車椅子バスケットボールの魅力
車椅子バスケットボールは、ゴールの高さやボールの大きさも普通のバスケと変わらない。規則もほぼ同じだが、ダブルドリブルに相当するルールがなく、ボ ールを持ったままタイヤを2回までプッシュすることができる。また、選手は障害の程度によって1から4.5までのポイントでクラス分けされる。胸から下が機能しないなど障害の程度が重い選手は1、健常者、膝下の切断、膝の故障など障害が最も軽い選手は4.5となる。5人の選手のポイント合計数が女子で17点以内、男子は14点以内とされており(国際大会では男女とも14点以内)、これで様々な障害レベルの選手が一緒にプレーできるという仕組みだ。競技に使われる車椅子は車輪が八の字型になっている。これはターンがしやすく車椅子同士がぶつかったときに手が挟まれにくい構造で、安定感を図るため後ろにも小さな車輪がついている。
BC州女子代表チームの一員として出場した原田麻紀子さんは、BC Wheelchair Basketball Societyでプログラムコーディネーターを務めている。車椅子バスケットボールの魅力をたずねると「スピードと激しいコンタクトがまず目をひきますが、車椅子の特性を使っていかに賢くアドバンテージを生み出すか、異なる体の機能をフルに活かしいかに巧みに車椅子を操作しながらプレーできるか、という点が面白いスポーツ。障害の違いや有無に関わらず純粋に同じスポーツを楽しめる点も魅力です」と答えてくれた。原田さん自身は健常者であり車椅子に乗ってプレーするとしても腰や足の力を使ってプレーすることもできるが、上半身しか使えない選手が健常者や障害の軽い選手を負かすようなプレーをするところなど非常に興味深い。

BC州女子チームが優勝
20日に全日程を終えた選手権では、BC女子チームのBC Brakersが見事優勝、BC男子チームは2位となった(1位はオンタリオ)。
今回、記者が観戦したのは女子のBC Breakers対ケベックだったが、スピードと迫力に圧倒されると同時に、鮮やかなパスワークなど技術の高さにも驚いた。以前は普通のバスケをプレーしていた原田さんもその熱い戦いに魅せられた1人で、「車椅子バスケはリハビリやレクリエーションだけでなく、健常者のスポーツと変わらない高いレベルの競技スポーツでもあることをより多くの方に知ってもらいたいです」と語る。
試合の後、車椅子バスケを少し体験してみた。くるくるとターンする車輪のスムーズな動きに感心しながらも、意外と思う方向に行くのが難しい。この車椅子をあんなに早く動かして進むのは相当な腕や上半身の力が必要だろう。選手たちのアスリートとしてのレベルの高さを改めて感じた。車椅子バスケを見てみたい、体験してみたいという人は、協会のウェブサイト参照、もしくは原田さんまで問い合わせを!

 

BC Wheelchair Basketball Society

電話:604-333-3530  Ext. 3530

メール:This email address is being protected from spambots. You need JavaScript enabled to view it.

ウェブ:http://www.bcwbs.ca

 

(取材 大島多紀子 写真提供 Gerry Kripps )

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