◆5流派が勢ぞろい
バンクーバー地区で生け花を教える師範らによって1965年に結成されたVIAには池坊、山月流、草月流、華道すみ、小原流の5流派が所属。期間中は展示のほか、各流派によるデモンストレーションが行われた。
初日には開催を祝して伊藤総領事がVIA創始者らとともにリボンカット。日本文化伝承のために活動を続ける会員らに感謝の言葉を述べた。


◆花を通した楽しみ方
今年度から新会長を務めるカズ・タカハシさんはバンクーバー生まれの日系人。40年前、自分のルーツを探ろうと出会ったのが生け花だった。「自然の素材、枝がしなる美しい線にとても魅力を感じています。生け花を始めてから自然や樹木、植物や鳥といった自然界の共存にとても興味を持つようになりました」と話す。
花器を作るために10年前から陶芸を始めたという山崎理恵さんは、自作の器やハワイで見つけたバンブーマットなど小物にも気を配った。


◆新会員も作品展示
生け花歴約30年から50年という師範やベテランが多い中、初心者も作品を出品した。
師範の母親を持つ日系4世のキンバリー・フェアーズさんは、生け花を始めて3年目。基本に沿いながらもクリエイティブに生けられるところが気に入っているとのこと。習い始めて2年目の男性会員モリッツ・レイムさんも、生け花をする母親(カルガリー在住のチエコさん)を見て育った。作品を家の中の空間に置いて楽しんでいるという。
「全流派の作品が揃う展示会は花に興味のある人だけでなく、これから華道を始めたい人にとって、とても参考になると思います」と主催者側は話している。


(取材 ルイーズ阿久沢)

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