毎年、6月後半からカナダデーの7月1日ごろにかけて開催される、TDバンクーバー・インターナショナル・ジャズ・フェスティバル。バンクーバーの夏の訪れを告げるイベントで、ことしは6月24日から7月3日まで。バンクーバー市内各地の屋内および屋外会場で、カナダ国内および海外からのアーティストの演奏が繰り広げられ、ジャズが街中にあふれる10日間だ。
おススメコンサート
上原ひろみ(Hiromi: The Trio Project)
6月24日(金) 20:00
$71〜
Vogue Theatre (918 Granville St, Vancouver)
日本が世界に誇るジャズピアニスト上原ひろみが、バンクーバージャズフェスティバルに戻ってくる。弱冠17歳でチック・コリアと共演しているほか、ボストンにある名門のバークリー音楽院のジャズ作曲科を主席で卒業、2015年には日本人アーティストでは唯一となる、ニューヨーク・ブルーノートでの11年連続公演を成功させるなど、華々しい経歴の持ち主だ。しかし、上原ひろみの魅力のひとつは、とにかく楽しそうな演奏。こちらまでハッピーな気分になる。
ことし4月1日に全米でリリースされたアルバム『Spark』は、全米ビルボード・ジャズ・チャート(4月23日週付け)で初登場で1位を獲得した。
ジョー・ジャクソン(Joe Jackson)
6月24日(金) 20:00
$52〜
Queen Elizabeth Theatre (650 Hamilton St, Vancouver)
英国生まれのミュージシャン、ジョー・ジャクソン。ロンドンの王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music)でクラシックの作曲を学んだという経歴の持ち主。代表曲のひとつは、アルバム『ナイト・アンド・デイ」(Night and Day)』に収録されたポップな『夜の街へ(Steppin' Out)』。一方、ジャズ、スウィング、ロック、レゲエ、ラテンなど、幅広い音楽性で知られる奇才だ。
SOIL & "PIMP" SESSIONS (ソイル・アンド・ピンプ・セッションズ)
6月25日(土) 21:00
$35
Performance Works (Granville Island)
東京のクラブイベントで知り合ったメンバーで結成した、6人組のジャズバンド。彼らは自分たちの音楽を「デス・ジャズ(death jazz)」と呼ぶそうだが、とにかくエネルギーたっぷりで、かつスタイリッシュな演奏が魅力。
2013年には椎名林檎×SOIL&"PIMP"SESSIONS名義で『殺し屋危機一髪』をリリース。オリコンで最高14位を達成している。
サラ・マクラクラン(Sarah McLachlan)
6月27日(月) 20:00
$79〜
Queen Elizabeth Theatre
『Ordinary Miracle』、『I will remember you』映画『シティ・オブ・エンジェル』の挿入歌「エンジェル」…。多数のヒット曲を持つ、ハリファックス生まれのシンガーソングライター、サラ・マクラクラン。1997年発表の『サーフェシング(Surfacing)』の大ヒットで、最優秀女性ヴォーカルパフォーマンス部門をはじめ、グラミー賞の3部門を受賞している。また、カナダ勲章やブリティッシュ・コロンビア勲章も受章、バンクーバー五輪の開会式にも登場したカナダの国民的シンガー。
ケース/ラング/ヴァイアーズ (Case/Lang/Veirs with Special Guest Andy Shauf)
6月29日(水) 20:00
$79〜
Queen Elizabeth Theatre
バンクーバー五輪の開会式で歌った『ハレルヤ』が印象的だった、k.d.ラング、そしてコンテンポラリーフォークのニーコ・ケース、ローラ・ヴェイアズ。ジャンルの異なる名シンガー3人が集結。きっかけはk.d.ラングからのe-mail。それ以前はお互いほとんど知らなかったとか。3人のアーティストによるアルバムは6月17日に発売予定。
ローリン・ヒル(Ms Lauryn Hill)
6月26日(日) 20:00
$79〜
Queen Elizabeth Theatre
ニュージャージー州生まれのシンガー/ラッパー/女優。ハイスクール時代に、ハイチ系移民の少年らとラップユニットを結成して、すでにアポロシアターのアマチュアコンテストに出場していた。1993年にはウーピー・ゴールドバーグ主演の映画『天使にラブ・ソングを2』に出演。一躍有名になる。1998年発表の『The Miseducation of Lauryn Hill』の大ヒットで、99年には最優秀アルバム、最優秀新人賞など5部門でグラミー賞を受賞。また、デビューソロシングルのDoo-Wop (That Thing)は、ビルボード全米1位を獲得している。
