「日系祭り」
2014

 

今年で第二回となる日系プレースの「日系祭り:日系の心」が8月30、31日の2日間にわたり開催された。会場となったバーナビー市の日系センターでは、300人以上のボランティアやスタッフが、家族で楽しめる本格的な日本祭りを演出した。今年は昨年の8000人を上回る1万1千人以上の来場者でにぎわい予想以上の大盛況となった。

 

開会式の鏡割り。皆で乾杯!  

 

大きなかけ声が響く神輿 

 

「はっぴ」を着て「ハッピー」なオープニング

 初日の朝は晴天に恵まれ、笛や太鼓の音が聞こえる場内に来場者が続々と集まった。楽一による獅子舞のオープニングに続いて、ファースト・ネーションのスコーミッシュ族代表のエリック・ウィリアムさんが登場。会場がファースト・ネーションの土地であったことをふまえ、観客にスコーミッシュ語を教え、祭りの成功を願ったウェルカムソングを披露してくれた。

  

ビアガーデンでくつろぐ人達  

 

両日とも来場者でにぎわった会場  

 

 オープニングでは、日系センター事務局長のロジャー・レミレーさんと、日系センター理事で実行委員長の五明明子さんが、各スポンサーや300人以上のボランティアに感謝し、子どもからシニアまで楽しさ満載のイベントや美味しい食べ物を通して、2日間日本人と日系カナダ人文化を十分楽しんでほしい、と挨拶した。

 在バンクーバー日本国総領事岡田誠司氏は主催者に感謝するとともに、昨年の祭りの成功をふりかえり、「日本の各地で見られるお祭りをこのバーナビーで実現できるのは素晴らしい。今日はみなさんと一緒に楽しみたい」と語った。続いてバーナビー市のデレク・コリガン市長が「おはようございます」、ボランティアに「ありがとう」と日本語で挨拶し、「日系のヘリテージを祝うこの祭りはバーナビー市の特別イベントでもある」と話した。その言葉を裏付けるように当日はバーナビー市議会のフェスティバル委員長など政府関係者も多数来場していた。

 最後に、お祭りのメインスポンサー、G&F Financial Groupのジェシー・ナカツルさんが、自身の祖父の思い出のある日系センターでの祭りをスポンサーできる喜びを語った。オープニングの最後はスピーチをした5名の方々による鏡割りが行われ、お祭り気分をいっそう盛り上げた。

 

綿あめはいつも大人気 

 

プロが共演した豪華イベント

 ブラジル系のラテン音楽やジャズのギタリストで、バンクーバー・ジャズフェスティバルなどにも出演している、中島有二郎さん。新進若手ミュージシャンのチカ・バストンさんとボサノバ共演を披露した。ビートルズのカバーなど、中島さんの柔らかなギターの音色とバストンさんのさわやかな歌声に観客は熱心に聴き入っていた。

 そして日本からメインゲストの津軽三味線演奏者、山口ひろしさんが登場した。津軽三味線はサイズが大きく、弦をたたくように演奏するのが特徴だそうだ。4歳から三味線を始め、若い時から全国大会で優勝している山口さん。三味線の代表的な「津軽よされ節」、一番難しいと言われる「津軽三下り(さんさがり)」など、見事な演奏に観客は酔いしれた。ソロ以外にも、中島さんのギターとのデュオや、特別ゲストの岡田総領事によるシンセサイザー・サックスが加わったトリオ演奏にも大きな拍手がわいた。

 2日目には、山口さんの三味線にアルセビン・リュウゼン・ラモスさん(尺八、歌)、エイエン・ハンター・イシカワさん(打楽器、太鼓)、松元香壽恵さん(琴)が加わり、華麗なコラボを演出した。他にも子ども神輿、大人神輿、トーク、沖縄太鼓、盆踊り、日本舞踊、書道、歌、フラメンコ、フラダンスなどステージでは両日ともに見所が多く充実した内容であった。

  

迫力満点の山椒太鼓 

 

津軽三味線の山口ひろしさん 

 

尺八、三味線、太鼓、琴のコラボレーション 

 

タレントショーで優勝した ヒップホップダンスのACさん 

 

タレントショー準優勝は日本からやってきた ダブルダッチのメンバー 

 

すべての人をウェルカム

 会場の2階には日系人の歴史を物語るパネルが飾られていた。ほかにも、ハロー・キティの砂絵、折り紙、酒テイスティング&セミナーなどが行われていた。また、彩月会による着ものの着付け体験もあり連日人がひっきりなしに訪れていた。ロビーには、子ども向けのゲームやお菓子、景品がそろっていた。

 イベント・ホールと屋外の日系ガーデンではさまざまなフード屋台と、特設のビアガーデンがあり、来場者をよりいっそう喜ばせた。どのブースも連日人でいっぱいで、ランチタイムには長い行列が外まで続いていた。移民の多いバーナビー市らしく日本語や英語以外の言葉を話す来場者も多かった。

 2日目の後半は日本往復航空券など豪華賞品が当たるラッフルチケットの当選者発表と、タレントショー「Nikkei's Got Talent」の優勝者の発表があった。総勢55組の参加者からオーデションで20組が選ばれ、祭り2日目には最終10組の決勝となった。

 キッズ部門賞は木田萌さん(歌)、特別賞は河野大和さん(歌とギター)、準優勝は日本から来加したダブル・ロープス・キャラバン(ダブル・ダッチ)。そして、3歳から始めたという見事なヒップホップダンスのAC Bonifacioさんが優勝を飾った。クロージングではロジャー・レミレーさんと五明明子さんがお祭りを支えてくれたボランティア、スポンサー、来場者に感謝の言葉を述べ、「来年もまたお越し下さい」と締めくくった。

 日本のお祭りを、カナダにいる日系人も含めた全ての人たちに知ってもらおうと始まった日系祭り。第2回目は連日9時を過ぎても人波が減らないほどの大成功で幕を閉じた。

 

着物の日本女性が迎える酒テイスティング 

 

懐かしいヨーヨー釣り  

 

 

(取材 ジェナ・パーク)


 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。