そんな沿岸部の自治体の1つである岩手県大槌町から、1人の高校生が3月下旬に、ここバンクーバーにやってきた。彼の名前は、黒澤聖弥君。現在、岩手県大槌町の高校に通っている。黒澤君は、岩手県釜石市のNPO団体である『@リアスNPOサポートセンター』主催による留学プロジェクトの参加者として選出され、バンクーバーに3月24日より4月6日まで滞在している。
バンクーバーで留学をコーディネートする会社を経営し、今回のプロジェクトをサポートしている真澄スナイダーさん(岩手県釜石市出身)にお話をきいた。また、参加者である黒澤君にもコメントをもらった。
―そもそもこのプロジェクトを行うきっかけや狙いは何ですか?
真澄さん「大震災が起こり、岩手県沿岸部の教育レベルの低下を危惧しました。教育レベルの維持は、地元の治安維持・経済、企業誘致などのためにも大切であり、それはひいては、地方自治体の活性化にもつながります。岩手県沿岸部は海や山に囲まれ、世界で住みやすい街第1位のバンクーバーと似ている部分がたくさんあります。黒澤君がバンクーバーで、多民族国家、街づくりのヒントを体感し、それを周囲に伝え、将来、地域の活性化に活かしてもらうヒントとなればと思いました」
―今回の留学プロジェクトの特徴は何でしょう?
真澄さん「語学研修(CSLIにて)、ホームステイ、観光、現地の高校生との交流といった通常の活動に加え、社会見学を多くしています。これは、たくさんの人々に会ってもらうためです。また、このプロジェクトはいろいろな方達のサポートで成り立っていますので、黒澤君にはバンクーバーで体験したことを『@リアスNPO』上のブログにつづってもらい、情報を発信してもらう予定です(http://cadatte-kamaishi.com/?cat=184)」
なお、この留学プロジェクトは、今後も継続させていく予定だそうだ。
<黒澤君のコメント>
飛行機は初めて乗るので緊張しました。窓から見た景色はとても綺麗でした。
カナダに到着して、スタンレーパークに行きました。色々な国の人がたくさんいて驚きました。ゴミなどがひとつもなく自然が綺麗でした。
ホームステイ先は、 野菜中心の食事でおいしかったです。ホームステイ先の人もすごく優しいので安心しました。
学校が始まりました。テストや授業をしましたがあまり分かりませんでした。まだ始まったばかりなのでこれからもっとがんばりたいと思います。
(取材 熊坂香)