テデスキ・トラックス・バンド(Tedeschi Trucks Band)
6月28日(火) 20:00
$69〜
Queen Elizabeth Theatre
R&Bシンガー/ギタリストのスーザン・テデスキと、『Rolling stone』誌でTop 100 Guitarists of All Timeで堂々16位に入ったデレク・トラックス。この夫婦を中心とした、総勢12名のテデスキ・トラックス・バンド。大所帯が創り出す厚みのある音楽が魅力だ。初アルバム『預言者(Revelator)』で2012年ベストブルースアルバム部門でグラミー賞を受賞している。スライドギターの天才ともいわれる、超絶ギターのデレク・トラックスは、元エリック・クラプトンのツアーメンバーでもある。
グレゴリー・ポーター (Gregory Porter with Bruno Hebert Trio)
7月2日(土) 20:00
$69〜
Vogue Theatre
カリフォルニア出身のジャズシンガー/ソングライターのグレゴリー・ポーター。ソウルフルなバリトンボイスで人気。圧倒的でかつ温かみのある歌唱力で定評がある。2014年にアルバム『Liquid Spirit』でグラミー賞(ベスト・ジャズ・ボーカル)を受賞している。
有料コンサートの主な会場はこちら。
The Ironworks 235 Alexander St
Roundhouse 181 Roundhouse Mews
Capilano University 2055 Purcell Way, North Vancouver
Ouisi Bistro 3014 Granville St
Rosewood Hotel Georgia 1927 Lounge 801 West Georgia St
Blue Martini Jazz Cafe 1516 Yew St
Libra Room 1608 Commercial Drive
Tangent Cafe 2095 Commercial Drive
Frankie's Jazz Club 765 Beatty St
無料コンサート
無料コンサートの主な会場は以下の通り。
Robson Street Stage(6/25、26): Downtown (Hornby Street & Robson St, Vancouver、ダウンタウンのアートギャラリー横)
Georgia Street Stage(6/25、26) : Downtown (W Georgia St & Hornby St, Vancouver)
Public Market Stage(7/2、3) : Granville Island
Performance Works(6/24〜7/3) : Granville Island (1218 Cartwright St, Vancouver)
Railspur District Stage(7/1) : Granville Island (1363 Railspur Alley, Vancouver)
Ron Basford Park Stage(7/1) : Granville Island (1689 Johnston St, Vancouver)
David Lam Park Stage(7/2、3) :(1300 Pacific Blvd Vancouver)
St Andrew's- Wesley United Church(6/24〜7/3) :(1022 Nelson St, Vancouver)
Tom Lee Music(6/27〜30) :(929 Granville St, Vancouver)
6月25日、26日にアートギャラリー(ロブソンストリートステージ、ジョージアストリートステージ)、7月1日にグランビルアイランド、7月2日、3日にデビッドラムパークに行くと、一日中ジャズを楽しむことができる。
ノースショアジャズ
ノースショアでも多数の有料、無料のコンサートが開かれる。会場はCivic Plaza、メモリアルライブラリ、Lynn Valley Village以外に、West Vanvoucer Memorial Library、Presentation House Theatre、キャピラノ大学など。
そのほか詳しい情報はウェブサイトwww.coastaljazz.ca
あるいは図書館などにあるパンフレットで。
(取材 西川 桂子 / 写真・情報提供 Coastal Jazz/TD Vancouver International Jazz Festival)
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