2019年2月28日 第9号

ビクトリアで初めてブリティッシュ・コロンビア州の認可が下りた日本語幼稚園、JLCビクトリア日本語幼稚園の開園祝賀式が2月23日、BC州最古の学校建築物であるCraigflower Schoolで行われた。

祝賀式には開園の支援をした方々ら約50名が参加し、在バンクーバー日本国総領事館からは多田雅代首席領事が出席し、祝辞を述べた。

 

多田雅代首席領事(右)と(左から)ディレクターの井上文子さん、ポメロイ百合園長、アシスタントティーチャーのピムロット恵子さん、ボランティアティーチャーの山本知愛さん

 

認可に至るまでの経緯

 「“息子がプリスクールに入る年までに日本語プリスクールを立ち上げたい”と常々考えていました。ビクトリアヘリテッジ日本語学校で教師をしていた時に出会ったポメロイ百合先生とバイリンガル教育について度々話をする機会があり、自身もバイリンガル教育を実践されてきた百合先生に子育てについて相談をしてるうちに、保育士としての経験も豊富な百合先生に園長先生をしてもらいたいと考えるようになりました。そして、2年程前に一緒に幼稚園を始めないかと相談を持ちかけ、認可申請をスタートさせました。場所探しにとても苦労しましたが、諦めず情報収集していた折、昨年初めにCraigflower Schoolhouseが会議室として時間貸しに出されている広告を見つけ、その写真のロケーションに一目惚れ、すぐに連絡をして管理運営をしているHallmark Heritage Society へ提案書を提出し、利用許可を頂くことができました。」とディレクターの井上さんは語る。

 しかし、BC州のHeritage Siteで、現代のChild Care Facilityの条件をクリアすることは容易ではなく、安全確保のための外遊びのプランがネックとなり、当初計画していた9月の開園は叶わなかった。その後、隣接しているCraigflower Elementary Schoolの協力を得て、10月末からの開園が可能となった。

 

現在のクラス状況

 現在3〜4歳児を対象としたプリスクールプログラムを行っており、定員は10名。週5日通う生徒以外に、パートタイムで週2〜3日の生徒もいるため、生徒は14名(2019年2月末までの受付数)。現在は午前の1クラスを日本語オンリーの環境で行っている。日本語のみでのコミュニケーションを実践しているため、日本語の基本的な理解力が条件となっている。

 また今年9月からスタートする予定の午後のクラスは、午前のレギュラークラスとは異なるフュージョンクラス(日本語と英語の両方で指導を行う)も導入する予定で、多文化教育に熱心なご家族の要望に応えていく方針だ。

 

今後の展望

 「まずは、幼稚園のプリスクールプログラムをレギュラークラス、フュージョンクラスに分け、日本人のバックグラウンドを持つ子供のみならず、多文化教育に力を注ぐご家庭の要望にも応えられるよう、プログラムの充実をはかり、時間をかけてコミュニティに愛される幼稚園にすることが目標です。また、長期のお休みに子供たちが日本語にどっぷり浸かれるスプリング&サマーキャンププログラムを企画し、毎年様々な子供に日本語と日本文化を体験する場所を提供していきたい」と井上さんは語った。

 早速、今夏からサマーキャンプを行う予定で、対象年齢はプリスクールプログラムが幼稚園同様の3〜4歳。スクールエイジプログラムはKinderからG5を対象としている。※詳細は来月ウェブサイトで公開予定

 また2019年度から、幼稚園の午後クラスを始めるほか、定員数も10名から15名に拡大する予定だ。

 

JLCビクトリア日本語幼稚園
住所:Craigflower Schoolhouse(2755 Admirals Road, Victoria, BC, V9A 2R2) 
問い合わせ:https://www.jlcvictoria.com/contact

(取材 編集部)

 

ポメロイ百合園長(右)とディレクターの井上文子さん(左)

 

2018年10月29日に行われた入園式

 

(左から)ポメロイ百合園長、井上さんの息子さん(当幼稚園第1期生)、ディレクターの井上文子さん。スクールハウスの建物の前で

 

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