher Boy」の昔懐かしい紙芝居は、日曜日の3:00-3:30に行われる。参加人数に限りがあるプログラムは、インフォメーション・ブースでのレジスターを忘れないように。
<興味深いパウエル街の歴史ツアー>
19世紀末から日系人が多く住んでいたパウエル街。銭湯、下宿、食堂や様々なお店が立ち並び賑わっていた「日本町」。しかし第二次大戦が始まると、カナダ生まれでカナダ国籍を持つ人でも、日本人を祖先に持つ人々は全て内陸部に強制移動を命じられた。それと同時に、日本町としてのパウエル街は、その歴史を閉じるのだった。日本語か英語のガイドと共に、パウエル街の歴史ツアーに参加してみるのはどうだろうか。当時の日系人がレールをしっかりと敷いてくれたからこそ、今や気楽に住めるここバンクーバー。カナダにおける人権問題や日系人のアイデンティティなどと向き合う絶好の機会となるだろう。
また、バンクーバー日本語学校の5階にある畳部屋では、日曜日の1:00-2:00, 2:00-3:00, 3:00-4:00, 4:00-5:00に裏千家の茶道を堪能することが出来るのでお見逃しなく。
<ZERO WASTE CHALLENGE PROJECT>
今年で4年目を迎える「ZERO WASTE CHALLENGE PROJECT」。お祭りで売られる全ての食べ物がコンポスト。また、使用するお皿やカップはリサイクルが可能なもの以外は使用禁止という徹底さ。ぜひ、皆でエコフレンドリーを心がけ、会場内のゴミを出来るだけ減らし、以下の5項目を守りながらお祭りを楽しみたい。
1、パウエル祭で食したフードは全てコンポスト。2、使用したボトルや缶は全てリサイクル。3、パウエル祭で売られていないフードをコンポスト・ビンに入れるのは避けよう。4、自分のウォーターボトルを持参すること。もしくは、期間限定のパウエル祭PSFボトル(15ドル)を購入することも可能。公園内には「ピュアー&フレッシュ・タップウォーター・ステーション」の設置あり。5、自転車に乗るか、歩くか、公共の機関を利用してパウエル祭に出向こう。
<環境に優しいお祭りに!>
去年から新しく始まった大好評の“自転車のバレーサービス”を無料提供することで、環境に優しいお祭りを心がけるパウエル祭。自転車をとめる場所を探す手間が省け、路上駐車で誰かに自転車を盗まれる心配もなく、さらに環境に優しいと、三拍子が揃うツワモノな自転車のバレーサービス。公園内に設置されたサービス所まで自転車を持って行き、係員から半券をもらい、帰る際に半券を渡して自転車を受け取るという至ってシンプルなシステム。車とはオサラバし、今年は自転車でコギコゴしながら会場に向かってみよう。
バスで行く場合は、#4 (Powell / UBC)か #7 (Nanaimo Station / Dunbar)に乗ればオッペンハイマー公園までたどり着ける。車の場合は、公園周辺にストリート駐車するスペースが沢山あるが、ブレークインなどの被害を避けるために、車内には目に付くものを置かないことが鉄則。また、コードヴァ通りには車椅子の方をドロップオフするために予約されたスポットが1箇所、そして、車椅子の方が駐車できるスポットが2箇所用意されている。詳細は(604) 739-9388まで。
<日差しの強いバンクーバーに負けるな!>
熱中症で亡くなる方が出るほど暑い日本の夏に比べれば、ついつい湿気がなくカラっとしたバンクーバーの夏には油断しがちなのが正直なところ。炎天下の中、シニアの方にはテントが設置されたり、公園にある大きな木々の下で涼むことも可能だが、出店の行列に並んだり、パフォーマンスを見ている間は直射日光を避けることは至難の業。傘を日傘代わりに持参する手もあるが、とりあえず、簡単なサンハットで頭だけは守りたい。そして、日焼け止めクリーム、サングラス、脱水症状を避けるために水の持参はマストアイテム。日差し対策を万全にし、祭り日和に負けることなくパウエル祭を満喫したい。
<インフォ>
時:7月30日(土)・31日(日)
場所:オッペンハイマー公園 (400 Block Powell Street and Cordova Street)
時間:11:30 am – 7:00 pm
ウェブサイト:www.powellstreetfestival.com
電話:604-739-9388
他の催し・イベント会場: Firehall Arts Centre (280 E. Cordova), Vancouver Japanese Language School & Hall (475 Alexander), Chapel Arts (304 Dunlevy), Japanese Canadian National Museum (6688 Southoaks, Burnaby), Blim (115 East Pender)
*プログラムの日時が変更する可能性があるので、会場に足を運ぶ前に、必ずパウエル祭のウェブサイトで最終決定したプログラム内容の確認をすることをお忘れなく!
(取材 門利容子 写真協力 パウエル祭協会)