☆★☆オタク文化、ばんざい!☆★☆

オープニング・セレモニーでは在バンクーバー日本国総領事館より内田晃首席領事が挨拶。アニメと日本文化を紹介するこのイベントの主催者に感謝の言葉を述べ、外務省でもアニメの人気を認識して国際マンガ・アワードなどを設定していると報告した。
さらに、「私の名前“アキラ”はマンガによく使われる名前で、ハンサムでプレイボーイな役柄が多いです」とスピーチし、場内を盛り上げた。
また、アキバ系アイドルを目指す双子姉妹サリー&アリー、貫禄のアニメ歌手オリガ、ときめき!!メイドカフェが歌って踊り、オタク族を惹き付けた。
場内ではコスチュームやフィギュアの販売、ゲームやコンサートが行われ、首からパスをかけ「オタクです」と書かれたバッグを受け取ったアニメファンがコスプレで歩いたり、写真を取り合ったりしてインドアな3日間を楽しんだ。

 

 

 

☆★☆古谷徹さん☆★☆
ハートからセリフを言えるようにたくさんの経験を

5歳のときから児童劇団に入りテレビドラマや映画に出演し、15歳のとき『巨人の星』の星飛雄馬役にオーディションで選ばれ大ブレークした古谷徹さん。  「アニメが世界に広がったのはこの10年くらいだと思います。世界中の人たちが自分が演じた作品を見てくれて、こうして海外でのイベントに呼んでいただき、本当に“やってて良かったなあ”と思います」とベテラン声優ならではの落ち着いたトーンで話してくれた。
「今のようにインターネットやゲームがなかった時代ですから、娯楽はテレビのアニメが主流でした。『巨人の星』なんか最高視聴率36パーセントですよ、今ではありえないことですね」
以前のアニメは友情と勇気と情熱がテーマで、正義の味方と悪い人というのがはっきりしていた。ところが今は凝り始めて難しくなってきている分、世界中にブレークするような作品というのが少なくなってきているとも感じているという。
ほかに変わったことは録音方法。昔は大きなスクリーンに映写して、台本と映像を見ながらセリフをしゃべるというスタイルだったが、今は20~30インチほどのモニターがマイクの前にあり、それを見ながらセリフを言う。「まわりが明るいので、ラブシーンなんか慣れるまでちょっと照れくさかったですね(笑)」
声優になりたい人へのアドバイス:「ハートからセリフを言えるように喜怒哀楽を表現するためには、たくさんのことを経験するといいですね。恋愛などは、うれしいときとか落ち込むときもあるじゃないですか。そういう経験を通して、息の長い声優になれるのでは?」

 

ふるや・とおる:横浜市出身。明治学院大学経済学部卒業。5歳のときから児童劇団に入りテレビドラマや映画に出演。10歳でアメリカのドラマの声の吹き替え、13歳でテレビアニメ『海賊王子』の主人公、15歳で『巨人の星』の星飛雄馬役にオーディションで選ばれ大ブレーク。『機動戦士ガンダム』(アムロ・レイ)、『ドラゴンボール』(ヤムチャ)、『美少女戦士セーラームーン』(タキシード仮面)など代表作多数。

 

 

 

☆★☆山口勝平さん☆★☆
子どものころ好きだったのは『ど根性ガエル』や『いなかっぺ大将』

海外でのアニメ・エキスポは年に1度程度。これまでアメリカ、ハワイ、台湾、中国へ行き、今回が初めてのバンクーバーという山口勝平さん。
「みなさんかっこよくて、コスプレが進化してるなって感じますね。アニメが好きっていうのが伝わってきて、テンションがあがります」
サイン会では初期の作品でテレビアニメ『キャッ党忍伝てやんでえ』(英題『サムライ・ピザ・キャッツ』)の本を持ってきたファンがいて感激した。
「僕とか大先輩の古谷徹さんの頃は、役者を目指している方が声優になるパターンが多かったわけですが、今はグラビアとかCDなど声優のパフォーマンスする場が広がっているので、新しい人たちはマルチな活動ができますね」
世界に日本のアニメが広がり、技術や映像が大進歩。「でも下町風とか、なんでもない日常みたいな作品が創りにくくなって淋しい気もします。子どもの頃は『ど根性ガエル』とか『いなかっぺ大将』とかが好きでした。『世界名作劇場』などは、売り上げに関係なく残してほしいなと思います。だから子ども番組に参加できるとほっとします」という山口さんは「豊臣秀吉と孫悟空が好きなので、そういう芝居もやりたいなと思ってます!」と元気な笑顔でポーズを取ってくれた。

 

やまぐち・かっぺい:福岡県出身。19歳のときに上京。舞台俳優として活動する一方で、23歳から声優として活動。テレビアニメ『らんま1/2』の早乙女乱馬役で初主演。『犬夜叉』『名探偵コナン』の工藤新一役、『ONEPIECE』のウソップ役など、数多くの話題作品に出演。東京国際アニメフェア2003で個人の声優賞を受賞。

 

 

 

(取材 ルイーズ阿久沢 、 撮影 Corey Mah)

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。