サイモン、リーグ新記録を樹立
CFL入団から14年目で成し遂げた快挙だった。2012年シーズン開幕戦のこの日。注目は一身にサイモンの記録樹立に集まっていた。
昨季終了時点で達成まで残り67ヤード。サイモンなら1試合で難なくクリアできる距離だ。会場で今か今かと待ちわびている約3万人のファンは、サイモンがボールに触れるたびに大歓声を上げた。
その瞬間は第4クオーター5分頃にやってきた。サイモンがパスを完璧につかんだ瞬間、華やかな花火の音とファンの大歓声が会場を揺らした。
直後にフィールドで行われたセレモニー。チームメートや関係者に揉みくちゃにされた後、マイクを渡されると一瞬言葉に詰まり目を潤ませた。「このような記録を達成できたことを誇りに思う」とサイモン。「家族、チームメートに感謝している」と語り、「もちろんBCライオンズファンにも感謝している。ホームで達成できて本当にうれしい」と最後は笑顔を見せた。
カウントダウンは昨季からすでに始まっていた。「ずいぶん長くかかった」とサイモン自身も振り返る。この日も、数回パスを落とした。そのたびに会場では歓声とため息が入り混じった。
これまでのレシーブ距離最長記録はミルト・ステガルの15,154ヤード。サイモンはこの日レシーブ5回105ヤードを成功させ、15,192ヤードに達した。「とにかく達成できてホッとしている」と、本音もチラリと垣間見せた。

新監督、まずは初白星
昨季グレイカップ決勝で戦ったバマーズを相手に、序盤から全く危なげない試合展開だった。ただ、ルーレイが「オフェンスが機能しなかった場面もあった」と振り返ったように、あと2つはTDが取れてもいい内容。サックを3回も受けるなど、小さな隙を見せる場面もあった。第4Qでは、開始早々TDを決められ逆転かとヒヤリとする場面も。結局相手の反則で無効となり、その後の猛攻で勝利を確実なものとした。
9年間ライオンズを率いてきたブオノ監督が昨季の優勝で有終の美を飾り、今季からGMに専念。新監督にベネヴィデズ氏が就任し、キャンプから指揮を執っている。
監督1年目と言っても、昨季までブオノ前監督の下9年間ライオンズのコーチを務め、コーチ経験は24年間というベテラン。監督デビュー戦となったこの日は主役を完全にサイモンに譲ったが、試合は33-16と初陣を白星で飾った。
ディフェンスで活躍したジョンソン以外は、昨季の優勝メンバー主力がほとんど残留するという恵まれたチーム状況にある。今年も優勝の呼び声も高く、開幕戦はサイモンの大記録達成でお祭りムード一色となったが、チームも安定した勝ちを見せ、今季上々の滑り出しとなった。


(取材 三島直美)

 

7月、8月のホームゲーム

7月6日(金)7:00pm
ハミルトン・タイガーキャッツ戦

7月20日(金)7:00pm
エドモントン・エスキモーズ戦

8月19日(日)4:00pm
サスカチュワン・ラフライダーズ戦

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