ロゼで始まったカクテル
この日参加したのはゼストの顧客やワイン愛好家など約35人。カクテル開始と同時にグラスに注がれたのは2011年産のロゼ。美しく透き通るバラ色のグラスで、期待でいっぱいの夜に乾杯した。
振舞われた前菜はロイヤルミヤギ・オイスター。生ガキに添えた大根ポン酢ソースが食欲をそそる。和食好きにはたまらないおいしさだ。舌鼓を打ち2杯めのロゼを口にするゲストの横で「まだ始まったばかり」とささやく声。ワイナリー・ツアーの体験談など、早くもワイン談義に花が咲いた。

ワイン・ディレクターのお気に入り
ワイナリーとレストランのコラボレーション。きっかけはゼストのワイン・ディレクター兼シェフの片桐龍也さんがオカナガンのヒルサイド・ワイナリーを何度か訪問し、そのワインを気に入ったことから始まった。
ゼストのオーナー片岡以織さんと馬庭義明さん(エグゼクティブ・シェフを兼任)が賛同し、片桐氏とともにワインに合わせたメニュー作り、チームが一丸となってイベント開催に臨んだ。
冒頭でヒルサイド・ワイナリーの販売代理店(ローワーメインランド、バンクーバー島担当)ブルーノート・ワイン&スピリッツ社社長のパトリック・エリスさんが『2012年レストラン・アワード』(アップスケール・ジャパニーズ部門・銀)受賞に輝いたゼスト・レストランにお祝いの言葉を述べた。

絶妙なペアリングに絶賛の声
カクテルに引き続きテーブルに案内されると、懐石料理風の前菜プレートが運ばれた。自家燻製BC州産まぐろのカルパッチョ(しょう油オリーブドレッシング)、ローカルフリーレンジ・チキンの蒸し鶏(宮古島の塩と梅しそソース)ほかの品々は目に美しく食べておいしい。ワインは2009年産アンオークド・ピノグリ(Un-Oaked Pinot Gris 2009)。ヒルサイド・ワイナリーのワインメーカー、キャシー・マローンさんによると、渋くない白ワインは懐石料理に合わせやすいとのこと。
スパイシーゆず風味のはまち、ひらめの握りほかが乗ったお凌ぎすしプレートにはライチーの香りと甘さが口に広がる2010年産ゲベルツトラミネール(Gewurztraminer 2010)。ハイダグアイ産のハリバットには甘味のある2011年産マスカット・オットーネル(Muscat Ottonel 2011)。このワインが大好きで参加したという北村依子さんと大北美由紀さんはうっとりと満足の微笑を見せた。
クアリカム・ビーチ産黒豚のパン粉揚げ、ハニー・ディジョン味噌ソースにはまろやかな口当たりの赤ワイン2008年産メルローカベルネ(Merlot-Cabernet Franc2008)。デザートはセサミを使ったチーズケーキとアイスクリーム。遅摘みブドウで造られる甘口ワイン2009年産レイ・ハーベストKVR(Late Harvest KVR2009)を合わせて締めくくる。
ローカルの素材をふんだんに使ったメニューとワインとの絶妙なペアリングに各テーブルから絶賛の声が聞かれ、和食とワインという初の試みは参加者の満足顔とともに終了した。


(取材 ルイーズ阿久沢)

 

Zest Japanese Cuisine
2775 West 16th Avenue, Vancouver BC
604-731-9378

http://www.zestjapanese.com

 

Hillside Winery( http://hillsidewinery.ca/

ワイン購入に関する問い合わせはBlue Note Wine & Spirits Inc. 604-904-5171まで

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