元気いっぱいの子どもたち
好天に恵まれた5月27日、日系文化センター・博物館のホールで、グラッドストーン日本語学園の第41回卒業式と学芸会が行われた。午前中は、にこにこ広場の2歳児、幼稚園の3歳児から5歳児、そして小学科1、2年生の学芸会があり、会場は400の座席に収まりきらないほど大勢の親子連れらで賑わった。子どもたちは「げんこつ山のたぬきさん」、「ドラえもんのうた」、「通りゃんせ」など、父兄にも懐かしい日本の曲に合わせて遊戯や踊りを披露。また演目には、昨年「マルモのおきて」の主題歌として日本でブームになった「マル・マル・モリ・モリ!」もあり、子どもたちは元気いっぱいに振り付きで歌った。最後は生徒全員が壇上で「小さな世界」を合唱。大きな歌声が会場に響き渡り、感動的だった。
家族と歩んだ日本語学習の日々
午後から行われた卒業式では、小学科18人、中学科10人、高等科17人の計45人が卒業した。祝辞の中で在バンクーバー日本国総領事の伊藤秀樹氏は、カナダの学校に通いながらグラッドストーン日本語学園にも通い、日本語学習を続けてきた生徒たちの努力をたたえ、それを支えてきた父兄を労った。また、日系文化センター会長の林光夫氏は、生徒たちが日本語だけでなく日本の文化やコミュニティについても学んできたことを語り、卒業生を笑顔で祝福した。その後、壇上に並んだ卒業生は、それぞれしっかりとした日本語で挨拶。多くの生徒が、日本語学習の苦労を一緒に乗り越えてきた家族への感謝の言葉を述べた。そして客席には、ハンカチで涙をぬぐう父兄の姿があった。
村上学園長が贈る三つの言葉~
「挨拶」と「愛」と「あきらめないこと」
高等科の卒業生の中には、これまで12年間成長を見守ってきた生徒もいるという村上陽子学園長は、謝辞の中で「皆さんの卒業の言葉を聞きながら、胸がいっぱいになりました。皆さんが、お父さんとお母さんに手を引かれて入園してきたその日のことが思い出されました」と生徒たちに語りかけた。立派に巣立っていく卒業生に、村上学園長は、「あ」で始まる三つの言葉を贈った。その三つの言葉とは、「愛」、「挨拶」、そして「あきらめないこと」。いつも愛を忘れずに人と接し、一人一人に心を込めて挨拶をすること。そして、困難があっても、あきらめずに歩んで行くこと。卒業生たちは、村上学園長の心のこもったメッセージに真剣に耳を傾けていた。
日本語、音楽、ダンスの豊かな才能を発揮した学芸会
学芸会の午後の部では、小学2年生から高等科の生徒たちが、日頃の日本語学習の成果を存分に発揮し、寸劇、短歌の作品発表、こばなしなど、多様な演目で観客を楽しませた。生徒たちは音楽やダンスにも挑戦し、特に「世界に一つだけの花」では、観客の手拍子に合わせて、バイオリン、キーボード、ギターなどの演奏と歌で会場を盛り上げた。最後は、中学3年生と高等科の生徒が「ソーラン節」を披露。生徒たちの力強い「ソーラン節」に圧倒され、その元気な姿に大きなパワーをもらった。
(取材 船山祐衣)