2019年9月26日 第39号
日本・カナダ商工会議所(JC-COC)は、9月18日、バンクーバー市内コースト・コールハーバー・ホテルby APAで、第16回年次総会を開いた。続く懇親夕食会には、羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事夫妻と石川征幸領事が来賓として出席した。
JC-COC理事の皆さん。前列6人目から羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事、ユジュ夫人、石川征幸領事
新生JC-COCが始動
総会の冒頭で、7月31日に逝去したゴードン門田氏の日系コミュニティーへの多大なる貢献に敬意を払い、黙とうを捧げた。総会には36人が出席。司会進行はケーシー若林さんで、理事選出と承認、会計監査報告、行事報告と今後の計画についての説明などが、各担当理事によっておこなわれた。今年度は会長にサミー高橋さん、副会長にゲーリー・マトソンさん、ケーシー若林さん、東敏隆さんが選出された。理事は全部で19人となった。また、今年度から日本支部を創設することに伴い、会則への変更が加えられたことも報告、承認された。
新会長の高橋さんは「日本・カナダ商工会議所は、2003年に故小松和子氏など数人を中心に、カナダ連邦政府の認可を受けた唯一の日系ビジネス団体として誕生しました。昨年までの15年間は、ビジネスを通して日本とカナダを結ぶというミッションで活動を続けてきました。私が会長代行を務めることになった昨年夏以降からは、これまでのミッションに加えて観光、 文化、スポーツ、教育分野でも、両国の友好関係を深める活動に力を入れ始めています。若手を含む新しい理事が11人加わり、新生日本・カナダ商工会議所として、日本とカナダを結びつける活動により一層力を注いで参ります」と語った。
ネットワーキングディナー
その後の懇親夕食会は、ウィットレッド太朗さんが司会を務め、高橋会長が開会の挨拶をした後、新たに理事として加わった2人が講演をおこなった。
まず、ツキジ・フィッシュ・マーケット社の疋田拓也さんが「浜と消費者を繋ぐ」というテーマのもと、架け橋というものはどのように活用していくかが実は大切なのではと話し始めた。巨大な築地市場で競り人として働いていた疋田さんは、バンクーバーに家族と共に移住し、北米と築地からの輸出入を手掛けるビジネスを起こした。水産業界においてグローバルなビジネス活動をするという、ひとつ上のステージを目指したいと熱意を語った。
次に、エートゥー社の高尾真人さんが「カナダと日本をスポーツでつなぐ」という内容で話した。高尾さんは小学校から大学まで選手またはコーチとしてサッカー漬けの生活を送ってきたという。BC州ナナイモのバンクーバーアイランド大学でMBAを取得。同時にスポーツ留学をする日本の若者のことを知り、現在のビジネスモデルを考えついたという。すでに10人以上の学生をスポーツ留学の目的でカナダに送り出している。その他、バンクーバー・ホワイトキャップスとのビジネス提携など、さまざまな形でビジネス展開していることを話した。
続いて羽鳥総領事が、韓国との漁業協定で交渉した経験があることや、サッカー観戦が好きであることから、2人の講演をとても興味深く聞いたと話した。また、JC-COCが活動のひとつとして、学生の交換留学プログラムを積極的に支援していることに触れ、こうした交流が日加の友好関係促進に役立っているとし、今後の活発な活動を期待すると述べた。そして、同会の発展を祈って乾杯の音頭を取った。
出席者はビュッフェディナーを楽しみながら互いに交流し、活気あふれる会となった。
(取材 大島多紀子)
日本・カナダ商工会議所第16回年次総会の様子
JC-COC会長に就任したサミー高橋さん
懇親夕食会に来賓として招かれた羽鳥隆総領事とユジュ夫人