2019年3月7日 第10号

新生ホワイトキャップスとしての開幕戦は逆転されての黒星となった。「真っ新なチーム」と言っても決して過言ではないほど新顔揃いとなった2019年バンクーバー・ホワイトキャップスFC。サントス新監督の下、これからどこまでチームとして結束し勝ち星を伸ばせるかに注目だ。

 

記者会見でのサントス新監督。新生ホワイトキャップスをどのようなチームへと育てていくのか注目される

 

3月2日 (BCプレース:27,837)
バンクーバー・ホワイトキャップスFC 2―3 ミネソタ・ユナイテッドFC

 

 ホワイトキャップスは試合開始早々の6分に先制。しかし37分にDFナーウィンスキーの反則でミネソタにPKのチャンスを与え同点に。後半には立て続けに失点し、81分にDFヘンリーのゴールで1点を返したが、追いつくことはできなかった。

 

サントス監督MLSデビュー戦で課題が見えた

 ホワイトキャップス監督として初戦をホームで迎えたドス・サントス監督。2‐3で負け、白星デビューとはならなかったが、いろいろと課題が見えた開幕戦だったと振り返った。

 勝てなかったことよりも、後半に2失点したまずいプレーに「残念だった」と語った。前半はどことなく落ち着かない感じだったという。「1‐0でリードしていても、どこかこれは自分たちの(勝てる)試合ではないという感じがあった」と振り返った。逆に後半はいい動きをしていたと言う。それだけに2失点は無駄だったと語った。

 会見中には「試合での判断とポジショニングの重要性」の課題を繰り返した。中盤でのパス回しで攻撃の形を作っている時にいきなりフォワードに縦パスを出すプレーを無駄だったと語った。試合を作る上での判断とポジショニングを徹底する必要があると強調した。

 この日出場した選手でホワイトキャップスデビューとなったのは9選手。なかでも中盤で存在感を表した韓国から移籍のファン・インボムについて聞かれると、「試合をする中で徐々に慣れてきた感じだった」と語った。前半は苦戦していたようだが、後半は積極的にプレーに参加し、相手の強い当たりにもボールをキープするなど「今後が楽しみな動きが見えた」と評価した。

 開幕戦で2万7千人を超えるファンが詰めかけたことについて「スタジアムの熱気を感じた。すごくうれしかった」とバンクーバーデビューが多い選手に勇気を与えると感謝した。

 

復帰のFWモンテロにファンが期待

 この日登録された選手18人でホワイトキャップスとしてデビューしたのはなんと12人。プレーしたのは9人で、新顔揃いのまさしく「新生」ホワイトキャップスとなった。

 サントス監督は開幕戦前から、新しく加入した選手が多く、しかもチーム合流したのもバラバラで、まだまだ開幕戦に万全の状態で臨めるわけではないと語っていた。チームがいい形になってくるのはおそらく夏くらいという長い目でのチーム作りを目指している。

 新加入選手が多いが、2017年に大活躍した復帰選手もいる。FWフレディ・モンテロだ。チーム最多得点でホワイトキャップスを西カンファレンス3位に導いただけではなく、プレーオフ初勝利も引き寄せた大活躍はファンの記憶にも新しい。

 先発選手で名前がアナウンスされると、ファンからひと際大きな歓声が沸き起こった。モンテロと言えば、2017年シーズンはMFレイナとのコンビでゴールを量産した。昨年は活躍の場が少なかったレイナだが、モンテロの復帰にコンビ復活を楽しみにしているという。それはファンも同じだ。この日は、復帰初ゴールとはならなかったが、これからリーグ最年少チームをどこまで引っ張っていくのか。ファンの期待は大きい。

 

3月・4月のホームゲーム
3月 30日(土)7 pm シアトル・サウンダーズ戦
4月 5日(金)7 pm LA ギャラクシー戦
4月 17日(水)7 pm  ロサンゼルス・フットボールクラブ戦
4月 27日(土)2 pm フイラデルフィア・ユニオン戦

(取材 三島直美)

 

読者の皆様へ

これまでバンクーバー新報をご愛読いただき、誠にありがとうございました。新聞発行は2020年4月をもちまして終了致しました。