2019年2月21日 第8号

和歌山県和歌山市から食品メーカーと青果卸業者、和歌山市役所職員が訪れ、2月14、15日にブリティッシュ・コロンビア州(以下BC州)のリッチモンド市役所で地元バイヤーとの商談会が行われた。

 

和歌山市からの一行と日加商工会議所のメンバーの交流の場が持たれた

 

姉妹都市の縁からの経済交流

 1973年に姉妹都市となった和歌山市とリッチモンド市は人的交流が重ねられており、2016年には経済交流の覚書が交わされている。2017年リッチモンド市への日本の帆船・海王丸寄港を歓迎するフェスティバルでは、会場に和歌山の物産品のブースが設けられた。そして今回は、実際に和歌山の食品がカナダで販売されるようにと和歌山市役所が先頭に立ち、14、15日の商談会に臨んだ。

 今回来加したのは、和歌山市中央卸売市場、東洋ライス株式会社、醤油の醸造会社(株)角長からの担当者と、和歌山市国際交流課職員の計7人。カナダ側からは日本食材店のイズミヤ、フジヤ、日本食品総合卸業のJFCインターナショナル株式会社、青果卸売業のフレッシュ・ダイレクト・プロデュース、そしてT&Tスーパーマーケットのバイヤーが訪れ、個別に各業者から話を聞いた。

 

日本を代表する自慢の製品を紹介

 東洋ライスは特殊技術で開発した、消化がよく甘みのある無洗米二種を紹介。一つは糠層と澱粉層の間にある亜糊粉層と、胚芽の基底部分を残した「金芽米」。もう一つの「金芽ロウカット玄米」は、玄米表面の蝋層のみを除去したことで、玄米の栄養価を残しながらも食べやすく、カロリーも抑えられる新しいタイプの玄米だ。

 角長の所在地は醤油醸造発祥地として2018年に、日本遺産に登録された和歌山県湯浅町。その地で1841年に創業した角長は、長い熟成期間をかけた手作りの生醤油、パウダー状、ペースト状にしたもろみの商品を携えて商談に臨んだ。

 和歌山市中央卸売市場を代表して訪れた株式会社大正丸は、果実の収穫高日本 一の和歌山県から甘さが自慢の小玉スイカやイチゴを、そして柔らかさが特徴の青首大根やしょうがを中心に青果を紹介した。また和歌山市職員も市内の食品メーカー数社に代わって酢やジャム、菓子類の製品を紹介。バイヤー側からは買い入れへの前向きな姿勢が見られた。

 和歌山市役所国際交流課の奥野章さんに当商談にかける思いを尋ねると「今回の訪問をきっかけにカナダのスーパーに一つでも和歌山の商品が置かれることを期待しています。将来的にはスーパーに和歌山の物産品のコーナーができれば」と語った。

 

草の根の交流も

 この度の和歌山市からの一行を日加商工会議所が歓迎した。同会会長代行のサミー高橋さんは「日加商工会議所は日本とカナダが交流できる材料がある際、ぜひそれを情熱を持ってお手伝いできればと思います」と述べ、そのメッセージに加えて同会副会長の東敏隆さんは「海外への進出により日本の自治体がより活性化されること、そして最終的にカナダにおいしいものがたくさん入ることを期待しています」と願いを語った。

(取材 平野香利)

 

商談に臨む東洋ライスの営業担当者(写真奥側)とフジヤのバイヤーたち(写真手前)

 

「日本にはこんなにおいしいものがあるとアピールできたら」と大正丸の川﨑悟さん

 

天保12年から伝統製法で醤油を製造してきた角長の加納恒儀さん

 

Richmond library and Cultural Centre 内で常時展示となった和歌山の物産品

 

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