バンクーバーでのライブは、ヒットソングを中心に構成
1988年のデビュー以降、数多くの作品を発表し続けて来たB'z。今年6月には、新曲の「Don’t Wanna Lie」が、オリコン週間シングルランキングで、初登場首位を獲得した。シングル首位は、1990年6月発売の「太陽のKomachi Angel」から、なんと45作連続。B'zのシングルの「通算首位獲得作品数」と「連続首位獲得作品数」を更新した。
B'zの作品は、ドラマやアニメの主題歌などに起用されることも多く、子どもを含む幅広い世代に人気がある。「Don’t Wanna Lie」も、アニメ「名探偵コナン」の劇場版「名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)」の主題歌とテレビ版のオープニングテーマに起用されている。
バンクーバーでのライブの曲目は当日まで明かされないが、「ヒットソングを中心に構成する予定です。新曲もやるかもしれません」と松本さん。ヴォーカルの稲葉浩志さんも、「ライブで盛り上がる曲をやりたいと思います」と意気込みを語った。二人とも、久々の北米でのライブを心待ちにしているようだ。
松本孝弘さんのグラミー賞受賞について
B'zといえば、2011年には、ギターの松本孝弘さんが、ラリー・カールトン氏との共作アルバム「TAKE YOUR PICK」で、第53回グラミー賞「最優秀ポップ・インストゥルメンタル・アルバム」を受賞し、非常に大きなニュースとなったことが記憶に新しい。この受賞で、これまで以上にB'zが日本を代表するアーティストとして認識されるようになった。
松本さんは、「受賞直後はあまり実感が湧きませんでしたが、今は大きな目標を達成する事が出来たという充実感があり、そして感謝しています」と喜びを語る。
B'zのドラマー、シェーン・ガラスさんはカナダ人
B'zのドラマーを2001年から務めるシェーン・ガラスさん(6月23日の紙面にインタビュー記事掲載)は、カナダのアルバータ州出身。小さな町の出身ながら、10歳の頃から練習に打ち込み、いまやレベルの高いドラムテクニックで世界的に有名なドラマーだ。前回のインタビューの中では、松本さんと稲葉さんの音楽に対するひたむきな姿勢をたたえていた。
シェーン・ガラスさんについて松本さんは、「ドラマーとしては勿論ですが、友人としても最高にクールな奴です」と話す。稲葉さんも、「もう10年一緒にプレイしていますが、彼なしではB'zの曲は演奏できません。素晴らしい仲間です」と絶賛。B'zの作品の演奏を、カナダ人アーティストがサポートしていることが、カナダのB'zファンとして嬉しい。
音楽の力について
B'zは、募金によって参加アーティストの未発表曲がダウンロード出来る救済プロジェクト「ダウンロード・トゥ・ドネート・フォー・ジャパン(日本に寄付する為にダウンロードしよう)」に参加するなど、東日本大震災の被災者に対する支援も積極的に行っている。音楽には人の心を癒す効果があり、多くのアーティストが歌を通して被災者を応援しているが、B'zのメンバーにとって、音楽とはどのような存在なのだろうか。
「音楽なくして自身の人生は考えられませんね。人々にとっても、音楽のもたらす力は僕が予想するよりもかなり大きいかも知れませんね」と松本さんは語る。稲葉さんは、「音楽は、僕にとって人生の活力です。音楽は、人それぞれの人生を豊かにする可能性を持っていると思います。」
すでに20年以上にわたって、音楽を創り、演奏することに全力を尽くしてきた二人だからこそ、彼らの音楽は人の心を動かし、癒すことができるのだろう。
B'zの今後の目標
オリコン首位獲得作品数など、日本の音楽史上に残るさまざまな記録を作りながらも、記録だけを追求しすぎることはないというB'z。ライブを通して、ファンと時間を共有することを大切にしている。稲葉さんは、B'zの今後の目標として、「B'zというグループをもっと知ってもらうために出来る事をやります」と語った。
バンクーバーについて
B'zは、2003年にもバンクーバーでライブを行っている。そして2010年には、バンクーバー冬季五輪をテレビで観戦。松本さんと稲葉さんが一番注目した競技は、フィギュアスケートだそうだ。「真央ちゃん、高橋君、素晴らしかった!ライバルながらキム・ヨナの演技は圧巻でした」と松本さん。世界を舞台に活躍する日本人同士、そしてアジア人同士だからこそ、応援したい気持ちもひとしおだ。バンクーバー五輪フィギュアスケート競技の会場となったパシフィック・コロシアムから、車で15分ほどのヴォーグ・シアターで、今度はB'zが熱いライブを繰り広げる。
カナダのファンへのメッセージ
多忙なスケジュールをこなすB'z。7月の北米ツアー終了後は、最新アルバム「C’mon」をリリースし、9月から12月にかけて、全国ツアー「B'z LIVE- GYM 2011 –C’mon-」を敢行する。北海道から福岡まで、全国各地でライブを行う予定だ。
カナダのファンへのメッセージとして、松本さんからは「皆さんに会えるのをとても楽しみにしています」、稲葉さんからは、「ステージではすべてを出し切るので、思い切り楽しんで下さい」との言葉が寄せられた。
(取材 船山祐衣)