2017年12月14日 第50号
シルク・ドゥ・ソレイユ『キュリオス』に出演
池田一葉さん
池田一葉さん
東京都出身。16歳でダンスを始め、早稲田大学在学中の2003年にアメリカのロサンゼルスに渡る。その後プロダンサーとして活動し、Billboard Music Awards、T-Mobile commercial、Nickelodeonなどに出演。日本では、宮本亜門演出のミュージカル『ウィズ』『Tee! Tee! Tee!』などに出演した。シルク・ドュ・ソレイユへ入団することが長い間の目標で、今回のkuriosのオーディションは8回目で念願を達成した。
シルク・ドゥ・ソレイユでは、これまでたくさんの日本人が活躍しているが、創設30周年作品『キュリオス』に出演中の池田一葉さんに話を聞いた。
入団までの経緯は?
長い間プロのダンサーとして活動してきましたが、2003年に渡米してからラスベガスでシルク・ドゥ・ソレイユのショーを観て、とても感動したのがきっかけです。
人によってさまざまですが、私は2012年にダンサーとしてジェネラル・オーディションに受かりました。しかしデータベースから実際にショー契約を結べる人は、全体の約5パーセント程度だと聞いています。
始めはどんなトレーニングをするのですか?
モントリオールにある本社に行き、衣装の採寸、健康診断などをこなしながら、メイクアップと演技、高所トレーニングなどを毎日行います。時間割が決められていてその時間にトレーニング場所に行くので、まるで大学時代のキャンパス生活のようでした。
大変だったことは?
英語には問題はなかったのですが、さまざまな国の訛りやコミュニケーションに慣れるのには少し時間がかかりました。
ショーに合流してから実際にパフォーマンスするまで、ステージでのリハーサルがあまり長くなかったのも大変でした。常に自主練とイメージトレーニングをして、効率良いリハーサルができるように集中しました。
火を扱ったり危険な技もありますね?
ファイヤー・パフォーマンスは、シルク・ドュ・ソレイユに入る前に所属していたサーカス団でトレーニングしました。安全面のトレーニングを受け、絶対にそれに従って行えばケガなどのリスクは減ります。
生活パターンは?
私はツアーショーに出演しているので、普段はホテル暮らしです。各都市での公演の間に1〜2週間程度の休みがあるときはロサンゼルスの家に帰ります。
キュリオスでの役柄、魅力について
私が演じるのはクララというメインキャラクターのひとりです。半分電信、半分女性という不思議な役で、人間の気持ちを理解したいという好奇心を持っています。ショーが進むにつれ、クララも驚き、感動、喜び、そして恋心まで多くの感情を経験していきます。
『キュリオス』は、まずメッセージがすごくポジティブで、明るいショーです。また一見とてもシンプルなコンセプトのようですが、観れば観るほど深く、また何層にもストーリーが展開しています。初めて観る方も、何回も観る方も必ず新しい感動があります。
シルク・ドュ・ソレイユは、とにかくその道のプロフェッショナルが集まっています。みんなが自分の仕事に誇りを持ち、作品を愛しています。意見を発言できる場も多く、風通しのよい職場だと思います。
憧れの先輩は?
目標にしているのは、ラスベガスで『KA(カー)』に出演されている高橋典子さんです。高橋さんのシルク・ドュ・ソレイユでのドキュメンタリーを観たときからの憧れです。お会いする機会がありましたが、人柄、パフォーマンスへの姿勢、プロとしての日々の努力、さまざまなことを学ばせていただきました。高橋さんのように、常に高い意識でパフォーマンスに全力で取り組み続けられる演者でいたいです。
来年は日本で公演ですね
日本で楽しみにしていただいている方々のために、できることをすべてやっていきたいと思います。良いショーはずっと心に残るものです。ぜひ、そういうショーを観ていただきたいと思います。
(取材 ルイーズ阿久沢 / 写真提供:Cirque du Soleil)
バンクーバー市内 Concord Pacific Placeにて12月31日まで開催。チケットは49ドルより。https://www.cirquedusoleil.com/canada/vancouver/kurios/buy-tickets
『KURIOS』より