アニメ・レボリューション盛大に開催!
8月22日から24日の3日間、ダウンタウンのコンベンションセンターで大規模なアニメの祭典『アニメ・レボリューション』が開催され、会場付近は北米各地から集まったアニメファンとコスプレ見物客で、カラフルに盛り上がった。今年は特別ゲストに声優の井上麻里奈さん、緒方恵美さんらが招へいされ、公開インタビューにはたくさんのファンが詰めかけた。
ゲーム『ファイナル・ファンタジー7』よりティファとクラウド
(左から)ゲーム『東方Project』のモミジでコスプレしたアロンさん、ロリータ・ファッションのモニークさん、ゲーム『キングダムハーツ』のアクアはダニエルさん。みんな20才!
日本文化への架け橋
コスプレ姿のアニメファンで満席のオープニング式典に出席した在バンクーバー日本国総領事館の内田晃首席領事は、「今年は在バンクーバー日本国総領事館の開館125周年にあたり、この記念すべき年にアニメ・レボリューションに出席できて光栄です。これからもアニメが日本の最新文化や生活様式を紹介する架け橋となりますよう、このイベントの成功をお祈りします」と祝辞を述べた。また「私の名前Akiraは、ハンサムでプレイボーイなタイプとしてよくマンガに登場します」と付け加えると客席から大きな拍手と歓声が沸き起こった。 このあと『ときめき!!メイドカフェ』の踊り、観客も一緒に映画『アナと雪の女王』の挿入歌『レット・イット・ゴー』を大合唱。場内は熱い熱気に包まれた。
日本のロリータ・ブランド『Angelic Pretty』のファッションショー
オープニング式典で踊った『ときめき!!メイドカフェ』のメンバー
踊りのあとはウエイトレスとして食事を出したりパフォーマンスしたり大忙し
制作陣も参加
今年は主催者側とパートナーシップを結んだ日本のアニメ制作会社I.G.(アイジー)プロダクション、またバンクーバーにオフィスを置くバンダイナムコ社など制作関係者の参加もあった。 日本からは声優の井上麻里奈さん、緒方恵美さんが参加。コスプレ姿の参加者たちはサイン会や公開インタビュー、『攻殻(こうかく)機動隊』(Ghost in the Shell)の25周年特別展示や日本のロリータ・ブランド『Angelic Pretty』のファッションショー、アニメグッズの販売、コスプレ・コンテスト、パフォーマンスなど、さまざまな企画を楽しんだ。
少年役がやりたくて声優に井上麻里奈さん
『図書館戦争』(笠原郁)、『みなみけ』(南夏奈)『スマイルプリキュア!』(緑川なお・キュアマーチ)『進撃の巨人』(アルミン・アルレルト)など、声優やナレーターとして人気の井上麻里奈さん。 女子高時代、演劇ではいつも男の子役だったのに、共学の大学では女の子役しかまわってこなくなっため、少年役がやりたくて声優になった。「声優の仕事は、自分にないところをどう演じるかがむずかしいけれど、理想のキャラクター像を作ってそれになりたいと思って演じています。私は個性的なキャラクター役が多いので、『普通』を演じるのがむずかしいこともあります」。 アフレコ(画像を見ながら音声を吹き込む)の日は朝10時から3時までに一話分の収録があり、お昼はそのあと。午後4時から夜10時ごろまで次の収録がある。「スタジオはたいてい地下や窓のない部屋が多いので、おひさまに当たらない日も多いですよ(笑)」。 イラストが上手なことでも有名な麻里奈さん。描きたいと思うときはノートブック1冊を3日で埋めることも。「休憩時間に台本の余白に落書きしてます」。 公開インタビューでは人気キャラクターのセリフやナレーションをして、ファンのリクエストに応えてくれた。
役になりきってセリフを言ってファンに大サービス! 井上麻里奈さん
セーラーウラヌスや遊戯王の声 緒方恵美(めぐみ)さん
『美少女戦士セーラームーン』(天王はるか・セーラーウラヌス)、『新世紀エヴァンゲリオン』(碇シンジ)、『遊戯王』(武藤遊戯)ほか数々のアニメに声優として出演し、ナレーション、歌手、作詞など幅広く活躍する緒方恵美さんは、ボーイッシュな美少年、中性的な役を演じることが多い。 「日本のアニメはそれまで舞台芝居のように声を張って出すものでした。それがエヴァンゲリオンでは、テレビドラマみたいに相手に向って会話するという初めてのキャラクターとなりました。シンジ役はナチュラルな男の子で、今までになかった主人公でしたね」。 「天王はるか役は人のことを気にしないで向っていく、つきあいにくいタイプ。それでいてシャイなところもある。私自身に近いですね」。 2010年のファン・エキスポでトロントに来たことがあり、カナダは今回が2度め。バンクーバーの印象をたずねると「高いビルが揃っているので、スパイダーマンが動きやすそうですね(笑)」と業界人らしい応えが返ってきた。
「バンクーバーは高いビルが揃っているので、スパイダーマンが動きやすそうですね(笑)」と緒方恵美さん(撮影 ルイーズ阿久沢)
アニメレボリューションの3日パスは前売りでVIPパスが200ドル、一般75ドル(12歳以下35ドル)、1日券は50〜60ドル。主催者側によると、今年は昨年の7千人を越える入場者があったとのこと。
マンガ『けいおん』のキャラクターになって、手作りのキーチェーンや小物を販売したレイチェルさん
コスプレしたキャラクターで質問しあうデーティング・ゲーム。オタクだからこそわかるつっこんだ質問と応えで盛り上がった
(取材 ルイーズ阿久沢、撮影 Corey Mah)