2018年8月23日 第34号
旅人・ハンドパン奏者の潔さん
きよし。福岡県出身。上京し大学進学、その後就職。2011年の東日本大震災の被災地を見たことにより人生観に変化が起こり、辞職する。世界へ旅に出ることを決意し、ワーキングホリデーでオーストラリア、ニュージーランドへ。そして、2018年1月に3つ目の英語圏の国であるカナダにやってきた。
海を見下ろす暮れなずむノース・バンクーバーの広場に流れる温かみのある音色。ハンドパンと呼ばれるメロディーを奏でる打楽器を叩いている男性は、世界を旅してバンクーバーに行き着いた潔さん。世界放浪をしながらの彼の音楽活動についてインタビューしてみた。
潔さんの音楽活動の経歴は?
音楽は大学入学時にドラムを始め、大学祭や校外のバンドで演奏していました。徐々にギターやジャンベ(アフリカの打楽器)、ディジュリドゥ(オーストラリアの民族楽器)などを手当たり次第演奏してみたのですが、そんな中ハンドパンを知り、2017年4月にスペインのバルセロナにて購入しました。ハンドパンの路上演奏の旅をしていると、投げ銭でかなりの額を得たこともありました。民族楽器を演奏する人とコラボをするのも楽しかったです。このヨーロッパの旅の最終地はロンドンでした。そして、20カ国以上の旅を終え2018年1月にバンクーバーへやってきました。
現在はどんな生活ですか?
今は週の半分はカフェでバリスタの仕事をしており、もう半分は音楽活動にあてています。ハンドパンという珍しい楽器をより多くの方に聞いてもらいたくて、路上演奏したり、様々なイベントで演奏したりしています。自分で作曲した曲のレパートリーも増えてきました。新たな可能性を求めて、いろいろな方と一緒に演奏したりしています。将来的には仕事と音楽の二足のわらじで生活を成り立たせたいので、仕事は週の半分しかしていません。残りの時間はミュージシャンとして生活費を賄えるくらいの活動をしています。
趣味は?
趣味はトレッキングです。ニュージーランドでトレッキングにはまり、ニュージーランド出国後、ネパールへ飛びました。エベレストベースキャンプやトロンパスなど、約2カ月半ほどトレッキングに行っては市内で休むという生活をしていました。ヒマラヤの山々は息を飲むほど美しく、また全トレッキングの最後に入った温泉は、思わず一人で笑ってしまうほど気持ち良かったという印象が残っています。現在は、ハンドパンの音色は自然と合うということもあり、よくトレッキングに持っていっては、しんとした森の中や広大な景色の見える頂上で演奏して楽しんでいます。
バンクーバーでの音楽活動は?
これまで音コラボとしてお琴、ソプラノギター、尺八などと一緒に演奏しました。今年8月に開催されたパウエル祭で、詩人の宙くんとコラボした経験は興味深かったです。これからバンクーバーでは、プライベートなイベント等に参加できたらうれしいです。また、長期で滞在できるのであれば、場所を問わずいろいろなフェスティバルに出演して演奏したいです。
これからの演奏家としての抱負は?
自分は飽き性なので、僕自身もどうなるのかさっぱり見当つかないですね。自分が演奏を楽しんでいるのであれば、観客も楽しんでいると信じて演奏しています。これからもハンドパンの演奏に飽きないように楽しんでいきたいです。@handpanjourneyというアカウントで各ソーシャルメディアに音楽活動の様子を投稿しているので、フォローしていただけるとうれしいです。
(取材 北風 かんな)
バンクーバーのイベントでハンドパンを演奏中の潔さん
バンクーバーのイベントでハンドパンを演奏中の潔さん