2019年10月10日 第41号

10月2日、在バンクーバー日本国総領事公邸で、日本酒の販売促進のためのレセプションが開かれた。日本の酒造会社や代理店から代表者がそれぞれテイスティング用の日本酒を提供し、食事と共に楽しみながら交流を深めた。

 

羽鳥隆総領事(後列左から4人目)および日本酒の酒造会社や代理店の方々

 

ー日本酒の魅力をアピール

 今回のレセプションには日本からの酒造会社や代理店10社の他、日本酒造組合中央会、BC州日本酒協会(SABC)、BC州リカー・ディストリビューション・ブランチ、連邦政府関係者、グレーターバンクーバー・ボード・オブ・トレードなどから代表者約50人が招かれた。日本の酒造会社や組合中央会の代表者たちは、JETROによる日本酒プロモーションツアーとしてバンクーバー、ダラス(米国)、モントリオールを訪れることになっており、各地で商談会や展示会を行う予定だ。

 最初に、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事が、日本酒は日本の文化に深く根ざしていること、日本料理だけでなくさまざまな食材と合うものだと述べた。またJETROと日本酒造組合中央会は、高品質の日本酒を海外の市場に紹介する取り組みをおこなっており、高い成果を上げていると話し、この日の出席者にも素晴らしい日本酒の数々をぜひ楽しんでほしいと述べた。

 続いてJETROトロント事務所の酒井拓司所長は、JETROの任務の一つとして日本企業の海外展開支援があると説明。近年は農産・海産物の輸出支援に力を入れており、日本酒はその中でも特に力を入れているもののひとつであると話した。そして、このレセプションで試飲し、気に入った日本酒があればSABCを通して購入や販売について相談してほしいと述べた。

 最後にアジア・パシフィック・ファウンデーション・カナダ、リサーチ部門のバイス・プレジデントであるジェフ・リーブス博士があいさつした。日本について、カナダがアジア諸国と連携し、さまざまな側面で良好な関係性を保つための素晴らしいパートナーであると認識していると話した。そして、このレセプションでおいしい日本酒を楽しみながら、出席者同士で良い交流ができることを期待するとして、乾杯の音頭を取った。

 

ー日本酒販売促進の取り組み

 その後に続くテイスティングの時間には、各テーブルで酒造会社の人たちと会話を交わしながら、日本酒を楽しんでいる様子が見られた。熱心に話を聞く人々の姿に、日本酒に対する認知度と関心の高まりが感じられた。またこの日は何種類ものフィンガーフードがふるまわれていたが、それぞれに合う日本酒の種類も書き添えられており、細やかな心遣いが印象的だった。

 レセプション翌日には、グランビルアイランドにある料理学校PICAに併設するレストランで、商談会及び展示会がおこなわれる。JETROの酒井所長によると、午前中はBC州でまだ販売されていない日本酒の酒造会社とBC州側の代理店が商談し、午後はすでに当地で販売されている日本酒のテイスティングの機会を設けるという。この催しにはSABCが協力し、販売や取扱いに関心を持つ業者などの相談に乗るということだ。

今回紹介された日本酒の種類と製造元及び代理店は以下の通り(順不同) 

祝い祭 純米 ほしのゆめ オシアナス・ヴィントナーズ(株)
南部美人 特別純米酒 酒ディスカバリーズLLC
出羽桜 一路 純米大吟醸 出羽桜酒造(株)
Hanabi 発泡純米清酒 南山物産(株)
高砂 純米酒 (株)金谷酒造店
福耳 純米吟醸 福源酒造(株)
富翁 純米吟醸 丹州山田錦 (株)北川本家
英勲 古都千年 純米大吟醸 齊藤酒造(株)
白鶴 純米吟醸 白鶴酒造(株)
 さゆり 純米にごり酒 
 翔雲 純米大吟醸 
バンザイ・バニー・スパークリング酒(3種) 梅乃宿酒造(株)

(取材 大島多紀子)

 

羽鳥隆総領事

 

JETROトロント事務所、酒井拓司所長

 

ジェフ・リーブス博士

 

日本で開催中のラグビーW杯、日本チームのユニフォームを持って参加した福源酒造の平林聖子さん

 

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