ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で、カナダ建国記念日の7月1日、第8回カナダデーパレードが開催された。ことしは多国籍の43グループ、約2100人が参加し、ジョージアストリートとブラウトンストリートの交差点からバラードストリートとウェストペンダーストリートの交差点までの約1.6キロを行進しながら踊りや音楽を披露し、20万人を超える観衆(主催者発表による)から盛んに声援を受けていた。
パレードを終えて参加者全員で記念撮影
午後5時を過ぎると、スタート地点には各グループの参加者が集まり始めた。タイや中国のアジア勢、アフガニスタン、イランの中東、ブラジルやコスタリカなど複数の国のグループで作ったラテンアメリカチームなど、各国の伝統衣装に身を包んだ人たちが踊りや音楽の練習を始め、祭り気分が盛り上がりを見せ始める。映画のスターウォーズに出てくるキャラクターに扮したコスチュームグループなども登場し、人目を引いていた。
「バンクーバー音頭」は、カナダで日本文化を表現しようと創作されたオリジナル音頭で、ことしは5回目の参加となる。約150人が浴衣や法被姿に着替え、パレードの開始前に他グループの参加者などと一緒に、カメラや携帯電話で記念写真を撮っていた。
スタート前には岡井朝子在バンクーバー日本国総領事も応援に駆けつけ「大いに盛り上がって楽しんでください」とあいさつし、やぐらが組まれたピックアップトラック(キングジョージ・ニッサン提供)に乗り込んだ。
パレードは午後7時過ぎに始まり、「バンクーバー音頭」も23番目にスタート。道いっぱいに列を作り、「ハイハイ、ソレソレ」のかけ声に合わせて手を振りながら笑顔で踊り、25分間かけて終了地点にたどり着いた。
パレードに参加した藤田真里亜さん(22)と高橋聖奈さん(21)は、大学留学のためバンクーバーに2カ月前に来たばかり。「ダンスが大好きなので、ぜひ参加したいと思いました。日本のパレードに比べて大勢の人が集まっていることと、沿道の歓声がすごくてびっくりしました。ここでしかできないことなので貴重な体験でした」と藤田さん。
「大勢の人たちの前に、出演する側で参加できたのは一生の思い出です」と高橋さんも感激した様子だった。
顔全体にカナダ国旗をフェイスペイントした角谷侑亮さん(21)は「日本から3月末に来たばかりですが、パレードが思った以上に盛大だったので驚きました。僕のメイクは目立つ方だと思っていましたが、すごい人がたくさんいたので、もっと派手にすればよかったです」と苦笑いしていた。
日本でストリートダンスの経験もある宮木敦司さん(22)は「日本の踊りは独特でむずかしいと思いましたが、今までやったことがない踊り方ができてよかったです」。
松元宏人さん(22)は「初めて参加しました。列が沿道側だったので、写真を撮っている人たちに笑顔を振りまくことができました」と余裕を持って楽しめたという。
毎年パレードの参加をプロデュースして、踊りの演出をしている平野弥生さん(Yayoi Theatre Movement代表)は、始まる前に「大きな声を出して踊ることに力を入れました」と全員が一体になって踊ることを強調していた。パレードが終わってからは「ことしは行進のスピードが速く、列が遅れないようにコントロールするのが大変でした。でも全体的にはうまくいったと思います」と満足そうな表情を浮かべていた。来年については「他の団体とコラボレーションして、あと50人ほど参加者を増やし、カナダ建国150年を祝いたいです。より多くの家族連れや、自分で浴衣を持っている方の参加を希望します」と抱負を語った。
(取材 古川 透)
踊りながら行進する「バンクーバー音頭」
目を引く浴衣姿の参加者
かけ声をかけながら踊る参加者
トラックから身を乗り出して手を振る、岡井朝子在バンクーバー日本国総領事
パレードの開始直前には、ラテンアメリカや中国など各国のチームが集まり盛り上がりを見せる
踊る平野弥生さん
伝統の踊りを披露するアフガニスタンのチーム
タイのチームは地元の乗り物で参加
伝統衣装に身を包み記念撮影するイランのチーム
スターウォーズのコスチュームチームも参加した
美しい衣装を披露するエルサルバドルのチーム
顔いっぱいにカナダ国旗をフェイスペイントする参加者
ひょっとこのお面をかぶる参加者
沿道では大勢の観衆がパレードを見物した
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