PRカードはPermanent Residentカードの略で、カナダの永住権保有者が持つカードだ。カナダ国外に渡航して、再入国時に必要となる。たとえば、日本を訪れてカナダに戻る際、日本の空港でチェックインするときに確認される。自家用車で米国から戻る際も念のため持っていた方が良い。
PRカードの申請でCICから入手が必要な書類は、
・Application for a Permanent Resident Card
(PRカード申請書)[IMM 5444]
・Supplementary Identification(補足IDフォーム) [IMM 5455]
・Fees Receipt(領収書)
・Instruction Guide 申請のしおり[IMM 5445]
の4つだ。インターネットでCICのホームページからダウンロードする。以前のようにコールセンター(1-888-242-2100)に電話して取り寄せることはできなくなっているので注意しよう。
手続きの流れ自体は以前と同じで、
申請書を入手
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必要書類を集めて、申請書を記入。一方、申請料を支払い、必要な全書類をシドニーのCPC(Case Processing Centre)に送付。
↓
CPCで申請書を確認して、OKならPRカードが発行される。
※問題がある場合は申請書が返送される。
申請書とともに提出する書類
1.本人確認のためのひとつ目の書類。次のうちのいずれかのコピー
・有効なパスポートや渡航書類または永住権を取得した際に所有していたパスポートや渡航書類
・カナダや外国の外務省が発行した個人を確認する証明書や渡航書類
*書類のコピーは書類の種類、番号、発効日、失効日、氏名、写真、生年月日が必要。
2.本人確認のためのふたつ目の書類。次のうちのいずれか ふたつのコピー
・ Record of Landing (IMM 1000)かConfirmation of Permanent Residence (IMM 5292 or IMM 5688)または有効な運転免許証や写真つきのIDカード(州が発行するもの)
・大学やカレッジの学生証
そして次が今回、新たに必要となった書類だ。
3.過去5年間にカナダに居住していたことを証明する書類
過去5年間に所有していた全てのパスポートの全ページと
4.次のいずれかのうちひとつのコピー
・ Canada Revenue Agencyが発行したIncome Tax assessment(確定申告で受け取った書類)。過去5年間のうち2年分または過去5年間の大学の成績(適用する場合)または過去5年間の学校の記録(全ての学齢児童)
※コピーはきれいで判読できるものが求められるので、用意する時に注意しよう。
現在所持するPRカード
更新や、破損などの理由で再発行を希望するときは、新しいカードを受け取るまでは元のカードを手元においておくこと。新しいカードが発行されるときに、元のカードを持参する。
18歳未満がPRカードを申請する場合は、申請者の出生証明書(氏名、生年月日、出生地、両親の氏名が表示されているもの)か、申請者の法定後見人がいるなら、後見人であることを証明する法的な書類のいずれかも必要。
そのほか、Record of Landing (IMM 1000)、Confirmation of Permanent Residence (IMM 5292またはIMM 5688)にある名前と、現在の名前が違う場合は、氏名変更の法的な書類も必要となる。
これらの書類は英語、フランス語ではない場合、英語かフランス語への翻訳、文書の証明つきコピー、翻訳者の証明書も必要だ。「パスポートは英語と当該国の公用語の2ヶ国語表記、日本のパスポートなら日本語と英語になるので、パスポートの翻訳は通常、必要ありません」(J Kenney Consultingの渡部美奈子さん)。文書の証明つきコピーは、原本とコピーを比べて、原本のコピーで間違いないと証明してもらったものだ。歯科医、弁護士、ノータリーパブリック、警察官、ソーシャルワーカー、学校(小中高、大学)の先生などが、証明できる。
あとは、Application for a Permanent Resident Card とSupplementary Identification に必要事項を全て記入して、申請料を支払い、書類を郵送する。
申請書類記入の際は、全ての部分を完成させること。自分は関係ない部分は、明確にNot ApplicableもしくはNA(適用せず)と書く。
過去5年間でカナダ国外に渡航した日数など、記入スペースが足りない場合は、該当部分のあるページをプリントアウトして、書き足す。
申請料
申請料は一人50ドルだ。申請料はe-mailアドレスを持っている人なら、オンラインでVISA、MASTERCARD、AMEXのいずれかのクレジットカードを利用して支払うことも可能だ。但し、バーコードが表示されたCICの公式領収書をプリンタで印刷して、Payer Information(支払い者の情報)を手書きで記入する。領収書は申請書類に同封して郵送する。
もしくは金融機関で支払う場合は、まず領収書IMM5401で印刷して持っていく。金融機関のウェブサイトやATMで支払うことはできず、窓口に行く。
申請書の送付
ノバスコシアのシドニーにある処理センターに必要書類を全て郵送する。
処理センター
Case Processing Centre — PR Card
P.O. Box 10020
Sydney, NS
B1P 7C1
CANADA
申請書類を送付して一定期間が経過すると、処理状況をインターネットで調べることができる。www.cic.gc.caでOn-Line ServicesのCheck Application Status(ページの右上)を見てみよう。
早急に更新が必要な場合は、registered mail(書留)で送付。全ての必要書類に加えて、航空券のコピーを同封する。旅行会社などが発行する旅程表(itinerary)でなく、航空券が必要だ。さらに、郵送時、封筒に "Urgent Proof of travel included" (至急。渡航証明同封)と書いておくこと。
今回の変更での注意点を、ABIC移民&ビザ事務所の代表テリーさんに聞いた
「変更は、永住者がPRカード申請するときの便利性を図ったものの、やはり5年のうち、2年は住むという条件に変わりはないので、審査が緩く、2年未満でも取れるのではと安易に思わないほうがよいでしょう。」(注:PRカード更新には、5年中2年間、カナダに滞在している必要がある)
PRカード制度を導入してから、まだたくさんの問題点があります。
1)プロセスに時間がかかるので、切れる前の何日前まで申請すれば、ほぼ確実に下りるかは明確ではない。
2)有効なPRカードは持っていないが、PRステータスはまだ失っていない、その場合、どのようなビザ、方法でカナダに入国するのかは明確にされていない。
3)居住条件を満たさない場合、どのようにPRを棄権するのか、手続きはわからない。
4)PRカードを持っていなくても、或は無効になっても、必ずしもPRステータス(永住権)を失っているわけではない。
5)無効なPRカードでも、国境移民官の判断で、カナダに入国することも可能。
CICコールセンター 1-888-242-2100 (フリーダイヤル)
電話を掛ける場所の時間で、月曜から金曜の8:00 〜16:00まで。
PRカードの申請についてのウェブサイト
www.cic.gc.ca/english/information/applications/guides/5445ETOC.asp
(取材・文 西川桂子)