懐かしい日本のお祭りを再現

8月31日のオープニングセレモニーには、岡田誠司在バンクーバー日本国総領事・寧子夫妻が出席した。岡田総領事は挨拶の中で「会場に入って日本以上にお祭りの雰囲気が出ていて驚きました。このような素晴らしいお祭りを実現させた実行委員会の方々、150名ものボランティアの方々の大変な努力に感謝いたします」と述べた。続く鏡割りの儀式では岡田総領事、寧子夫人、日系祭り実行委員のロイ坂田氏(日系プレース理事)及び大河内南穂子氏(コスモス・ボランティアグループ代表)が、会場の人々の「よい、よい、よいしょ!」との掛け声に合わせて威勢よくおこなわれた。

 

 

日系センターの入り口ホールには子供向けのゲームが並ぶキッズ・ゾーンが設置された。それぞれのゲームで遊ぶとスタンプが貰え、その数に応じて景品が貰えるというシステム。子供たちに、どのゲームが楽しかったか聞いてみると「輪投げが楽しかった。(ボトル入り炭酸飲料を)5本も貰った!」(マリコさん・12歳)、「ビーンバッグトスが楽しかった。最高点を取りました」(絵真さん・10歳)などといった答えだった。
大ホールには提灯が吊るされ屋台が並び、まさに日本のお祭りといった風情。イズミヤ提供のお寿司、焼きそば、たこ焼きなどの屋台フードは大人気で初日は午前中で売り切れになってしまうものもあったとか。また、パシフィック・ウェスタン・ブルーイングによるビア・ガーデン、D Wayべバレージによる酒テイスティングのコーナーもあり、美味しいお酒をゆったりと楽しむ姿も見られた。

 

 

 

ステージでは太鼓、日本舞踊、獅子舞、神輿パレード、ギター演奏、サーカスなど様々なパフォーマンスが披露された。カナダ人落語家、桂三輝(サンシャイン)さんによる特別落語パフォーマンスは特に観客をひきつけた。観覧したミヤコさんは「英語に日本語を混ぜた落語は話の構成も面白くとても楽しかったです。日本人もカナダ人もみんな聞き入って笑っていましたね」と語ってくれた。

 

 

初めての開催で大成功の日系祭り

竹内祐紀名さん(弊誌「この人にフォーカス」で紹介)が、日系祭りのためにデザインしたキャラクターマスコットの名前を公募し、選ばれた名前が祭りの会場で発表された。ティーンエイジャーの女の子の名前は「まこ」、双子の男の子は「つばさ」、双子の女の子が「りん」、3人の名前の頭文字を合わせると「まつり」となる。この名前を考えたノリコ・ツチヤさんが優勝を獲得、祐紀名さんのサイン入り日系祭りオリジナルTシャツが贈られた。また、ビーバーの名前には、ハルキ・タケウチさんの「ニッキ」が、犬の名前にはアレキサンダー・ヨシタカ・イングさんの「もちぞう」が採用された。

 

2日目のハイライトはタレントショー「Nikkei's Got Talent!」の最終予選。予選を通過した20組が初日に芸を披露し、その内10組が最終予選に進んだ。ここまで勝ち抜いてきただけにどの競演者も実力派揃いで、5人の審査員を始め会場の観客の大歓声を浴びていた。審査員による審査に加えて、携帯電話やウェブサイトからも投票を受けつけて優勝者を決定。1位に輝いたのは、嶋田桃子&おかざきあきこさんによるパワフルなストリートダンスで、500ドルの賞金を手にした。2位は7歳とは思えない力強い歌声で「ルート66」を歌ったエリアス・タイソン・ヴェネガス君で、200ドルの賞金が贈られた。

 

日系祭りは日系プレース基金が主催、実行委員会のメンバーは6カ月前から毎週のようにミーティングをして精力的に企画を進めてきた。実行委員のまとめ役として活躍したジョシュ・カワードさんは「日系祭りは、日本からの移住者への感謝の気持ちを表したものです。自分が日本に滞在していた時、日本人の優しい心遣いにとても助けられました。ここカナダで日本の懐かしい祭りを楽しんでもらい、カナダ人には日本の心というものを感じて欲しいと思いました」と語った。祭りのフィナーレで実行委員長の大河内南穂子さんが「たくさんの方に来ていただき、おかげさまで目標の募金額に達することができました」と述べ、実行委員会のメンバーを紹介し満場の拍手で終了した。

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